平成26年9月12日に開催された大阪市会教育こども委員会にて、「子ども・子育て支援新制度」に関する各種陳情書等について質疑が行われました。
特に村上議員による保育料設定に関する質疑と、木下議員による新設保育所への監査体制に関する質疑が熱を帯びました。
以下、上記録画中継より、新制度・保育料・新設保育所への監査に関する部分につき、出席者の発言(趣旨)を文字に起こしました。
趣旨を損なわない程度に省略等を行っています。
正確な発言内容は上記録画中継をご覧下さい。
【市職員】
理事者見解表明
「子ども・子育て支援新制度」の説明会の開催を求める陳情書について
制度理解が重要
事業者説明会を随時開催
保育所利用中の場合は基本的に現行通り、保護者への新制度の説明は各施設を通じてお願いしている
新利用者は市役所・区役所での説明を基本としている
説明会の開催も含め、新制度の広報周知に務める
陳情130号 来年度入園入所者の保育料
陳情131号 市立幼稚園の在園児の保育料の緩和措置
保育所保育料は国基準の70.5%に設定
幼稚園保育料は国基準がない
新制度では幼稚園保育料も国基準額有り
国基準を限度に市町村が定める
税投入の公平性の観点から、施設・公私別を問わず同程度に設定した素案をまとめた
利用者負担額・激変緩和経過措置は議会でご議論頂きたい
新制度の実施に向けて決定して参りたい
【村上満由議員(大阪維新の会)】
陳情130号 来年度入園入所者の保育料
陳情131号 市立幼稚園の在園児の保育料の緩和措置
について質疑
利用者負担額が上がる市立幼稚園は4,098人
月額1万円を超える負担増となっている世帯もある
大幅負担増を市民から理解を得るのは難しい
10月から入園申込みが始まる
来年度入園者は保育料が確定していない
幾ら掛かるか分からない
不安な状態
保育料が決まっていない現状、経過措置はどう考えているか
【市職員】
国の基準額を限度に市町村が定める
予算編成過程を経て決定される
不安な状態は認識している
目安となる基準を示す
5月26日の子ども子育て会議で基準額イメージが示されたので、これを基に素案を作成公表した
税投入の公平性の観点から、市税投入の割合を施設・公私別を問わずに同程度に設定した素案をまとめた
激変緩和措置は検討している
議会で議論頂きながら、検討を行って参ります
【村上議員】
行政が市民を不安にさせてはならない
説明会を行う等、現状を伝えて意見を聞く等すべき。
保育所保育料
83%の利用者が負担増
月額11,300円負担増となる世帯も
最高額の世帯は月78,600円
この様な保育料では大阪市で子育てするのは厳しい、という批判の声を多数届いている
現行維持も含めて、保育所保育料は素案に縛られるべきではないのではないか
【市職員】
月額11,300円増となるのは年収1,130万円以上の階層
保育所保育料の軽減に充てていた42億円の一部を幼稚園へ
素案では保育所保育料は国の定める基準額の76%としている
限られた財源の範囲内でどの程度軽減するかは、議会の議論をうかがいながら決定していきたい
【村上議員】
年収をこの場で言う必要があったのか疑問
以下私見
今回の保育料アップは絶対必要な物だったのか疑問
従来から現役世帯への重点投資を訴えてきた
変更といえど増額
現役世帯へ負担を強いている事実はある
資料3
市立幼稚園保育料の据え置きには2.3億円必要
税の公平性から公私同一は理解できる
だが、素案の様な大幅値上げは必要だったのか
現役世帯への重点投資を考えているのであれば、税投入をしてでも値上げ幅を下げ、幼稚園保育料を同一にするのも選択肢
幼保は目的が違う
入所手続も異なる
幼稚園は教育、保育所は保護者への手助け
同じ税の投入率とするのはおかしいのではないか
幼稚園の預かり保育実績
長時間保育ではなく、教育が目的
保育所と幼稚園との目的・役割・意義の違いについて、市長の認識は
【橋下市長】
0-2歳児で月額11,300円上がるのは年収1,100万ベース
年収を明示する様に市長が指示した
大阪府内の世帯の5%しかいない
年額12万円程度の負担はして頂かないといけない
