2017年12月のクリスマスイブの夜に筒井歩夢ちゃん(4歳)が実母・交際相手・その友人の3人に殺された事件につき、母親の初公判が行われました。

【ニュース・随時追記】大阪・箕面市で筒井歩夢ちゃん(4歳)が虐待死、母親・交際相手・その友人を殺人容疑で逮捕(時系列まとめ、写真あり)

【筒井歩夢ちゃん暴行死】母親の交際相手・同居人は起訴事実を認める、大阪府・箕面市が報告書を公開中

筒井麻衣被告は「私自身の暴行によって生じたものではありません」と、起訴内容を否認しました。

「私の暴行でない」4歳児虐待死、母親が起訴内容否認

 2017年のクリスマスイブに大阪府箕面市の集合住宅で当時4歳の長男に暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた母親の筒井麻衣被告(28)に対する裁判員裁判の初公判が15日午前、大阪地裁(大寄淳(おおよりじゅん)裁判長)で始まった。筒井被告は「私自身の暴行によって生じたものではありません」として起訴内容を否認した。

 起訴状などによると、筒井被告は、17年11月から同居していた当時の交際相手の松本匠吾(しょうご)受刑者(26)=同罪などで懲役10年の実刑確定=と知人の大倉敏弥受刑者(22)=同=と共謀。同12月中旬ごろから、筒井被告の長男歩夢(あゆむ)ちゃんと当時2歳の次男に暴力を振るい、同月24~25日に歩夢ちゃんの腹を殴って死亡させたとされる。

 検察側は冒頭陳述で、筒井被告が同年11月中旬~12月上旬ごろまで歩夢ちゃんと次男に暴力を振るって「これがうちのやり方」と両受刑者に説明したと主張。その後両受刑者に歩夢ちゃんらへの暴行を指示し、24日午後からの暴行で歩夢ちゃんが亡くなったとした。

 一方、弁護側は冒頭陳述などで、筒井被告自身は致命傷となる暴力は振るっていなかったと反論。「両受刑者に息子を殺されてしまった。両受刑者は思いも寄らなかったひどい暴力を振るった。筒井さんは2人(の暴行)を止められなかった」と訴えた。さらに、起訴内容は誰のどのような暴行で歩夢ちゃんが亡くなったのか特定していないとして、公訴棄却も求めた。

https://digital.asahi.com/articles/ASN1H3FS8N1GPTIL003.html

実は母親と共に暴行を加えた男性2人の公判は別に進められ、懲役10年が確定しています。

【筒井歩夢ちゃん暴行死】母親の交際相手・同居人に懲役10年の実刑判決 大阪地裁

当該裁判(裁判長は母親の刑事裁判の裁判長と同一)では「暴行は筒井被告の指示がきっかけだった」と認定されました。

大寄裁判長は判決理由で、暴行は筒井被告の指示がきっかけだったと認定。ただ、2人が「指示を受け入れないことも可能であったし、指示がなくてもそれぞれが暴行を加えることもあった」とした。

https://www.sankei.com/west/news/190301/wst1903010047-n1.html

裁判員裁判なので、審理は短期間で集中して進められます。筒井被告の発言が先の裁判と反するので、受刑中の松本・大倉受刑者が公判で証言を求められそうです。

冒頭陳述によると、麻衣被告は歩夢ちゃんへ直接暴行を加えたのではなく、両受刑者に指示したとされています。暴力団組長が組員に暴行を指示したのと同じ構図ですね。

立場や責任等を踏まえると、麻衣被告には重い求刑が予想されます。両被告への求刑12年を上回りそうです。

本事件の後も、全国各地で児童虐待死が相次いでいます。その多くは家庭環境が複雑で、男女関係や経済面等で問題が見受けられます。

虐待死を防ぐには行政がこうした家庭を早期に把握し、子供には保育所等の利用を促し(=保育士等が見守りできる)、親には生活保護や就労支援等を通じて援助を行うべきでしょう。

