前情報は全くありませんでした。驚きです。

大阪市は0~5歳児の未就学児がいる世帯に対し、子供1人当たり5万円を支給する方針だと発表しました。

0~5歳、1人あたりに5万円支給…大阪市がコロナ対策で支援

 大阪市は20日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う子育て支援として、0~5歳児のいる市内の全世帯(原則公務員世帯を除く)に対し、対象の子ども1人あたり5万円を支給すると発表した。

 対象は約12万人で、予算総額は約60億円となる見通し。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20200820-OYT1T50248/

詳しい内容が大阪市ウェブサイトに掲載されています。

0歳から5歳児の未就学児を養育する世帯に対して特別給付金(一時金)を支給します

 大阪市では、コロナ禍における子育て世帯に向けた新たな独自支援として、0歳から5歳児の未就学児を養育する世帯に対して特別給付金(一時金)を支給します。

 新型コロナウィルス感染症については、いまだ先行きが見えない状況であり、とりわけ子育て世帯の負担は大きいことから、独自支援としてすでに小中学校の給食の無償化を実施していますが、今回は未就学児への支援を行います。

1.支給概要
・ 対象児童 令和2年9月1日時点の未就学児(0歳~5歳児)
・ 支給対象 対象児童を養育する本市児童手当受給者
・ 支給額  対象児童1人あたり5万円(対象:約12万人)
・ 支給時期 令和2年10月末ごろ

2.申請について
 本市が保有している児童手当の情報を活用し、申請不要とします。

3.その他
 詳細については、今後の市会において補正予算の審議を経て、議決後速やかに大阪市ホームページでお知らせします。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kodomo/0000512255.html

Download (PDF, 768KB)

この話を聞いて真っ先に感じたのは「えっ、今更・・・」という思いでした。

コロナ禍によって、全ての子育て世帯は多額の出費に追われています。

特に休校休園期間中は家庭で過ごすのに必要なおもちゃや食事代等、貯金に羽が生えて飛んでいきました。

今からでも喜ばしい話ですが、やや時期を逸したと受け取りました。

曖昧な支給要件

また、本リリースを読んでも不明な点があります。最も重要な支給対象者です。

対象児童は「令和2年9月1日時点の未就学児(0歳~5歳児)」とされています。

これには、9月1日時点での6歳児(2021年4月に入学)も含まれるのでしょうか?。当然ながら含むはずですが、「~5歳児」なのが引っかかります。

また、支給対象が「対象児童を養育する本市児童手当受給者」とされています。所得制限によって児童手当を受給していない世帯は対象外なのでしょうか?

支給要件は制度設計の肝でしょう。曖昧さがあり、生煮え段階で話が公表されたのかもしれません。

支給直後に大阪都構想住民投票

支給時期も勘ぐられかねません。大阪都構想の住民投票は11月1日が本命視されています。

大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」の是非を問う住民投票について、大阪維新の会の松井一郎代表は10日、新型コロナウイルスの感染が抑えられていることを前提に「11月1日を目指す」と実施時期を初めて明言した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60192400Q0A610C2AC8Z00/

支給されるのは投票直前の10月末とされています。住民投票をカネで買う意図があるとは思いませんが、時期が近すぎるのも無粋ですね。

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(8/21追記)
「公務員除外」だそうです。

松井市長は、「給食費は1人4800円(月間)で、1年間でひとり当たり約5万円の可処分所得が増えている。子育て世帯は子どもが増えるほど経費がかかるが、生まれたばかりもミルクやオシメもかかって大変。ほかにも経費がかかるため支援したいと思っていた」と説明した。

なお、景気の影響を受けた子育て世帯への支援を目的とすることから、「景気影響のない公務員は支給を外す」とのこと。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2d2b80280a0b952ccdf0ddf53a3d6d10d874fd7c

残念ながら、政策の整合性がとれていないと感じました。目的と手段の不一致と言うべきでしょうか。

子育てにはお金と時間が掛かります。更に今年はコロナ禍により、各家庭の負担は著しく重くなりました。

コロナ禍による子育て世帯への負担感を軽減する目的ならば理解できます。

が、松井市長の「子育て世帯は子どもが増えるほど経費がかかるが、生まれたばかりもミルクやオシメもかかって大変」という発言はコロナとは無関係です(当該記事が引用した部分以外で、松井市長がコロナ禍を強調しているのでしょうか?)。

更に問題なのは「景気影響のない公務員は支給を外す」という部分です。児童手当の受給者が公務員であれば外すという趣旨でしょう。

大阪市役所職員に限るか、国家公務員等も含めるか、更には政府系機関職員も含めるかまでは不明です。

公務員でも被公務員であっても、子育て世帯はコロナで非常に大きな影響を受けました。軽重はありますが、一定以上の悪影響は共通しています。

確かに公務員はコロナ禍による収入減等には見舞われていないでしょう。しかし、他にも影響を(殆ど)受けていない業界があれば、壊滅的な影響を受けた業界もあります。

そこで「公務員は一律除外」とするのは、子育てしている公務員を馬鹿にした話です。

「コロナ禍に対峙する為の子育て支援」であれば、学校給食無償化と同じ様に年収や職業等で区別せずに対象とすべきです。

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(8/31追記)
大阪市の松井市長の記者会見では、「公務員は対象外」と明示していました。「公務員」と指摘している部分を引用します。

ただ、これ、申し訳ないけども、給料の減っていない我々ね、公務員は対象外です。コロナはいつまで続くかわかりませんから、やはり給付金のようにね、全くコロナの影響に受けていない人にまで支給するというのは、ちょっと控えてます。

だから、はっきりと所得の変わらないというのを把握するのは公務員だけなんです。コロナで全く関係ないのは。関西テレビももうかってると思うけど。だから、公務員の皆さんには、ちょっと申し訳ないけども、そこはちょっと外させてもらうということで外しました。

https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000499040.html

「(公務員は)コロナによっても所得が変わっていない」「公務員以外の、所得が増加ないし変わっていない市民は把握できない」という理由を強調していました。

この文脈だと、除外対象と考えているのは大阪市役所に勤務する公務員だけではありません。国家公務員や地方公務員も全て含むという趣旨でしょう。

公務員であってもコロナ禍で子育て関係の負担や支出が増えたのは、それ以外の職種と同じです。公務員だけを除外するには、余りにも乱暴な理由付けです。