【事件】背筋矯正など施術で乳児死亡、NPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」理事長逮捕の続報です。
逮捕・起訴された罪に対し、大阪地裁は禁錮1年・執行猶予3年の判決を言い渡しました。
その日の午後、今度は平成25年2月に新潟県で男児を窒息死させた容疑で新潟地検に逮捕されました。
少し変わった展開を見せています。
独自の施術で乳児死亡、NPO理事長有罪 大阪地裁
生後4カ月の男児を独自の施術で死なせたとされる事件で、大阪地裁は4日、業務上過失致死の罪に問われた元NPO法人理事長、姫川尚美被告(57)=新潟県上越市=に禁錮1年執行猶予3年(求刑禁錮1年)の判決を言い渡した。柴山智裁判長は「被告人は危険性を容易に認識できる立場で注意義務違反は大きいが、反省している」と述べた。
判決によると、姫川被告は昨年6月2日、大阪市淀川区のNPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」=解散=の事務所で、男児をうつぶせにして首をもみ、胸や腹を圧迫して低酸素脳症による多臓器不全で6日後に死なせた。
判決は、被告が一昨年2月にも新潟県で1歳10カ月の男児が死亡する事故を経験していたにもかかわらず、危険性を十分に検証しなかったと指摘。一方で「危険性の程度が特に高いとは言えない」とも述べ、反省も考慮して刑を猶予した。
新潟の事故は不起訴処分(嫌疑不十分)とされたが、新潟検察審査会が今年6月に起訴相当と議決した。
被告は乳児の体を揺さぶって免疫力を高めると称する「ズンズン運動」の提唱者。
業務上過失致死罪の法定刑は5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。
これと比べると検察からの求刑は禁錮1年と軽いものでした。
求刑通りの禁錮1年ですが執行猶予が附された判決であり、意外に軽い判決だったという印象を受けました。
亡くなった男児の父親が非難するのも当然でしょう。
ただ、非難すべきは判決の軽さではなく、求刑の軽さだったと感じました。
男児の父親(46)は判決後、「軽すぎる判決で納得できない。息子に申し訳ない。今後、乳児向け施術行為に対する規制強化を国に求めたい」と話した。
http://www.sankei.com/west/news/150804/wst1508040035-n1.html
少なくとも判決まで、被告は勾留されたままだった様子です。
また、弁護側は「被害者を死に至らしめたことのおわびとして(被告の)保釈は求めない」とも述べた。姫川被告は大阪府警の取り調べに「胸や腹を圧迫しないようにした」などと容疑を否認していた。
http://www.sankei.com/west/news/150428/wst1504280062-n1.html
恐らく地裁判決の当日ないし判決が確定次第、被告は釈放されるのでしょう。
その為か、判決の数時間後、今度は新潟地検が逮捕しました。
検察審査会によって起訴相当とされた議決に基づき、再捜査を進めていたそうです。
1歳児窒息死疑いで逮捕、「ずんずん運動」判決後
「ずんずん運動」と称した乳幼児向けの独自健康法によるマッサージで平成25年2月、1歳10カ月の男児を窒息死させたとして、新潟地検は4日午後、業務上過失致死の疑いで元NPO法人理事長の姫川尚美容疑者(57)を逮捕した。
姫川容疑者は4日午前、同様のマッサージで生後4カ月の男児を死なせたとして業務上過失致死罪で、禁錮1年、執行猶予3年の判決を大阪地裁で受けたばかりだった。
逮捕容疑は25年2月17日、新潟市内で施術中、必要な業務上の注意義務を怠り、新潟県の1歳10カ月の男児を窒息死させたとしている。
新潟県の男児の死亡については、県警が25年11月、業務上過失致死の疑いで書類送検。新潟地検が同年12月、嫌疑不十分で不起訴としたが、新潟検察審査会が今年6月、「起訴相当」と議決し、地検は再捜査を進めていた。
http://www.sankei.com/affairs/news/150805/afr1508050003-n1.html
舞台へ新潟へと移ります。
検審の議決が無ければ、不起訴のままだったでしょう。
本件に限らず、乳児・子供の死亡事故に対する行政・司法の対応は生ぬるい気がしてなりません。