学校法人森友学園の系列法人たる社会福祉法人肇國舎が運営する「高等森友学園保育園」に対し、大阪市は7月1日に事業停止を命じる考えを示しています。
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問題となるのは「児童の保育」です。希望する全ての在園児が他の園で保育を行える様、大阪市は「高等森友学園在籍児童への優先転所措置」を公表しました。
これを受け、在籍している全ての児童・保護者が転園を希望している事が明らかになりました。
保育園児全36人の保護者、転園を希望 大阪市、事業停止命令の可否最終判断へ
大阪市は5日、十分な人数の保育士がいない認可保育園「高等森友学園」(淀川区)に通う園児36人全員の保護者が転園を希望していることを明らかにした。26日に2回目の児童福祉審議会を開いて専門家の意見を聞き、7月1日付で同園に事業停止命令を出す最終判断を行う。
市によると、保護者が望む転園先には、市が6カ所計83人分の入所枠を確保した淀川区と西淀川区の施設以外も含まれているという。今月中旬から保護者の相談に応じ、7月1日付で優先的に入所できるよう調整する。
園側は市に「今月9日までに必要な数の保育士を確保する」と弁明している。吉村洋文市長は5日、報道陣に「仮に人員を確保できて事業停止命令を出す前提がなくなれば、保護者が転園を辞退するか選択できるようにする」と述べた。
http://www.sankei.com/west/news/170605/wst1706050096-n1.html
7月1日付での転所申込期限は6月5日まででした(転所希望月の前月5日まで)。同園が本当に保育士を確保できているか定かではなく、今後も保育が継続されるのか不安に思う保護者が少なくなったのでしょう。
また、大阪市が当初に斡旋した転所候補先の一部は遠方にあって通いにくかったものの、優先転所措置が最大2度に渡って適用される方針が公表され、「これなら大丈夫だ」という安堵感が広がったのでしょう。
少し前の報道では、同園に在籍している園児が45人と報じられていました。この1ヶ月程度の間に既に10人前後の児童が転所した様子です。転所済の児童にも優先転所措置が適用されます。
実は同園は近隣他園と比べて入所に必要な点数が低くなっています。初めから同園を第1希望とした保護者は少なく、より強く希望していた他園があった方が多かったと推測しています。
「本当は○○保育園が第1希望だったけど、点数が低くて入れなかった。でも、優先転所措置に応じれば、遅くとも来年4月には○○保育園に転所できそうだ。」という見通しもあったのかもしれません。
大阪市の好判断と言える一方、淀川区・西淀川区等で保育所等への入所を考えていた方は入りにくくなってしまいそうです。保育所等の入所枠が不足している中、誰を優先させるかは難しい判断が伴います。
7月1日事業停止へ
これで事業停止に向けた最大の障害は無くなりました。保育士が確保できない限り、児童福祉審議会の意見を踏まえて7月1日に事業停止が命じられるでしょう。
瑞穂の國記念小學院の様に、自治体の判断に先んじて自主的な休園を選択するという可能性も考えました。しかし、同園には合理的な判断が出来る人間がいないのでしょう。
保育士不足・虐待疑惑等が報じられた後も、事態は何ら改善されていない様子です。現利用者も苦言を呈しています。
本日微熱なので休ませますと、電話をしたら籠池詢子氏より、2歳児の長男について「居眠りをして困ってるんです!」と言われました。
— 森友保育園 在園児母 (@dOQfLLlbQtKWqY3) June 4, 2017
この様子では自主的な休園を選択する事なく、事業停止が命じられた後も強く反発するのではないでしょうか。
なお、事業停止命令後も高等森友学園が認可外保育施設として運営するのは可能でしょう。姫路市のわんずまざー保育園と同じ考え方です。
しかし、この地域には認可施設へのニーズはあっても、認可外保育施設へのニーズはあまり強くありません。阪急十三駅・JR福島駅・大阪駅/梅田駅の周辺には数多くの認可外保育施設が存在しています。敢えて同園を選ぶ方はいないのではないでしょうか。
塚本幼稚園は問題解消へ?
対照的なのが「教育勅語の奉唱」「安倍首相ガンバレ」等が問題視された塚本幼稚園です。前理事長が退任して新たな理事長(娘)が就任し、少しずつですが問題の解消に動き出しています。
この間、教育内容やカリキュラムを今一度精査し、具体的な見直し作業を再度実施いたしました。
この検証作業の結果、「教育勅語の奉唱」「軍歌・戦時歌謡の類の斉唱」「伊勢神宮参拝旅行」「自衛隊行事への参加」などは、学校法人としては改めるべき内容であるとの結論に再度至りました。
六月からは、この見直し作業に立脚し、新たな施策を少しずつ着実に実地に移していく所存です。今後の当学園の様子については適宜このHPにて情報を公開していくことをお約束申し上げます。新たに生まれ変わる塚本幼稚園を今後共よろしくお願い申し上げます。
平成二十九年 六月 吉日
学校法人 森友学園 理事長 塚本幼稚園幼児教育学園 園長
籠池 町浪
これまでの教育内容を「改めるべき」と結論付け、見直しに着手したのは着実な前進と言えるでしょう。
本当に見直されていくかは現時点では分かりません。今後も注視していきたいと思います。