大阪市東住吉区の「クローバーインターナショナルスクール」が唐突に休園しました。代理人弁護士によると、破産手続の申立てを行う意向だそうです。
関西テレビでの放映を受けて関連する情報を掲載したところ、数多くのメールを頂きました。当方の調査で新たに判明した内容も含め、その一部をご紹介します。
ウェブサイトは削除、されど一部ページは残されたまま
同スクールのウェブサイトは、5月24日の夕方頃にトップページ・大半のページが削除されまいた。
しかし、一部のページは未だ生きていました。Q&A・進学実績・入園手続・テレビ放映です。テレビ放映のページには、スクールで行われている教育内容や梶浦彩花社長へのインタビュー等が掲載されています。
スクールの評判は芳しくなかった
同スクールの口コミ情報がネット上に数多く掲載されています。多くの口コミは「お勧めできない」としています。一部を引用します。
正直、個人的意見ですが、全くおすすめできません。
クローバーは授業料高いわりには、幼稚園、保育士の免許を持つ先生もいなかったです。
所詮、南大阪のスクールなので、関東、北摂からこられたら、先生の言葉づかい、容姿にびっくりされると思います。茶髪、厚化粧、マニュキアOKです。
躾が厳しいのをうりにしてますが、先生があれでは無理でしょうね。クローバーインターナショナルスクールは知り合いの子供が通っていたので、一度見学にいったことがあります。
知人の子はそこそこ英語はしゃべれるようになってはいるようですが、躾は全くなってないと言っていました。私も見学に行って驚いたのですが、まず園長先生がキャバ嬢みたいな容姿で話してみてもよくこれで経営できてるなあと思うような、話している内容が伝わらない感じでした。園長がこれでは躾は無理かなという感じです。スクールの前でも子供が走り回って自転車に引かれそうになっていました。授業料は高いのに、イベントごとにまたお金を徴収されるようです。インターナショナルスクールはどこも高いですが他に見学に行ったところより雰囲気も含めてあまり良くないように感じました。
以前通っていましたが,園長のあまりの能力や責任のなさ,教育への思いのなさに,他のスクールへ変わりました。
先生自体は良い先生も居るととは思いますが,システムが全くなっておらず,先生の数も少ないので,高い月謝を払うのがもったいなく思いました。
英語力のみでもいいというならいいと思いますが,母親として,子供を安心して預けれないスクールでした。
また、同スクールの運営・経営を以前から危惧していた旨のメールも頂きました。一部をご紹介します。
・朝夜の預かり保育は1人のみで対応していた。
・教室におまるを置き、おしっこを漏らしている子の隣で離乳食を食べさせてもらっている子がいた。
・人手が足りず、乳児も一人で手づかみで食べさせられていた。
・いつか死亡事故が起こるだろうと心配だった。
・こんな園が存続できたのは大阪市の怠慢だと思う。
・数年前、急にドラッグストア上階へ移転した。
・以前は梶浦が園長を務めていたが、東京のペットショップを閉店した後に園長が秋本に変わった。
破産手続申立てへ、開始決定はまだ?
