先日、平成29年度全国学力テストの結果において、大阪市が政令指定都市で最下位だったとお伝えしました。

【2018/8/14追記】H29学力テストで大阪市が全国最下位 分厚い下位層と薄い上位層、国語が壊滅的

衝撃的な結果でした。一方、全ての学校の点数が低いというわけではありません。点数が高い学校もあれば、低い学校もあります。

大阪市は原則として全ての小中学校別の平均点等を公表しています。未だ平成29年度の結果は公表されていませんが、平成28年度の結果は各学校のウェブサイト等に掲載されています。

そこで、各小学校の科目別点数や合計点を集計し、全国平均と比較してみました。まずは大阪市全体の概要からです。

H28・小学生国語A国語B算数A算数B4科目平均
大阪市平均69.7%54.6%75.3%44.7%61.1%
全国平均72.9%57.8%77.6%47.2%63.9%

全ての科目において、大阪市の平均点は全国平均を下回っています。飛び抜けてどれかの科目が悪いのでは無く、全般的に悪くなっています。

では、平均点を上回っている学校はどれだけあるのでしょうか。

具体的な点数を公表している245校(全体の約8割)の内、全国平均を上回っていたのは78校(32%)のみでした。残り7割弱の小学校が全国平均を下回っていました。

激しい地域偏在

問題となるのは「地域偏在」です。たとえば天王寺区にある全ての小学校は、全国平均を上回っていました。また、上福島小学校(福島区)や晴明丘南小学校(阿倍野区)は平均正答率が75%を超えました。

一方、市東南部の2区では、全ての小学校が全国平均・大阪市平均を下回っていました。こうした地域の中には、平均正答率が50%を切る小学校もあります。

殆どの小学校が全国平均を上回る区が複数ある一方、反対に大半の小学校が大阪市平均すらをも下回る区が少なくありません。点数が高い学校と低い学校が混在している区もありますが、少数です。

大阪市は市内部での違いが激しいという噂話を聞いていました。改めて小学校毎の点数を集約し、その実情に愕然としました。同じ「小学校」でも、余りに違いすぎます。学区にこだわって家探しをする家庭が多い理由を理解できました。

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(10/13追記)
大阪市立小学校データベースを作成しました。
各小学校毎の学力テスト結果(平成28年度)も掲載しています。
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