首都圏に発出されている緊急事態宣言が21日に解除される事を受け、大阪府はJR新大阪駅の新幹線ホーム(21番・22番乗り場)にサーモグラフィを設置します。

大阪府の吉村知事は、今月21日で緊急事態宣言が解除される首都圏との往来による新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、今月22日から来月9日までの期間、JR新大阪駅で、首都圏方面からの新幹線の利用客を対象に、検温を実施することを発表しました。

首都圏の1都3県に出されている緊急事態宣言について、政府は、期限の今月21日で解除することを決定しました。

これに関連して、大阪府の吉村知事は、19日、記者団に対し、首都圏との往来による感染の再拡大を防ぐための水際対策が必要だと述べ、JR新大阪駅で、首都圏方面からの新幹線の利用客を対象に、検温を実施することを発表しました。

新大阪駅の構内の3か所に、体温を計測する「サーモグラフィー」などを設置して利用客の検温を行い、体温が37度5分以上と測定された人には、府の職員らが、健康観察や、保健所や医療機関の受診を呼びかけることにしています。

検温を実施する期間は、今月22日から来月9日までの19日間で、午前9時から午後9時までの時間帯で行うとしています。
一方、福岡や広島方面からの利用客への検温は予定していないということです。(以下省略)

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210319/2000042691.html

JR新大阪駅は非常に多くの乗降客が行き来する駅です。新幹線乗り場は8箇所もあります。

https://railway.jr-central.co.jp/station-guide/shinkansen/shin-osaka/map.html

東京方面からやってくる新幹線の多くは21番・22番乗り場に、一部の新幹線は22番~26番乗り場にも到着します。

大阪府によると、サーモグラフィは同じ島式ホームにある21番・22番乗り場の3箇所に設置するそうです。

 府によると、東京方面からの「のぞみ」が集中して到着する21、22番ホームの降り口付近3カ所に体温を自動計測する「サーモグラフィー」を設置。新幹線利用者が多い午前9時から午後9時まで検温する。

https://www.sankei.com/life/news/210319/lif2103190021-n1.html

具体的な場所はエスカレーター・エレベーター・階段下です。ホームではなく改札階ですね。

検温自体は否定しませんが、果たしてどれだけの効果が上がるのでしょうか。

体温が高くても無理して乗車する人にとっては、府職員が呼びかけても実効性があるとは考えにくいです。しかも東京帰り、その足で医療機関へ向かう人はほぼいないでしょう。無症状者をピックアップする事も出来ません。

また、福岡や広島方面へ向かう乗客への検温は実施しないそうです。中国四国や九州から見ると、関西も新型コロナウイルスが蔓延している地域に見えるでしょう。

「首都圏からコロナを持ち帰って広げるのは防ぎたいけど、広島や福岡へ広げるのは差し支えない」という、誤ったメッセージを発しかねません。

更に実施する時間帯も限定されています。最もリスクが高いと考えられる、東京でギリギリまで呑んでいた人が帰阪する終電間際の時間帯が抜け落ちてしまいます。

言葉に語弊はありますが、「やってる感」や「パフォーマンス」に見えてしまいます。

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