首都圏に引き続き、関西圏(大阪府・兵庫県・京都府)も緊急事態宣言の発出を要請します。3府県が8日中に会議を行い、方針を決定します。

5日に開催された関西広域連合の会議では「直ちに発出を要請する段階ではない」とされていましたが、事態は急展開しています。

緊急事態宣言発出要請へ最終調整

大阪府と兵庫県、それに京都府は、京阪神地域での新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府に対し、3府県への緊急事態宣言の発出の要請に向けて、最終調整に入りました。
3府県では、連携した対応をとることで感染拡大を抑え込みたい考えで、8日それぞれ対策本部会議を開いて方針を決めることにしています。

このうち7日、1日としては過去最多の607人の感染が確認された大阪府は、吉村知事が、「感染拡大の明らかな兆しがみえている。先手の対応を打つべき時だ」と述べ、大阪府に緊急事態宣言を発出するよう政府に要請する方向で調整に入ったことを明らかにしました。

府では、緊急事態宣言が出された場合は、大阪市内の酒類を提供する飲食店などに出している営業時間短縮の要請を府内全域に拡大した上で、▽営業時間を午後8時まで、▽酒類の提供は、午前11時から午後7時までとするよう、改めて要請する方針です。

また、兵庫県の井戸知事は、「増え方が急激な状況を踏まえ、緊急事態宣言を国に求めることも検討していかなくてはならない」と述べ、緊急事態宣言の発出を政府に求める考えを示しました。

兵庫県では、感染拡大が深刻な神戸市の飲食店に対し、宣言の発出を待たずに営業時間の短縮を要請する方向で調整に入りました。

さらに、京都府の西脇知事も、「緊急事態宣言の要請について視野に入れる段階に来ていると考えている」と述べ大阪、兵庫と足並みをそろえる必要があるという考えを示しました。
3府県では、連携した対応をとることで京阪神での感染拡大を抑え込みたい考えで、8日、それぞれ対策本部会議を開いて、方針を決めることにしています。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210108/2000039527.html

昨日は3府県いずれも過去最多の感染者が発表されました。大阪府は12月中旬~下旬にかけて感染者が減少傾向となったのですが、年末は横ばい、そして年始に顕著な増加傾向へ転じてしまいました。

大阪コロナカレンダー(第三波)
報告  日  月  火  水  木  金  土
10/04 *39 *31 *59 *51 *49 *58 *52  計*339
10/11 *45 *26 *69 *61 *51 *53 *50  計*355
10/18 *50 *41 *65 *82 *78 100 *96  計*512
10/25 *70 *43 142 117 125 137 143  計*777
11/01 123 *74 156 *85 125 169 191  計*923
11/08 140 *78 226 256 231 263 285  計1479
11/15 266 *73 269 273 338 370 415  計2004
11/22 490 281 210 318 326 383 463  計2471
11/29 381 262 318 427 386 394 399  計2567
12/06 310 228 258 427 415 357 429  計2424
12/13 308 185 306 396 351 309 311  計2166
12/20 250 180 283 312 289 294 299  計1907
12/27 233 150 302 307 313 262 258  計1825
01/03 253 286 394 560 607

12月までとの違いは感染者の年齢層です。それまでは20代~70代の感染者数に大きな偏りは無かったのですが、1月の感染者は20代が突出しています。

東京都の年代・発症日データも参考にすると、主に20代がクリスマス・忘年会・年末年始の会食等で集まり、感染が急拡大したと考えられます。

第34回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議は1月8日13時半から開催されます。

第34回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議の開催について
標記について、以下のとおり開催しますので、お知らせします。

1.日時
令和3年1月8日(金曜日)13時30分から

2.場所
大阪府新別館南館8階 大研修室

3.議題
(1)大阪府における今後の対応について
(2)その他

http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=40276

下記URLでライブ配信されます。

恐らくは3府県は本日中の会議で発出要請を決定、そして8日中に政府へ要請、9日~13日の間には緊急事態宣言は発出されるのではないでしょうか。本日の会議で「3連休中はない」との発言がありました。

具体的な内容は首都圏と概ね同一の物となるでしょう。飲食店への営業時短要請を中心に、そして夜8時以降の外出自粛を徹底するものだと考えられます。

ただ、果たしてどれだけの効果があるかという疑問もあります。駅周辺の飲み屋は連日の様に賑わっています。誰か1人でも感染者がいたら、空間を共にした従業員や店員は軒並み感染してしまいそうです。

感染予防に気を付けている方とそうでない方の意識のギャップが非常に大きいと感じています。緊急事態宣言が発出されても、そのギャップは容易に埋まらないと感じています。

また、春とは異なり、学校・幼稚園・保育所等は従来通りに運営される見通しです。子供同士は感染さえにくく、学校で発生したクラスターは低い水準で抑制されています。

 文科省によると、昨年6月1日~同12月31日の間に感染の確認された児童生徒は、高校2350人、中学校1513人、小学校2217人など。目立つのが高校の部活動などでのクラスターで、同じ学校で10人以上の感染者が出た事例は26件に上る。小学校は8件、中学校で7件だった。

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20210105-OYT1T50227/

会食・医療機関・高齢者施設等で無数のクラスターが発生しているのに対し、小中学校で10人以上が感染した事例は合計15件に留まっています。約1,000万人の小中学生が日中の大半を過ごしているのを念頭に置くと、少なさが理解できます。

但し、感染リスクが高い活動(部活動や合唱等)は全面的に禁止されるでしょう。行事(特に校外や園外へ出掛ける物)も原則中止でしょう。残念な話ですが、学年末の遠足や修学旅行は中止ないし延期となりそうです。

クラスターの発生が心配視されるのは幼稚園や保育所等ですね。小中学生と違って感染予防を徹底できません。子供同士は感染させにくいとは言え、ノーマスクの園児が咳やくしゃみをしたら感染が広がりかねません。

「来週にも大阪・兵庫・京都に緊急事態宣言は発出される」という前提の下、様々な準備や対応を行う様にして下さい。

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(追記)
第34回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議が始まりました。資料も掲載されています。

緊急事態の発出要請、首都圏との往来自粛、成人式前後の懇親会自粛、そして感染防止ガイドライン非遵守店舗への休業要請が主な内容です。

http://www.pref.osaka.lg.jp/kikaku_keikaku/sarscov2/34kaigi.html