大阪市は中心部で子供を含めた人口が増加しています。それを支えているのは新築され続けているタワーマンションの存在です。

一方、タワーマンションは周囲の子育て環境に大きな影響を与えます。端的なのは保育施設です。

保育を必要とする子供が短期間に急増してしまうと、周囲の保育施設は溢れかえってしまいます。

タワーマンションの居住者はフルタイム共働きが多く、保育所等への入所に必要な点数が高い(200点以上)家庭も多いです。

周辺の保育所等は途端に激戦となってしまい、入所できない家庭が続出してしまいます。

これを避けるには保育所等の新設が不可欠です。ただ、土地が少ない都心部は地価や賃料が極めて高く、新設するのは容易ではありません。

そこで大阪市は大型マンション内に保育施設を設置する方針を打ち出しています。

「マンション居住者の保育施設優先入所制度」を一部改正へ(2019/11、パブコメ実施中)

制度が導入された当初は全く利用されていませんでしたが、ここ1~2年は徐々に使われて始めています。

そうした中、大阪市中心部で新築されるタワーマンション「シティタワー大阪本町」がこの制度を利用した保育所を併設します。

条例を適用した民間マンションに保育施設が設置されます

マンションの概要
名称:シティタワー大阪本町
所在:中央区備後町
総戸数:855戸
完成予定年月:令和4年(2022年)4月(予定)
事業者(売主):住友不動産株式会社

保育施設等の概要
施設等種別:認可保育所 (対象0~5歳)(定員60人)
開設予定年月:令和4年(2022年)4月(予定)
運営法人:社会福祉法人 徳和会(兵庫県美方郡新温泉町湯322)

https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000543271.html

総戸数855戸なので、想定される居住人口は約2,500人でしょう。ちょっとした町ですね。子供も多く、保育施設はニーズが高い施設です。

マンション内に併設されるメリットは大きいです。居住者は優先的に入所できます。

(大規模マンション居住児童の優先)
第3条 保健福祉センター所長は、次条に規定する大規模マンションに居住する児童であって第6条に該当する児童について、第5条に規定する保育施設等(当該児童が居住する大規模マンション内に設置された保育施設等に限る。)の利用を当該児童の保護者が希望する場合は、利用調整要綱の規定にかかわらず第7条に定めるところにより優先的な利用調整を行うものとする。

https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000431713.html

居住するマンションと同じ建物内にあるので、雨に濡れずに短時間で登降園できます。未就学児の子育ては非常に忙しいので、登園時間が短くなると本当に楽になります。

保育所等を設置するのが難しい都心部でまとまった敷地を確保するには、こうした手法は効率的です。今後もこうした動きを期待したいです。

それにしても855戸とは超大規模なタワーマンションですね。保育所等の次は小学校が逼迫化します。

同マンションの学区とは開平小学校です。校舎を増築したばかりですが、数年後には更に逼迫しかねないですね。

子供が増え続ける(減らない)都心部と急減する周縁部、同じ大阪市とは思えない光景です。