大阪府・全国の保育料の設定は歪んでいた
幼稚園も保育所も出来るだけ一緒に扱おうとするのが制度趣旨
保育に欠ける→保育の必要性と変わった
幼保をなるべく一緒に
預かり時間によって利用料が変わるのは当然
世帯の所得によって差を付ける
保育所保育料・市立幼稚園保育料がかなり安くなっていた
合理性はない
預かり時間・所得に応じた負担をして頂く
素案で配分し直した、し直しは議会に従う
国全体で有権者にお金をばらまいていた
現役世代への重点投資は大きな目標
エアコン・給食・ICT・パソコンの導入等、他の事業も合わせて見て欲しい
他都市がやっていない敬老パス・信託事業の失敗650億・市立高校・市立幼稚園
総合バランス
議会の決定に従う
税金を突っ込んでいくのは違うと思う
300億円民間保育所
全体の保育所で530億円
大阪市の市費338億円
現役世代への重点投資はしっかりやっていく
ただ、歪んでいる所は正していく
【村上議員】
同じサービス・目的である幼稚園の公私格差はなくすべき
保育所の方が高いのも理解できる
保育士も多数必要だが、0-2歳児の保護者は負担が大きい
第1子の場合は物から何まで全て揃えないといけない
一番大変な時期
保育料が高いなら社会進出の諦めに繋がる
人件費が高いから、という理由は分かる
待機児童が多いのは0-2歳児
ニーズが高いから値段が高い、というのは働く一女性としてはライムラグによって社会進出の諦めに繋がる気持ちがある
市長のロジックであれば、0-2歳児の更なるサポートをすれば腹持ちがする
【橋下市長】
まさにそれを言って頂きたかった
議会に従って保育料表を作っていく
【村上議員】
個人的意見
保育所と幼稚園は同じ制度であっても、0-2歳児は違う
税割合を合わせるなら保育所に合わせる選択肢もある
資料5(注:録画中継では資料6と発言)
70.6%なら12億円
保育所保育料の値上げも致し方ない?
資料6(注:録画中継では資料5と発言)
各政令市の保育料一覧表
名古屋市は安い
大阪市が値上げしたタイミングで名古屋市は下げている
平均ではなく、名古屋市に合わせていたら現役世代に重点投資している結果であって
子どもを作らない最大の理由は経済的負担
保護者の立場としては保育料は大きな問題
たくさん稼いでいる人には多く負担してもらうというのは分かるけど、月8万円は辛い
これ以上の税投入はせずに、保育所保育料が値上がりするのもやむを得ないと考えているのか
【橋下市長】
税金を削減したわけではない
総額は変わっていない、マクロでは一緒
安すぎた所が上がった
職員給与は下がったと言われるが、適正になったと行っている
適正な負担額が重いのであれば国基準がおかしい
更なる負担額低下には、どこかで負担を求めなければならない
負担増と捉えるか、正しい保育料と捉えるか
神戸市などは国基準の80%
信託事業で650億円を支払わないといけない
払わなければ保育料に突っ込むという話もある
負の遺産が山ほどある
76.5%は立派な財政運営をしている
保育料だけを捉えて住みにくくなったと言われると辛い
全体を見て失敗を重ねてこういう事態になっているのもご理解頂きたい
どこかを下げるならどこかを増やす
保育料表を議会で変えてもらえれば
【村上議員】
税の公平投入、あるべき姿に戻すのは賛同する
大阪市に住みたいと思ってもらえる仕掛け作り、
0-2歳児を助けて欲しい
今後も議会で議論させて頂きたい
福祉子育てを理由に消費税を引き上げたのに増税分が公共事業に使われ、福祉子育てに使われていないという事実も聞いている
【有本純子議員(自民)】
陳情130号について
公私を同額とする必要はない
少なくとも在園児は卒園まで維持を
園児募集が始まるにも関わらず、保育料が決まっていない
保育料については市立私立に差があっても良いと思っている
数が多いのは先人が幼児教育の重要性を認識していた
都市格が高い
行きたくても行けない子どもが出ない様に配慮して頂きたい
【木吉信下議員(自民)】
陳情に総じて「説明をして下さい」「保育の質を低下させない様に取り組んで欲しい」という内容が多く見受けられる
本市の保育レベルについての認識は?
