大阪市の公立保育所民営化計画が予定通りに進んでいません。そこで、建替手法や必要数の見直しを行います。
公立保育所民営化推進計画(案)
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000557648.html
主な変更点は、(1)建替移転のみならず仮設移転&現地建替も行う、(2)必要箇所数を36カ所から35カ所へ、の2点です。
大阪市は長期的に利用可能な市有地を民間施設へ提供し、そこへ公立保育所を建て替えて移管する手法を採ってきました。しかし、周辺地域に市有地がない公立保育所も少なくなく、半ば頓挫しています。
そこで短期間でも利用出来る市有地や民有地・民間ビル等に保育所を仮設し、現地で建て替える手法を採用します。
大阪市内を歩いていると、至る所で「大阪市建設局」との札が掛けられた未利用地を目にします。多くは道路用地ですが、供用されるメドは立っていません。10年以上も草が生い茂っている土地もあります。せめて子供の遊び場として利用出来ないか、と何度も考えていました。
こうした土地を有効に活用するのは当然です。仮設設備を設置する費用は必要ですが、古くて耐震性にも課題がある公立保育所で保育を継続する問題の方が遙かに大きいです。
公立保育所35カ所へ
また、大阪市は平成29年7月に「1行政区1か所を基本とし、客観的な数値である区内の要保護児童対策地域協議会の対象児童数と区内の公立・民間保育所に入所している障がいのある児童数(以下、「支援を要する児童数」という)を考慮」し、24区で計36カ所の公立保育所を維持する計画を策定しました。
その後の推移等を踏まえ、当初の計画を微修正しました。
必要箇所数は概ね人口に比例しています。平野区・城東区・淀川区は入所希望者が最も多い3区です。
ここ数年で要保護児童対策地域協議会対象児童数は横ばいですが、障がい児入所児童数は右肩上がりで増加しています。
障がい児の多くは公立保育所へ入所しています。ほぼ全ての公立保育所が受け入れている一方、民間保育所は約7割に留まります。1施設あたりの人数は公立保育所4.9人です。民間保育所は2.2人ですが、平成27年度は2人でした。
民間保育所での平均受入数が増加し、更に民間保育所の数自体も大幅に増加しています。こうした状況を受け、公立保育所を更に減らしても差し支えないと判断したものと考えられます。
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