学校法人森友学園の系列法人たる社会福祉法人肇國舎が運営する「高等森友学園保育園」が更なる窮地に追い込まれています。【ニュース】高等森友学園保育園 保育士退職で市職員を28日まで派遣 市長「20日までに判断を」の続報です。

大阪市の吉村市長は配置基準を満たす保育士を確保する旨の改善勧告、状況が変わらなければ改善命令・事業停止命令も出す意向だそうです。

学校法人「森友学園」の籠池前理事長の妻が園長を務める認可保育園が運営に必要な保育士を確保できなくなっている問題で、大阪市の吉村市長は、21日に保育士を確保するよう「改善勧告」を出す考えを示しました。

学校法人「森友学園」の籠池前理事長の妻が園長を務める大阪・淀川区の認可保育園「高等森友学園保育園」では、運営に必要な保育士が確保できなくなっていて、大阪市が今月5日から臨時で保育士を派遣していますが、派遣は今月28日で打ち切られる方針です。

これについて、吉村市長は20日の記者会見で、「運営を続けたいと言われても、保育士を自力で確保できないなら認めるわけにはいかない。保育士確保の見通しが厳しい場合は、行政として『改善勧告』を行う」と述べ、21日に運営に必要な保育士を確保するよう「改善勧告」を出す考えを示しました。

そのうえで、吉村市長は「1週間程度で改善がなければ『改善命令』を出す。これにも応じない場合は、審議会の意見を聞き、運営の継続が困難と判断すれば『事業停止命令』を出すことになる」と述べました。

一方、吉村市長はこの保育園に通う保護者向けの説明会を今月25日に淀川区役所で開き、ほかの保育園への転園などについての聞き取りを行うことを明らかにしました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170420/k10010955471000.html

保育所で何らかの問題が生じた場合であっても、通常は保育園の運営を継続しつつ経営陣を入れ替えたりして立て直しを図るのが一般的です。

しかし、今回の大阪市の対応からは、そうした考えは全く感じられません。「虐待疑惑が生じ、自力で保育士を確保できない高等森友学園保育園に、保育を継続させるわけにはいかない」という怒りに近い意向すら感じます。

改善勧告・改善命令も非常に重い措置です。更に事業停止命令が出されるケースは殆ど有りません。

行政手続上の措置を並行する形で、大阪市は在園児の保護者から転園へ向けた聞き取りを行う意向だそうです。既に保護者に「転園措置」を示唆する手紙を送っているそうです。

大阪市は存続の条件を「保育士の確保」として、園側の回答期限を「20日まで」と定めましたが、一方で、保護者には既に「別の方向」を示していました。

【保護者】
「1ヵ月の猶予内に保育士を補充できなければ“転園”という措置を考えている、という内容の手紙が送られてきた」
「どうするのか本当に保護者同士も分からないままで手紙が市役所から来て、『何これ!』って」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170419-00000005-kantelev-l27

また、転園を希望する保護者・園児に対しては、何らかの優先措置を設ける意向だそうです。

また大阪市は転園を希望する保護者に対しては優先的に他園に入所できるよう対応する方針。

http://e.jcc.jp/news/12143585/

転園等に伴う減点を行わず、今後の方針次第では何らかの加点措置を行う計画かもしれません(先週の市長会見から変わっていますね)。周辺他園への入所・転所を検討している方は、非常に厳しくなるかもしれません。

本日、高等森友学園の籠池園長は大阪市役所を訪ね、事情説明等を行ったそうです。

大阪の学校法人「森友学園」の籠池前理事長の妻が園長を務める認可保育園が運営に必要な保育士を確保できなくなっている問題で、前理事長の妻が弁護士とともに20日午後、大阪市役所を訪れて市の担当者と面会しました。この中で、認可保育園の運営を続けるかどうかなどについて市側に説明を行ったものと見られます。

学校法人「森友学園」の籠池前理事長の妻が園長を務める大阪・淀川区の認可保育園「高等森友学園保育園」をめぐっては、学園をめぐるさまざまな問題が明らかになって以降、運営に必要な保育士を確保できなくなっています。

