1年半後、このままでは大阪市で2700人分の保育所入所枠が不足する見通しです。整備を急いでいます。
大阪市 保育2700人分不足か
大阪市内の保育施設の入所枠について、都心部での施設の整備が進んでいないことなどから、2021年の4月時点で、2700人分が不足するおそれがあることがわかり、大阪市は対策を急ぐ方針です。
大阪市によりますと、保育所などの空きを待っている市内の待機児童の数は、ことし4月時点で28人ですが、希望する施設に入れないことなどを理由に、あえて施設を利用しない児童らを含めると、およそ2300人に上っています。
こうした中、大阪市が今後の見通しについて分析した結果、人口が増加している都心部で新たな施設の整備が進んでいないことなどから、2021年の4月時点で、およそ2700人分の入所枠が不足するおそれがあることがわかりました。
大阪市では、このうち1700人分については保育士の確保や、施設の面積に応じた児童の受け入れ基準を緩和するなど、既存の施設を活用することで確保したいとしています。
一方、残りの1000人の入所枠を確保するためには、認可保育所など、あわせて40の施設を新たに整備する必要があるとしています。
大阪市は、2021年の4月に新たに施設を開設する事業者の公募を12月から始めるなど、対策を急ぐ方針です。
詳しい資料は第12回大阪市待機児童解消特別チーム会議で配布されました。記事の元資料もこちらでしょう。
実は既に2019年度(平成31年度/令和元年度)の時点で、保育事業者の選定が難航しています。
目標3770人に対し、11月末時点で選定されたのは1658人+αに過ぎません。当初見込みに対し、約2000人もの新規募集枠が不足しているのが実情です。
約1年半後の2021年度(令和3年度)には、約2700人分の入所枠が不足する見通しです。
ここ数年、大阪市の保育所等一斉入所では2000人~3000人程度の入所保留児童が生じています。1年半後の大阪市の不足見通しもこのレンジで生じるのでしょう。
これに対し、大阪市は約1000人分を保育所等の整備にて、約1700人分を既設保育所の有効活用して対策する計画です。
新規整備でネックになるのは、保育所設置場所の確保や保育士の採用です。都心部の賃料上昇や保育士不足が大きな制約条件となります。
やや問題があると感じているのは、既設保育所の有効活用(保育所等整備によらない対応)です。
資料では受入協力・保育士確保・期間限定保育の実施・面積基準緩和の活用が謳われています。
面積基準の緩和は詰め込み保育となり、保育事故の発生に繋がりかねません。できれば避けて欲しい施策ですが、市内の一部保育所では既に実施されています。
期間限定保育の実施も効果がありますが、入所1-2年で退所を余儀なくされるので、根本的な対策とはなりません。
やはり保護者ニーズが高い保育所(6年保育)の新設を大黒柱とし、対策を進めるべきでしょう。
北区・中央区・鶴見区で保育ニーズ急増、新設等で対応予定
各区毎・年齢毎の不足見通しも公表されています。
保育ニーズの高まりにより、北区・中央区・鶴見区の保育所不足が深刻化する見通しです。都島区・福島区・西区はやや落ち着くとされています。
新規整備以外で対応する(B)のは入所枠が不足している殆どの区で、新規整備で対応する(C)のは保育ニーズの更なる増加が予想される区で実施される計画です。
それにしても、このままだと北区の1歳児入所枠が300人も不足するとは深刻ですね。毎年の様(今年度を除く)に数多くの保育所を整備しても、一向に追いつきません。
各区毎の保育施設整備見通しはこちらです。
2021年度4月に向け、北区は5保育所を新設、中央区は3保育所と1分園等、鶴見区は2保育所と3分園等を整備する計画です。
問題はあくまで「計画」であり、この通りに進むとは限らない点でしょう。特に賃料が高騰している都心部では、事業者の応募が集まらない恐れがあります。
今は保育施設不足が問題視されています。しかし、数年後には「小学校・中学校の不足」が深刻化するのは間違いありません。
大阪市内(特に都心部)で子育てする・子育てを計画している方は、こうした実情を十分に把握して下さい。
仮に私は今から子育てするのであれば、少なくとも北区や中央区に住むのは避けたいと考えそうです。
保育施設の不足が余りに深刻であり、すんなりと保育所へ入所できる見通しが全く立たないからです。鉄道一本で中心部へ移動できる、隣接地域を第1に考えるでしょう。