大阪市立中学校での不登校生徒は本当に多いです。令和5年度の調査結果によると、4,917人(9.61%)もの中学生が不登校でした。およそ10人に1人、40人クラスならば4人が不登校です。

大阪市で激増する不登校 小学生は2,227人(50人に1人)、中学生は4,917人(10人に1人) 令和5年度

不登校ないし不登校気味で中学生生活を過ごした生徒は、卒業後にどういった進路を取るのでしょうか。学校での進路懇談や子供との話から概略が見えてきました。

頻繁に話を聞くのは私立通信制高校です。有名どころではS高やN高が、その他にも数多くの通信制高校があります。親世代が中学生だった頃とは様変わりしています。

私立通信制高校が巧みだと感じるのは、中学生や保護者へのアプローチ手段です。子供が中学校から持ち帰るチラシ類の中で最も多い物の一つが、通信制高校の入学案内や説明会に関するハンドブック・プリントでした。1日で5校もの案内チラシを持ち帰る事もありました。

内容も充実しています。中学生の目を引きそうなデザインやカラーリングがあり、通信制高校でどういった毎日や学習を行うのかが分かりやすく記載されています。同じチラシが何度も配布されており、進路に困る中学生やその保護者への訴求力は極めて強いです。

公立高校を選択した生徒もいます。エンパワメントスクールやステップスクールが代表例です。

ステップスクールは、義務教育段階までに学校生活での困りやつまずきを経験しながらも、
高校生活をとおして、就職や進学をみすえ、基礎的な学びや、地域と一緒に体験的な学びにチャレンジできる学校です。

https://www.pref.osaka.lg.jp/o180030/koto_kaikaku/stepschool/index.html

エンパワメントスクールは、社会人として必要な「基礎学力」「考える力」「生き抜く力」をすべての生徒が身に付けることをめざしています。
https://www.pref.osaka.lg.jp/o180040/kokosaihenseibi/empower/index.html

個々の生徒に応じた指導等を寄り添って行っています。子供が通っている中学校でも積極的に勧めているそうです。

公立の通信制高校もあります。府立桃山高校通信制課程です。ただ入学希望者が多く、入学しにくい状況が問題視されています。

これ以外の選択肢等もありそうですが、細かい情報等までは入ってきません。

中学校へ行きづらくなる原因は多種多様です。どういった進路が適切かは人それぞれであり、「○○が良い」とは一概に言いにくいです。

中学校に在学している最中は担任の先生等が何らかのアプローチをしてくれます。たまに中学校で姿を見かけると、見知ったクラスメイトが声を掛けているそうです。子供にも「不登校気味の子が教室にやってきたら、一声掛けて。」と伝えています。

ただ、中学校の先生方の負担感は強い様子です。授業や部活動の指導に加え、不登校生徒の対応までは手が回りにくいと聞きます。

生徒と話がしにくいのも頭が痛いそうです。ようやくアポイントメントをとって進路懇談を行おうとしても、指定した日時に生徒がやってこない事もあるそうです。

繰り返しとなりますが、不登校の中学生は本当に多いです。今春以降にお子様が中学校へ進学する予定の方は、入学後の様子を注意深く見守る様にして下さい。

4月は登校できていたのに、連休明けの5月から登校できなくなった生徒もいます。進度が早い授業、厳しい部活動、厳しい校則、見知らぬ同級生、科目で変わる先生、自由で緩やかな小学校とは対極です。