2016年末に創業者・経営者一族による私的流用が発覚し、経営陣が全面的に刷新されたのが「くれない保育所(大阪市城東区)」です。これまでの経緯は、下記の投稿にまとめています。

くれない保育所(大阪市城東区)が旧経営陣と和解、私的流用した元副園長を刑事告訴
くれない保育所・学園 4億弱の私的流用と財テク失敗(調査報告書より)
くれない保育所(大阪市城東区)副園長が3.7億円私的流用 刑事告訴へ

発覚から2年強、元副園長である水野誠容疑者が逮捕されました。

2億7千万円着服か元副園長逮捕

01月09日 17時01分

大阪・城東区の保育所の元副園長が、先物取引につぎ込むなどするために保育所の運営費およそ2億7千万円を着服したとして警察に逮捕されました。

逮捕されたのは大阪・城東区の社会福祉法人「くれない学園」が運営する保育所の元副園長、水野誠容疑者(56)で、警察によりますと、在職していた平成28年までの2年半ほどの間におよそ2億7千万円を法人から着服したとして業務上横領の疑いが持たれています。

水野元副園長は当時、口座から自由に金を引き出せる法人の会計の責任者だったということで、大阪市の監査で着服の疑いが発覚し、3年前に刑事告訴されていました。
警察によりますと着服した金の多くは、石油の先物取引につぎ込んでいたとみられ、調べに対し「独立して新しい社会福祉法人を立ち上げる資金にするために金を使い込んだ」などと供述しているということです。

「くれない学園」の三谷眞彦事務長は「今後、このようなことがないように適切な会計処理をしていきたい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20190109/0011402.html

会社の運営資金などを管理していた口座から約2億7千万円を自身の口座に振り込むなどして横領した疑い

大阪市城東区の保育所の元副園長が運営会社の資金、約2億7千万円を横領した疑いで逮捕されました。

業務上横領の疑いで逮捕されたのは、社会福祉法人「くれない学園」の元副園長で会計責任者の水野誠容疑者(56)です。

水野容疑者は2013年の4月から約3年間にわたって会社の運営資金などを管理していた口座から約2億7千万円を自身の口座に振り込むなどして横領した疑いがもたれています。

警察によると水野容疑者は横領した金のほとんどを石油の先物取引にあてていたということです。

調べに対し水野容疑者は「自分が理事長として社会福祉法人をつくりたかった。その資金を作るために、学園の資金を先物取引に使いこんでしまいました」と話し、容疑を認めているということです。

https://www.ktv.jp/news/articles/a1f4aa3b0e5e4a53916b72e14c9033e7.html

保育所資金2.7億円着服=容疑で元副園長逮捕-大阪府警

2019年01月09日17時40分

 副園長を務めていた保育所から約2億7000万円を着服したとして、大阪府警城東署などは9日、業務上横領容疑で大阪市城東区鴫野東、会社員水野誠容疑者(56)を逮捕した。容疑を認め、「独立資金を得るため先物取引に使った」と話しているという。

 逮捕容疑は2013~16年、勤務していた「くれない保育所」の運営法人の口座から、84回にわたり計約2億7000万円を自分の口座に振り込み、横領した疑い。

 同署によると、水野容疑者は法人理事長の息子で、01年に法人の会計責任者に就任。他に誰も口座をチェックしていなかった。着服金の大半は先物取引の損失で失われたという。府警は他に約9000万円が横領されたとみて調べる。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019010900937&g=soc

同保育所は元副園長等による同族によって運営されていました。

事件発覚後に経営陣が総交代し、大阪市役所OBが主体となって保育所の建て直しに奔走しました。次々に施設修繕等を行い、現在は一般的な保育所として運営されている様子です。

2.7億円は巨額です。また、更に9000万円の余罪があると追及されています。

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(2019/8/30追記)
懲役4年半の実刑判決が言い渡されました。

保育所の資金約3億6000万円横領 保育園元副園長に実刑判決

保育所の資金約3億6000万円を横領した罪に問われた元副園長の男に大阪地裁は実刑判決を言い渡しました。

判決によりますと、水野誠被告(57)は、大阪市城東区の「社会福祉法人くれない学園」で会計責任者と保育所の副園長を務める中、法人名義の口座から約3億6000万円を横領しました。裁判で、検察は「先物取引やクレジットカードの支払いに充てた」と指摘し、一方、弁護側は一部を返済したと損害額を争っていました。大阪地裁は、判決で「被告は理想の保育所を作りたいと考えたが、先物取引などは法人の承認を得ておらず、自己のための使用と認められる」とし「自治体の補助金も多く入る中、立場を悪用し、帳簿を操作するなど悪質」として、懲役4年6ヵ月の実刑判決を言い渡しました。弁護側は控訴も検討するとしています。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190830-00023000-asahibc-l27

懲役4年半はやや重いと感じました。あくまで推測ですが、横領した金銭を殆ど弁済しておらず、法人に多額の損失が生じたままなのでしょう。