このところ、「緊急事態宣言はいつまで続くの?」という話題が上がる事が多いです。
少なくとも大阪は「5月末での解除は絶望的」です。100%無理でしょう。酒類の提供自粛(禁酒令)も続きます。
新規感染者数は減少傾向にありますが、人口10万人当たりの直近7日間の感染者数は約51という高い値です。ステージ4の基準値25の倍です。
<感染状況の分析【地域の動向等】>
※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。実効再生産数は、1週間平均の直近(5/3時点)の値①関西圏
・大阪では、まん延防止等重点措置(重点措置)の開始から6週間、緊急事態措置の開始からは3週間経過。先週今週比は直近約2週間は1以下で推移、新規感染者数も減少傾向が続いているがまだ非常に高い水準。夜間滞留人口・昼間滞留人口は、これまでの最低値水準にまで急減した後、増加に転じている。滞留人口の減少から新規感染者数の減少まで約5週間を要した。大阪、兵庫、京都で実効再生産数は0.87、0.99、0.98となっており、今後も新規感染者の減少が見込まれるが、滞留人口の動向とともに注視が必要。
・大阪、兵庫、京都、奈良の新規感染者数は、約51、36、37、34。ほぼ横ばいの京都以外は減少傾向だが、全年齢層で新規感染者数が高い水準。
・大阪、兵庫を中心に、医療提供体制や公衆衛生体制の非常に厳しい状況が継続。一般医療を制限せざるを得ない状況が続いている。病床の確保が進められているが、必要な医療を受けられる体制を守るためには、新規感染者数の減少を継続させることが必須。
・和歌山では、新規感染者数は減少傾向で、約12。滋賀では、ほぼ横ばいで約23。
人流は確かに低下しています。しかし、第1回・第2回の緊急事態宣言時と比べ、感染者がピークアウトするのに長い時間が掛かっています。
更には重症病床は未だにオーバーフローしています。
5月19日時点での重症病床使用率(分母は確保病床224床)は149.6%、分母を運用病床352床とする運用率ベースでも95.2%という高率です。
たとえ感染者が減少しても、重症病床使用者はここ1~2か月間の累計感染者数に比例します。これまでの山が余りに高く、そして大きかったです。
吉村知事の発言通り、「解除を議論できる段階では無い」です。
大阪コロナ減少も吉村知事「解除の目途まだない」
https://www.lmaga.jp/news/2021/05/266008/
一方で宣言の長期化により、経済面での問題が拡大しています。例えば兵庫県の様に休業要請等を一部緩和する可能性はあります。
兵庫県は7日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、緊急事態宣言の延長期間中の対応策を決めた。現在、休業要請している大型商業施設などには県独自で土日の休業と平日午後7時までの営業時間短縮を要請。午後8時までの時短営業を認める政府より強い措置となる。原則無観客としていたスポーツなどのイベントは、5000人かつ収容率50%以内での開催を要請する。
酒類・カラオケを提供する飲食店への休業要請、提供しない店への午後8時までの時短要請は継続する。中学・高校の部活動は要件を緩和し、平日の校内活動のみ認める。国の方針に準じ、延長期間は5月12~31日。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF066J60W1A500C2000000/
ただ、感染拡大を牽引し、未だに人流回復の中心となっている20代~30代の行動を誘発する緩和策は行うべきでは無いでしょう。
あくまで個人的な考えですが、大型商業施設は土日休業、イベントは無観客開催を継続すべきでしょう。感染拡大をより抑え込むには、若年層の行動抑制を継続するのが重要です。
6月以降も継続するとなると、子供や子育て世帯の行動にも大きな影響を及ぼします。
ただでさえ限られている週末の外出先はもうありません。同じ場所をローテーションするしかありません。子供からは文句が出そうです。
週末の学校施設開放や地域行事も無理ですね。夏休み中に行われている盆踊りを今年も中止にする、という話が漏れ聞こえてきました。
学校や保育所等の行事も絶望的です。延期されていた1学期の遠足はこのまま中止になるでしょう。運動会は秋以降へ先送りするしかありません。修学旅行等も延期ですね。
夏休み中の各種活動も難しくなってきました。サマーキャンプの類は軒並み中止となりかねません。
大阪市教育委員会は「今夏は水泳授業を実施したい」と示しています。しかし、果たして緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の下でもハイリスク活動を行うのでしょうか。
変異株による第4波がここまで長期化するとは思いもしませんでした。いつまで続くのでしょうか。先は見通せません。