痛ましい事故が起きました。トラックと接触してしまうと、自転車は一溜まりもありません。

11日午前10時半ごろ、東京・世田谷区でトラックと親子が乗る自転車が衝突する事故があり、自転車に乗っていた生後9か月とみられる男の子が意識不明の重体となっています。

警視庁などによりますと11日午前10時半ごろ、世田谷区鎌田で「自転車とトラックの人身事故です」と110番通報がありました。

自転車には親子が乗っていて生後9か月とみられる男の子が意識不明の重体となっているということです。また母親も軽いケガをしたということです。

現場は東急田園都市線二子玉川駅から北西におよそ1.5キロほどの場所で、警視庁が事故の状況を詳しく調べています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c223d6be51c44a81dfbad518bcb6234b6f8588ac

事故が起こったのは、東京都世田谷区鎌田3丁目13にある公道です。脇道が都道11号線と合流する目前でした。

他のニュースでは「左折しようとした4トントラックが自転車を巻き込んだ」「母親は男の子を抱っこ紐(前抱っこ)で固定していた」と指摘されています。

見て分かる通り、この脇道は非常に細い道です。車道脇に白線が引かれていますが、自転車は白線の外側を走ってしまう事も多いです。

特に小さな子供を抱っこしていたら、自転車はとても安定しません。子供に気を取られる事もあります。

こうした道を走行するトラックの多くは、自然と自転車や子供から距離を取っています。いくら速度を落としても、接近すると接触してしまう事があります。

現時点で事故原因は明らかになっていません。ただ、トラックが自転車に接近し、どちらかがどちらかへ接触したのは間違いありません。

子育て世帯としては「イライラする気持ちは分かりますが、距離を取って見守って下さい。」としか言い様がありません。

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(11/12追記)
男の子の死亡が確認されました。残念です。

 東京・世田谷区の交差点で自転車に乗った母親と生後8カ月の男の子がトラックにはねられた事故で、心肺停止の重体だった男の子が死亡しました。

 11日午前10時半すぎ、世田谷区鎌田の丁字路で「トラックと自転車の人身事故が起きた」と110番通報がありました。

 警視庁によりますと、トラックが丁字路を左折する際に37歳の女性が乗る自転車を巻き込んだということです。

 女性は抱っこひもで生後8カ月の増井漣ちゃんを抱いていました。

 漣ちゃんは心肺停止の状態で病院に運ばれ、11日の夜に死亡しました。女性は軽傷です。

 警視庁はトラックの運転手・見村彰紀容疑者(54)を過失運転傷害の疑いで現行犯逮捕しました。

 取り調べに対し、「ミラーを見ていたが、女性の自転車は発見できなかった」「女性の悲鳴でブレーキを掛けた」と容疑を認めています。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000234889.html

子供と一緒に移動していると、トラックは本当に怖いです。明らかにこちらを確認できていない事も少なくなく、衝突され掛かった事は何度もあります。

ヤフーニュースには「子供を抱っこ紐で固定して自転車に乗るのは危ない、止めるべきだ」という意見が噴出しています。しかし、危ないと分かっていても、そうせざるを得ない事情もあります。

世田谷区に代表される待機児童問題が深刻な地域では、自宅近くの保育所等へ入所できるとは限りません。毎朝夕に少し離れた保育所等へ登園するのに自転車は必須アイテムです。

子供用の椅子に座らせてヘルメットを着用させれば助かったという声もありました。しかし、8か月といえば、ようやく腰が据わってズリズリし出す頃です。

こんな小さな子を子供用椅子に座らせるのは難しいです。そもそも室内でもようやく椅子に座れるか座れないかという月齢です。

乳児と一緒に自転車に乗るには、抱っこ紐で密着するのが現実的な手段です。他に良い方法をご存じなら教えて欲しいぐらいです。

「少し時間が掛かってもベビーカーで送迎すべき」という意見もあるでしょう。しかし、交通量が多い道ではベビーカーもトラックと接触するリスクがあります。

また、ベビーカーと自転車では移動に要する時間が全く違います。3倍~5倍ほどは違います。徒歩なら20分掛かる道でも、自転車なら5分ほどで済みます。

事故後にたられば話をするのでれば、乳児が自転車用ヘルメットを装着していれば助かったかもしれません。

生後6か月~1年の児童の頭位は44cm~46cmです。45cmや46cmから着用できるヘルメットがあります。

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抱っこ紐で抱いている子供が転落してしまうと、自転車や保護者の重量ものし掛かってしまう恐れが強いです。総重量100kgです。非常に危険です。

だからと言って、抱っこ紐での自転車移動を禁じるのは都心部の現状に即しません。

「自転車に乗る際は抱っこ紐でもヘルメットを着用させよう」というのが現実的な方法だと感じました。子供が嫌がったりヘルメットが親に当たりそうですが、安全には代えられません。

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(11/24追記)
前抱っこによる自転車走行は(恐らく全ての都道府県で)条例違反に該当します。道路交通法に基づく各都道府県毎の規則等で定められています。

大阪府の条例は下記の通りです。

第11条 法第57条第2項の規定による軽車両の乗車人員又は積載物(積載装置を備える自転車及び自転車により牽引されるリヤカーの積載物に限る。以下この条において同じ。)の重量、大きさ若しくは積載の方法の制限は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 2輪の自転車の乗車人員は1人を、3輪以上の自転車の乗車人員はその乗車装置(幼児用座席を除く。)に応じた人員を超えないこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

ア 16歳以上の運転者が未就学児(小学校就学の始期に達するまでの者をいう。以下同じ。)1人を幼児用座席に乗車させる場合

イ 16歳以上の運転者が未就学児2人を幼児二人同乗用自転車(運転者のための乗車装置及び2の幼児用座席を設けるために必要な特別の構造又は装置を有する自転車をいう。)の幼児用座席に乗車させる場合

ウ 16歳以上の運転者が4歳未満の者1人をひも等で確実に背負う場合(イに該当する場合を除く。)

エ 運転者以外の者1人をタンデム車(運転者及び運転者以外の者1人のための乗車装置を有し、かつ、ペダル装置が縦列に設けられた2輪の自転車をいう。)に乗車させる場合

大阪府道路交通規則

2人乗りが条例上許容されているのは、「16歳以上の運転手+幼児用座席に未就学児1人」「16歳以上の運転手+幼児2人乗せ自転車に未就学児2人」「16歳以上の運転手+4歳未満をおんぶ」「タンデム車で2人乗り」です。

条例上は明記されていませんが、子どもにはヘルメットを着用させるべきですね。何度も自転車から転倒・転落し、大惨事になりかけた現場を何度も目撃しました。子どもが嫌がってもヘルメットは必須です。