関西テレビによると、休園となった23日付で事業を廃止し、同時に破産手続申立てに入るとの事です。
大阪市東住吉区にあるクローバーインターナショナルスクールは22日夜、園側から保護者に突然、休園を知らせるメールが送られ、23日から、園長は出勤せず、金庫も空になっています。
その後、運転資金が不足し、財務状態の改善の見通しが立たないことから、23日付で事業を廃止し、破産申し立ての手続きに入ったことがわかりました。
【園長の代理人辻井圭太朗弁護士】
「現在の債務額が2000万円で運転資金が不足していると」「Q園長と話はできてるんですか?はい私はできてます」園側は関西テレビの取材に対し、「移転の準備をしたが間に合わなかった。月謝は返金する。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と釈明しています。
保護者として切実なのは月謝の返還でしょう。園側は「月謝は返金する」と釈明しています。しかし、本当に返金されるのでしょうか。
似たような事例として「語学学校の倒産に対する受講生の法的手段」がネット上に掲載されています。
Q:通っていた駅前の英会話学校が突然閉鎖されました。倒産らしいのですが、前払いした授業料を返してもらえますか。
A:倒産後は授業が受けられないわけですから、受けられない授業に相当する授業料を返還してもらう権利はあります。しかし、例えば倒産手続のうち破産の場合、英会話学校から直接返還してもらうことは出来ません。破産手続では裁判所が選任した破産管財人が資産を換金して債権者に対する配当を行なうことになりますので、まずは、裁判所に授業料相当額を債権として届け出ることになります。
但し、債権の届け出をしても、英会話学校に残っている財産から担保をつけられた財産が除かれ、そこから税金、英会話学校の従業員の未払い賃金などが支払われた後に支払われることになります。
ですので、実際に前払いした授業料を返還してもらうことは難しい場合が多いでしょう。
破産手続の開始が決定された場合、破産管財人がスクールの債権債務関係を整理した上で、債権者に配当を行います。ただし、租税債権や給料債権が優先して支払われます。
代理人弁護士によると、同スクールの債務額は約2000万円で運転資金が不足したそうです。確かに資金を融資できるメインバンクの存在が感じられません。一般論としてですが、残念ながら月謝の返金は難しいのではないでしょうか。
しかし、保護者は納得できるわけがないでしょう。月謝引落直後に休園したタイミングが余りに悪質です。
移転の準備が間に合わないのは遅くとも1カ月前には判明していたでしょう。早い段階から閉園準備を進め、保護者の理解を求めていたら、事はもう少し穏便に進んだでしょう。年度末に閉園していれば、他の施設も探しやすかったはずです。
なお、25日午前の時点では、破産手続開始決定は未だ出ていない様子です。滞りなく進めば、来週中に決定されるのではないでしょうか。
追記:帝国データバンクも報じる
独自の能力開発プログラムで英才教育を手掛ける 『クローバーインターナショナルスクール』運営、Cloverが事業停止し自己破産申請へ
帝国データバンク 5/25(木) 16:28配信
(株)Clover(TDB企業コード:178008326、資本金300万円、大阪府大阪市東住吉区鷹合3-3-16、登記面=茨木市南春日丘6-9-22、代表秋本周一郎氏)は、5月23日に事業を停止し、事後処理を辻井圭太朗弁護士(京都府京都市中京区柳馬場通錦小路下る瀬戸屋町463-2、南法律事務所、電話075-211-0206)に一任し、自己破産申請の準備に入った。
当社は、2001年(平成13年)創業、2012年(平成24年)10月に法人改組。大阪市東住吉区で右脳・左脳教育による英才教育を行う『クローバーインターナショナルスクール』の運営を行っていた。グレン・ドーマン博士が、脳障害児の治療実践から、子どもの潜在能力の素晴らしさを発見し、その能力開発のために開発した独自のプログラム『ドーマン法』を用いた、各国のネイティブ講師による多言語カリキュラムを手掛けていた。生徒は0~6歳までの幼児を対象としており、幼稚園を卒業までにはネイティブの同年代の小学生のレベルに達することを目指し、学習面では、幼稚園クラスで算数・理科・社会はアメリカでの小学校1年生から3年生の教科書を使用するなど、高い教育水準を喧伝していた。100名内外の生徒を確保していた2014年9月期には年収入高約6300万円を計上していた。
しかし、当社がインターナショナルスクールとは別に手掛けていた、ティーカッププードルを取り扱うペットショップの採算がとれず収益性が悪化。赤字補填資金を金融機関からの借入金でまかなう苦しい経営が続いていた。このため、2015年12月24日付けで登記面本店の不動産を債権者により仮差押えをされる事態が発生。近時はインターナショナルスクールも生徒数は30名内外まで減少し、先行きの見通しが立たなくなったことで今回の事態となった。
負債は債権者約23名に対して約2000万円。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170525-00010000-teikokudb-ind
インターナショナルスクールの経営悪化に先立ち、ティーカッププードルを取り扱うペットショップの採算性が悪化していたそうです。
現在運営しているペットショップの名称は「リトルプリンセス」です。プティアミの店舗を閉鎖したのも、経営悪化が理由だったのでしょう。
3年前には100人前後の生徒がいたとは驚きです。ただ、生徒1人あたりの売上高は約60万円であり、生徒の入れ替わりが激しかったのだと思われます。
運営法人等の詳細は明日以降に掲載します。
追記:同スクールの休園に関する情報提供(特に園長・前園長・運営会社・保育内容に関する情報)をお待ちしています。お問い合わせからお送り下さい。