大阪市北区の中之島公園(北岸側)にスケボーを楽しむ人が集まり、様々な苦情やトラブルが寄せられているそうです。
公園がスケボー無法地帯に…条例で禁止、注意指導も効果なく
大阪市北区の中之島公園一帯で、条例で禁じられたスケートボードを楽しむ若者が後を絶たない。階段やスロープの上を激しく滑ってタイルが損傷し、通行人から「ぶつかりそうになった」との苦情も相次ぐ。看板や注意の呼びかけに効果がなかったため、市は昨年末、障害物となるブロックを設置。ただ、人身事故などにならない限り本格的に取り締まることも難しく、市は対策に悩んでいる。
中之島は堂島川、土佐堀川に挟まれた東西約3キロの中州。バラ園やレンガ造りの市中央公会堂がある中之島公園は、市民が憩う癒やしスポットになっている。
昨年、その公園で「スケボーとぶつかりそうになった」「騒音がひどい」といった通報が約430件、大阪府警天満署に寄せられた。多くは滑りやすいタイル敷きのスペースが広がる公会堂周辺からの通報だった。
動画サイト「ユーチューブ」には、公園で若者がスケートボードで跳び上がり、階段やスロープにぶつかりながら滑るといった「技」を決める動画が多数投稿され、8万回以上再生されたものもある。ツイッターでは、「上手(うま)いスケーターがいっぱいいて、教えてくれた」「都市のど真ん中で許容されているのが素敵(すてき)」との書き込みもみられる。
昨年になって急増した理由は分からないが、天満署員に「コロナ禍で大学がオンライン授業になり、ひまになったのでやって来た」と話す大学生もいたという。
こうした中、市によると、公会堂周辺を中心にタイルが黒ずんだり、端が欠けたりしたケースも出てきた。ボードをぶつけて破損したとみられる木製ベンチの交換も余儀なくされた。(以下省略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1f99076035bb8c6df27214f2a963a7a9d824b897
上記読売新聞の記事タイトルで「無法地帯」「条例で禁止」「注意指導も効果なく」という厳しい言葉が使われています。ちょっとした悪意すら感じてしまいます。
アップロードされている動画を見たところ、中央公会堂・東洋陶磁美術館前・こども本の森中之島前の広場が利用されていました。
https://www.youtube.com/watch?v=XAzuKXk3DaE
https://www.youtube.com/watch?v=FxvHhVksPug
タイル敷きで滑りやすいスペースや階段等の段差があり、スケボーを楽しむには持って来いの環境ですね。
夜間も立入自由、かつ近隣に民家もありません。大阪市内の中心部でもあり、スケボーを自由に楽しみたい方が集まりやすい場所ですね。
大阪市内にはスケボーで遊べる「スケボーパーク」もあります。
大阪府のスケートパーク・スポット一覧
https://sk8parks.net/kansai/oosakahu/
ただ、いわゆる「キタ」と呼ばれる地域にはありませんね。最も近いのはNQS iS OLLiES(北区本庄西1丁目)でしょうか。
ルールを守って公園を使用するのは当然です。一方、そのルールが実態に合っているのでしょうか。必ずしもそうではない、と感じる事は少なくありません。
典型的なのは「公園におけるボール遊びの禁止」でしょう。近所の児童公園には「ボール遊び禁止」という立て看板が並んでいます。ボール遊びができない公園は存在意義が疑われます。
確かに小さい子供にボールをぶつけてしまったり、ボールが壁等にぶつかる音がうるさいという指摘もあるでしょう。かといって「ボール遊びの一律禁止」は行き過ぎた規制です。
小さい子が遊んでいる時間帯(午前中が多い)はボール遊びをしない、ケガをしないゴムボールを使う、夜間は避ける等、細やかな対策でトラブル等は回避できます。
余談ですが、この公園では老人がゲートボールで占有している事も少なくありません。ボール遊びがダメならゲートボールはダメですね。
大阪市は中之島公園内にプランターや手すり等を追加して設置しようと検討しているそうです。更には条例による検挙等、より強い対応も想定できます。
ただ、物理的な力で押さえつける対策は果たして正しいのでしょうか。「この地域で自由にスケボーで遊びたい」という思いや行動に応える必要はないのでしょうか。
公会堂や美術館が建ち並ぶ中之島公園は高齢者の往来が多い地域です。スケボーが危ないと感じる気持ちは理解できます。
一つの対応策は、近隣の空き公有地にスケボーで遊べる区画を整備する方法ですね。この区画へ誘導する事により、公園内でのトラブルを解消する考えです。
中之島公園は非常に広い公園です。一部をスケボー用に改装するだけの広さはあります。例えば公園の東部地域(阪神高速や天神橋がある地帯)ならば支障は少ないでしょう。
「スケボーだけ特別扱いするのはおかしい」という声もあるでしょう。しかし、大阪市という大都市の原動力の一つは若者の力です。小さなスペースを整備
新型コロナウイルスの感染予防による「外出自粛」が呼びかけられていますが、屋外の開かれた場所にてスケボーで楽しむ限りは感染を広げる危険性は小さいでしょう(その前後で飲食等をすると危険ですが)。
トラブルの影にはニーズがあります。どうして中之島公園でスケボーを楽しんでいるか、まずはその理由を丁寧に聞き取って欲しいですね。