このため、大阪市は、今月5日から保育士の資格がある職員を臨時で派遣していますが、今月28日で派遣は打ち切る方針で、保育園側に対し、今後も運営を続けるのか、20日までに判断するよう求めていました。

これを受けて、籠池泰典・前理事長の妻で保育園の園長を務める籠池諄子氏が20日午後5時ごろ、弁護士とともに大阪市役所を訪れました。

この中で、保育園側は、大阪市側に対し、保育士の確保の状況や今後保育園の運営を続けるかどうかなどについて説明を行ったものと見られます。
会議室の中からは、「こちらの立場も聞いてほしい。保育士を確保しろと言われてもできることとできないことがある」などと女性が大きな声で話しているのが聞こえました。

面会は1時間20分ほどで終わりました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170420/k10010955561000.html

大阪の学校法人「森友学園」の籠池前理事長の妻が園長を務める認可保育園について、20日、保育園側は大阪市に対し、運営の継続に向けて保育士の確保に努めたいという意向を示しました。一方、具体策は示されなかったということで、大阪市は、21日、保育士を確保するよう「改善勧告」を出すことにしています。

学校法人「森友学園」の籠池前理事長の妻が園長を務める大阪・淀川区の認可保育園「高等森友学園保育園」をめぐっては、学園をめぐるさまざまな問題が明らかになって以降、運営に必要な保育士を確保できなくなっています。

このため、大阪市は、今月5日から、保育士の資格がある職員を臨時で派遣していますが、今月28日で派遣を打ち切る方針で、保育園側に対し、今後も運営を続けるのか、20日までに判断するよう求めていました。

これを受けて、20日午後、籠池前理事長の妻で保育園の園長を務める籠池諄子氏が、弁護士とともに大阪市役所を訪れました。

面会後、記者会見した大阪市の担当者によりますと、保育園側は、運営の継続に向けて、必要な保育士の確保に努めたいという意向を示したということです。

ただ、保育士確保の具体策は示されなかったということです。大阪市は、保育士の数が基準を満たしていないとして、21日、保育士を確保するよう「改善勧告」を出すことにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170420/k10010955801000.html

仮に運営を継続する場合であっても、保育士や園児の確保は極めて難航すると予想されます。

大阪市は今後、新しい園児を入所調整するのを控えるのではないでしょうか。園児は出て行く一方、しかし新しい園児が来なければ、自然と干上がってしまいます。

何らかの劇的な変化が無い限り、高等森友学園保育園が運営を継続するのは非常に困難だと感じます。

仮に運営を停止するとしても、それまでに在籍園児に新しい保育の場が必要となります。全園児の転園先の決定をもって、休園させる意向かもしれません。

※森友学園関連の投稿は「タグ:森友学園」にまとめています。

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(4/21追記)
高等森友学園に勤務する保育士は常勤1名・非常勤3名のみだそうです。また、籠池園長には配置基準に関する認識がなかったそうです。

市によると現在、保育園には園児45人が在籍し、保育士は2人退職して4人(常勤1人、非常勤3人)。非常勤3人を常勤1人と数える計算で、配置基準で必要な常勤保育士の数6人に4人も足らない状態だ。このため市は、保育士資格を持つ職員4~6人を28日まで派遣する緊急措置を取っている。

会談後は市が会見。諄子氏には配置基準の認識がなかったといい「園長は『6人も必要ないでしょ? 3人で足りる』と話していたので『それは違う』と申した」。諄子氏は保育所を継続する意向を示し、保育士確保について「5月まで頑張ってやっていきます」と話したというが「『どんな手立てを?』と聞いても具体策は何も出なかった」と説明。保育士紹介施設の利用も促したという。

http://www.hochi.co.jp/topics/20170420-OHT1T50218.html

保育士配置基準は最も重要な法定基準の一つであるにも関わらず、園長に認識が無いのは驚きを通り越します。

園長の重要な仕事の一つは、保育士の採用・配置基準を満たした勤務シフトの決定でしょう。開園以降、配置基準を無視し、気の向くままに勤務シフトを決定していたのかもしれません。

