入浴中の乳児に首掛け浮輪を掛けて入浴させていた所、頭が抜け落ちて溺れる事故が相次いでいるそうです。
ただ、問題は首浮き輪ではなく、親の行動にありそうです。

入浴中の首掛け浮輪で事故10件 溺れる乳児、意識不明も 消費者庁公表

 消費者庁は9日、乳児が首に掛ける「C」字形の浮輪を使って入浴中に溺れる事故が、平成24年2月以降に10件あったと公表し、注意を呼び掛けた。死亡例はないが、1人は事故から1年以上たっても意識不明のままという。

 消費者庁によると、浮輪は乳児の首に前から取り付けた後、後ろでベルトをはめる仕組み。膨らます空気の量が足りないと、頭が下に抜け落ちて溺れるとみられる。

 10件の事故はいずれも生後8カ月以内の乳児。このうち9人は軽症だったが、昨年8月に溺れた2カ月の男児は、人工呼吸器を付けた植物状態が続いている。

 消費者庁は24年7月にも同様の注意喚起をしたが、事故が相次いでいることからあらためて呼び掛けた。消費者安全課の宗林さおり課長は「子供がお湯につかって楽しそうに見えても、決して目を離してはいけない」と話している。

http://www.sankei.com/affairs/news/141009/afr1410090051-n1.html

詳細は「気を付けて、浴槽での首掛け式浮き輪の事故!!」(消費者丁HP)に掲載されています。
事故概要は下記の様になっています(上記URLから引用)。

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被害者は全て1歳未満、いずれも浴槽で発生しています。

では、事故は具体的にどんな状況で発生したのでしょうか。
事例を要約して引用します。

(1)4ヶ月の女児に空気を7割程度入れた首浮き輪を掛けて浴槽に入れた。部屋でミルクの準備をしてトイレを使用した後に浴室へ戻ると、子どもが首浮き輪から抜けてうつぶせで浮いていた
(2)6ヶ月の女児に首浮き輪を掛けて湯船に入れつつ親が洗髪して目を離していた所、1-2分で音が聞こえなくなった。首浮き輪で鼻が閉塞し、口が水面下にあった
(3)6ヶ月の男児に首浮き輪を掛けて浴槽に入れたままの状態にして、衣服やオムツの準備をする為に1分ほど浴室を出た。戻ると首浮き輪だけが浮き、子どもがうつ伏せ状態で底に沈んでいた
(4)8ヶ月の女児に首浮き輪を付けてお風呂に入った。ミルクを作る為に浴室を出て2分後ぐらいに戻ると、浮き輪が外れて子どもが仰向けの状態で底に沈んでいた

状況を想像するだけで恐ろしいです。
ではどうすれば良かったのでしょうか。

上記の何れの事例でも共通しているのは「親が目を離した」という点です。
私の感覚では洗髪はまだしも、1歳にも満たない乳児を短時間でも1人で風呂場に残して他の場所へ行くのは言語道断です。
幼児クラスになった現在でも風呂場に1人でいるのは不安です(浴槽内で滑って溺れても分からない)。

「首浮き輪で浮いているから少しぐらい目を離しても大丈夫」というのが危険の原因です。
首浮き輪の装着以前の問題として、乳児を風呂場で1人きりにさせない様にすべきです。
また、首浮き輪を使用する場合は目を離さないという前提の下、空気を十分に入れて適切に装着すべきでしょう。