大阪市立学校データベースを更新しました。今回は中学校です。2023年4月に実施された全国学力テスト及び生徒数・学級数を更新しました。

大阪市立学校データベース

2021年から2023年にかけての点数を掲載しています。

小学校とは異なり、大阪市の中学校の平均点はなかなか全国水準に追いつきません。様々な事情を抱える家庭が非常に多いのに加え、高学力層は私立中学校へ抜けてしまうのも一因でしょう(但し東京都の平均点は非常に高い)。

中学生の学力分布の特徴の一つは「中間層の少なさ(=二極化)」です。テストでは平均点付近の人数が最も多くなるのが一般的です。しかし、分布を示すグラフの形は上位層も中位層も下位層も人数が変わらない「台形」や、更には中間層が少ない「ラクダ型」になっています。

しっかり勉強をして高校進学を目指すグループ、自分が理解できる範囲で無理せず勉強するグループ、そして勉強を諦めた、もしくは勉強に全く付いていけないグループに分かれている印象を受けました。

中学校の先生方は主に下位層や中間層に対する指導を強化しています。この夏休みの間も補習授業を行っています。

しかし、定期テストで10点や20点前後の点数しか取れない生徒に対してどうやって指導をすれば良いのか、先生方も悩んでいる様子がうかがえます。こうした生徒が決して少なくありません。

また、規模が急激に小さくなっている中学校もあります。たとえば長吉六反中学校は3年生65人に対し、1年生はたった14人しかいません。一般的な中学校としての活動を行うのが難しい規模へと急減しました。

子育て世帯に好まれる地域にある中学校では生徒数に大きな変動はありませんが、そうでない地域の中学校は減少傾向が明らかです。前者は学力テストの平均点が高い学校が多く、後者はその反対です。

中学校での学力差は高校進学に直結します。保護者はシビアです。