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(2/5追記)
母親に懲役13年が求刑されました。実刑が確定した男2人への求刑12年を上回ります。

「もっとやれ」あおり 母親に懲役13年求刑、大阪・箕面4歳虐待死

 大阪府箕面市で平成29年12月、長男の筒井歩夢(あゆむ)ちゃん=当時(4)=を暴行して死亡させたとして、傷害致死などの罪に問われた母親の筒井麻衣被告(28)の裁判員裁判の論告求刑公判が4日、大阪地裁で開かれ、検察側は「実母でありながら暴力のきっかけを作り、自身も加担し助長した責任は重大」として懲役13年を求刑した。弁護側は無罪を主張し、結審した。判決は12日。

 元交際相手の男ら2人=同罪などで懲役10年の実刑確定=との共謀の有無が争点。論告で検察側は、被告自身が以前から暴力をふるっていたうえ、「しばいて」と言った言葉がきっかけに男らの暴力が始まり、「もっとやれ」などとあおったりしたことで暴行がエスカレートしたと指摘。「幼児に対する極めて過酷な暴力で悪質。現在も不合理な弁解を繰り返し反省がない」と述べた。

 一方、弁護側は「男らの暴力を容認していたわけではなく、精神疾患のため止めることができなかった」として無罪を主張。筒井被告は「歩夢を守れなかったことを後悔している。(男らによる)あれほどの暴行を望んでいたわけではない」と訴えた。

 起訴状によると、男らと共謀し、29年12月24~25日に自宅で歩夢ちゃんに暴行を加え、死亡させたなどとしている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200204-00000527-san-soci

検察側の主張が認められた場合、男2人へ言い渡された懲役10年を上回ると想定されます。

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(2/12追記)
懲役9年が言い渡されました。

箕面男児暴行死 母親に懲役9年

3年前、大阪・箕面市で交際相手の男らとともに4歳の息子に暴行を加えて死亡させた罪などに問われていた母親に対し、大阪地方裁判所は、「交際相手に暴行するよう求め、制止することもなかった」として懲役9年の判決を言い渡しました。

箕面市の集合住宅に住んでいた筒井麻衣被告(28)は3年前、交際相手など同居していた2人の男とともに長男の歩夢くん(当時4)に対し暴行を加えて死なせたほか、2歳だった次男にもけがをさせたとして傷害致死などの罪に問われています。

これまでの裁判員裁判で、被告側は「男らに『叱って』と言ったが、しつけの範囲で、暴力は求めていない。私自身の暴行で生じた結果ではない」と無罪を主張していました。

12日の判決で、大阪地方裁判所の大寄淳裁判長は、「被告が、交際相手に『しばいて』と言ったことがきっかけで虐待が始まった。男らの暴行を制止することもなく、自ら暴行することもあった」と指摘し、無罪主張を退けました。

その一方で、被告は、歩夢くんの直接の死亡原因となった暴行を自分では行っていないとして、すでに別の裁判で懲役10年を言い渡された交際相手らよりも刑が軽い懲役9年を言い渡しました。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200212/2000025229.html

検察側は暴行を直接加えた男2人より重い求刑を行ったのに対し、2人より軽い判決が言い渡されました。

検察の主張が全面的に認められたのではなく、被告側の主張も一部認められた形ですね。

地裁で確定するとは思えない内容です。検察も被告人も大阪高裁へ控訴するのではないでしょうか。

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(9/15追記)

控訴審判決で言い渡されました。控訴を棄却し、1審判決の懲役9年が支持されました。

 大阪府箕面市で平成29年12月、長男の筒井歩夢(あゆむ)ちゃん=当時(4)=を暴行し死亡させたとして、傷害致死などの罪に問われた母親の麻衣被告(29)の控訴審判決が15日、大阪高裁で開かれ、和田真裁判長は懲役9年とした1審大阪地裁判決を支持し、控訴を棄却した。

https://www.sankei.com/west/news/200915/wst2009150015-n1.html