【市職員】
開設後も保育士の質の確保に努めていく
【木下議員】
保育ママに非保育士が従事しても保育レベルが低下しないと言えるのか
【市職員】
週1回巡回している
保育の質を担保している
【木下議員】
阿倍野区
120人体制
免許を有する保育士の確保に奔走している
免許あっても保育業務に従事した経験がない人間も雇用している
未経験者ばかりで大丈夫?
現状認識は?
【市職員】
施設長は幼稚園副園長・保育所勤務経験者
新規採用・異動によって保育士を配置する
経験のある保育士を確保できていると聞いている
【木下議員】
アイグラン
福島区に4月に新設
実態は?
【市職員】
保育士13人
内9人が他園からの異動
3人は新卒
1人は幼稚園経験者
施設長は29年経験
【木下議員】
保育内容は?
どういうチェックを行っているか?
【市職員】
1年に1回を基本として監査・指導を行っている
新規開設保育所には未だ行っていない
年度後半に実施する予定
地域住民等の声により、必要と判断を行ったら適宜指導を行っている
今年度途中においても行った事例がある
【木下議員】
この保育所は?
【市職員】
当該保育所は行っていません
【木下議員】
本当にその人数がいるか疑問
大半が免許がないと聞いている
免許だけ有して経験がない人間が多く従事している保育所に認可を与えて、事故が起きたらどうするのか。
保育士資格者を血眼になって差がしている
保育経験の有無は問うていない
陳情111号に書いてある
認可外保育士での事故死が急増している
事前に防げる事故も多い
認可というお墨付きを与えても本当に大丈夫?
大阪市の責任は免れないと思うが。
【市職員】
開設後の責任を持って保育の質の確保に努めていく。
研修開催・ノウハウ提供・研究
立入り監査を実施、運営実態を確認する
改善を要する項目は指導する
【木下議員】
福島区は新しい保育所
どんな保育が行われているか気にならないか
どうですか?
【市職員】
立入り時期は改善する必要性もあると認識している
【木下議員】
株式会社保育所は銭儲けで保育所を経営する人
半年も放置するとはおかしいと思わないのか
【市職員】
チェックの必要性はあると考えている
適当な資料が揃った時点で
是全て銭儲けの為だとは考えていない
意見交換会でも質の高い所を選んで欲しい、という声も
【木下議員】
質の高低は何のチェックもしていない
株式会社の目的は利益追求
社会福祉法人とは大きく違う
他都市では儲からないから撤退した保育所もある
【市職員】
公募時に委員が理念等を聞いて選定している
株式会社でも保育は別会計
措置費の中で運営する
さっそく監査に入る様に考えていく
【木下議員】
待機児童の解消は党派を超えて対応していきたい
引き替えに保育レベルが低下しては意味がない
取り返しの付かない事故に直結する
大阪市として安心安全を提供する必要がある
【市職員】
客観的にきちんとできているか見ていく
【木下議員】
新しい保育所は余計に目を光らせるべき
市長が大号令を欠けた時にろくな事が起こっていない
街頭犯罪は隠蔽・過少申告が問題になった
手抜き保育を行っていたとしてもチェックをしていない
事故が起きたら認可した大阪市の責任は免れない
【陳情書の取扱い】
陳情130号・131号は採択
陳情106号・108号・111号・119号・121号・122号・123号・124号は採択
107号は不採択
113号・114号は不採択
102号は継続審査
100号は継続審査