新型コロナウイルスの5類移行・外出しやすい季節への移り変わり・外国人観光客の急増等により、大阪市中心部でも人出がコロナ禍前に近い水準まで戻っていると感じています(高齢者を除く)。

それに伴って少し困った現象も発生しています。「ベビーカーでエレベーターに乗れない問題」です。

ベビーカーを押しながら外出するには、エレベーターの利用が必須です。鉄道に乗車する際や大型商業施設(デパート等)にを移動する際には、真っ先にエレベーターの所在を確認する様な癖が付いてしまいました。

深刻に感じているのは、大阪市中心部にある商業施設等におけるエレベーターの乗りにくさです。止まったエレベーターに乗り込もうとしても、既に満員で乗れない場合が増えました。特に途中階(大型商業ビルの2-3階等)からは全く乗れない時間帯もあります。

ベビーカーや車いすでエレベーターが占拠されているのであれば理解できます。が、乗客の多くは若年層から中年層です。中には隠れた障害を有している方もいるでしょうが、十数人が全員該当するとは考えられません。

エレベーターの扉が開き、外でベビーカーを押しながら待っている家族連れがいても、自主的に降りてくれた光景は皆無です。本当に譲ってくれません。

「乗りたいので場所を譲って貰えませんか」と声を上げても、反応は殆どありません。強めの口調で「ベビーカーが乗ります!」と声を張り上げても、反応は本当に鈍いです。

商業施設にある多くのエレベーターには「ベビーカー等が優先」を示す言葉やピクトグラム等が掲示されています。が、効果は感じていません。中にはこうした表示に気づいてエスカレーター等を利用する方もいるでしょうが、それ以上にエレベーターを利用する方が多いのです。

先日、子供から「ポケモンショップに行きたい」とリクエストがあったので、大丸梅田店にあるポケモンショップへ出掛けました。せっかく来たので、他のフロアの様子も見に行こうと思いましたが店内は混んでおり、エレベーターへ乗るのは難しいと感じていました。

すると、エレベーターの前面床に赤太字で「優先運行 できるだけエスカレーター、他のエレベーターのご利用をお願いいたします。」と書かれた大型ステッカーが貼り付けてありました。

数ヶ月前にここに来た際は無かった筈です。横幅はエレベーターの扉とほぼ同じ、縦横2メートル近くもありました。これは目立ちます。

極めて目立つステッカーが貼られたエレベーターに乗るには、相応の勇気(蛮勇?)が必要かもしれません。他の乗客で満員になる事もなく、すんなりと他のフロアへ移動できました。

背景には子育て世帯からの悩みの声が非常に多く、売上にも影響しかねないという判断があったのでしょう。エレベーターに乗れなければ上層階の子供用品売り場へ行けず、自然と足が遠のいてしまいます。

市内の他の商業施設を何カ所か思い浮かべてみましたが、これほど「優先運行」と強調している施設は思い出せません。それだけ「ベビーカーがエレベーターに乗れない問題」は深刻なのでしょう。

特に共働き世帯がベビーカーを押して訪れやすい週末は深刻です。対策が甘く、実効性が乏しい商業施設が多いです。より踏み込んだ対策を願いたいです。