高等森友学園保育園と同様に批難されるべきなのは、これまでの大阪市の対応です。

どうしてこうした人物が園長を務める保育所の開設を認可したのか、毎年の監査で配置基準違反等を見破れなかったのか、保護者や保育士等からの苦情・相談に真摯に対応していたのか、不自然な事ばかりです。

保育所の実態は、地元ではほぼ確実に噂になっていたでしょう。入所最低点からうかがえます。

大阪市のこれまでの杜撰な対応も検証されるべきです。大阪市会教育こども委員会での議論を期待したいです。

朝日新聞によると、保育所を閉園するには3カ月以上の予告期間が必要だそうです。

一方、子ども・子育て支援法は、保育園を閉園する場合、3カ月以上の予告期間を設けるよう定めている。市は閉園の可能性に備え、淀川区内や隣接区を中心に園児の受け入れ先を探す方針だ。25日には淀川区役所で保護者から転園希望などを聞く説明会を開く。ただ、淀川区は待機児童が多く、保育企画課は「最大限努力するが、全員をすぐに移すのは難しい」という。

http://www.asahi.com/articles/ASK4N5H85K4NPTIL01F.html

恐らく同法第36条の規定でしょう。

(確認の辞退)
第三十六条  特定教育・保育施設は、三月以上の予告期間を設けて、その確認を辞退することができる。

しかし、同条は保育施設からの辞退(自主的な閉園)に関する規定だと考えられます。大阪市の事業停止命令・認可取消命令等は、この予告期間に制約されないでしょう(制約されたらおかしな話です)。

また、仮に自主的に閉園するとしても、配置基準等を無視し続けてきた同保育園の体質を鑑みると、予告期間を守らずに唐突に閉園する危険性が高いと推測されます。

4月末・連休中が山場となるのでは無いでしょうか。

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(4/26追記)
大阪市はハードランディングな意図を有している様子です。淀川区役所で在園児保護者向けの説明会が開催されました。

市の担当者は、「保育士が確保できなければ6月1日に事業停止命令を出す可能性がある」「5月8日までに転園希望を出せば、他保育所へ優先的に移れる」といった方針を説明したそうです。

しかし、市の一方的な方針に対し保護者が反発し、改めて説明会を行う事となりました。

森友学園系列の高等森友学園保育園(大阪市淀川区)で保育士が不足している問題で、大阪市は25日夜、同区役所で保護者向けの説明会を開いた。市は5月8日を期限に転園の希望を募ることを説明したが、保護者側は一方的な日程設定に「大型連休を挟み、スケジュールに無理がある」などと反発。市は日程を白紙に戻し、新たに期限を設けた上で再び説明会を開くことを決めた。

 説明会は非公開。市によると、保護者ら38人が参加した。市は、条例で定める保育士の配置基準を同園が満たしていないとして改善勧告した経緯などを報告。必要な保育士が確保できなければ、さらに強い「改善命令」を出した上で、6月1日に「事業停止命令」を出す可能性を示した。また、5月8日までに転園希望を出せば、他の保育所に優先的に移れることも伝えた。

 しかし、保護者からは「園に残りたい」「改善勧告の期限前に転園を促すのはおかしい」など異論が相次ぎ、この日は会場から転園希望の声は出なかったという。

 参加した保護者の一人は「同じ場所で保育を続けてほしい。市の都合で期限が区切られて納得がいかない」と話した。

https://mainichi.jp/articles/20170426/k00/00m/040/177000c

市長会見等で示されたとおり、大阪市は6月1日に事業停止命令を出す意向を崩していません。自力で保育士を確保できず、市による緊急派遣に頼っている保育所は、既に自律的な経営能力を失っていると言えるでしょう。

しかし、ネックとなるのが転園先です。同園がある淀川区南西部や同一生活圏である西淀川区東部は、多くの保育所等で定員まで充足されています。その為、仮に転園希望を出したとしても移れるとは限りません。

在園児の保育の場が見つからない状態で、大阪市が事業停止命令を出すとは考えにくいです。仮に事業停止命令を出すとしても、全園児の転園先が見つかってから閉園する形を取るのではないでしょうか。

転園先の確保は必要不可欠です。騒動はまだまだ続きそうです。