H31新設保育所紹介、第10回は「なにわのもり保育園(中央区・西区から送迎)」です。
なお、「大阪市内で平成30年秋以降に新設・開所する保育所等を集約しました」に一覧表を掲載しています。ご参照下さい。
ストリートビュー・基本データ・周辺環境
基本データ | |
仮称 | なにわのもり保育園 |
住所 | 中央区森ノ宮中央1-11-3 |
開所予定日 | 平成31年6月1日 |
予定定員 | 137名(西区からの送迎24名、直接登降園113名) |
設置・運営法人 | (社福)小市福祉会 |
ホームページ | http://www.koichihoikuen.jp/article/15879081.html |
なにわのもり保育園は中央区森ノ宮中央1-11-3に設置されます。JR森ノ宮駅の西、森之宮公園のすぐ南です。
この土地は大阪市有地であり、森之宮移動入浴サービスセンター・労働会館駐車場として使われていました。駐車場は閉鎖され、保育所用地に転用されます。
利便性は極めて良い場所です。JR森之宮駅・地下鉄森ノ宮駅まで徒歩3分です。梅田・京橋・天王寺・本町等、多くのビジネス街に乗り換え無しで通勤できます。
周囲の環境も非常に良いです。駅前と思えないほどの閑静な雰囲気を有しています。大通りから一本奥に入っているからでしょうか。
設置予定地のすぐ北には森之宮公園が、南西には城南公園が、北西には大阪市こども相談センター(いわゆる児童相談所)があります。子育てに密接な施設が集中しています。
また、南には下着・靴下メーカーのチュチュアンナ本社が、こども相談センターの更に西には森ノ宮ピロティホールやもりのみやキューズモールがあります。この一角で全てが揃ってしまいそうです。
なにわのもり保育園は少し変わった特徴があります。同保育園は、「大阪市保育送迎バス事業の実施法人の募集」に基づいて公募・選定されました。一部の園児は西区(大阪市公文書館)から送迎バスで登降園します。
園児の募集も分けて行われます。保育園へ直接登降園する児童が113人、西区からバスで送迎される児童が24人と予定されています。
ただ、非常に心配な点もあります。工事の進捗です。11月上旬に現地を見てきました。
園舎の建築工事や地盤部分の工事どころか、駐車場のアスファルト(東側部分)すら撤去されていません。ここに保育園が建築される事を示している看板等も皆無です。
実はこの土地は、文化財保護法による埋蔵文化財包蔵地に指定されています。
石器・土器などの遺物が出土したり、貝塚・古墳・住居跡などの遺跡が土中に埋もれている土地であって、そのことが地域社会で認識されている土地を「周知の埋蔵文化財包蔵地」と呼び、この土地内で土木工事等を行う場合、文化財保護法の規定に基づき、事前の届け出等が必要となります。
ここで土木工事等を行うには試掘や確認調査等を実施し、遺構や遺物が見つかると保存等を行う必要があります。
本土地の東側に接している土地を平成24年に調査したところ、弥生土器・古墳時代の土師器・豊臣時代の金箔押し瓦や器等が出土したそうです(調査報告書)。
保育所の設置予定地でも同じ様な調査等が行われた、もしくはこれから行われるのでしょう。
また、建築資材や職人等が不足している恐れもあります。この理由により、大阪市内では既に2保育所が「来春の開所予定に間に合わない」旨を公表しています。
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(追記・訂正)
調べ直したところ、なにわのもり甫家君の開園は「平成31年6月1日」に延期される旨が公表されていました。
なにわのもり保育園開園延期についてのご報告とお詫び
http://www.city.osaka.lg.jp/chuo/cmsfiles/contents/0000413/413977/1.pdf
延期理由は「開発工事における新設等の遅れ」とされています。文化財関係でしょう。
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本保育園は敷地が広いので、園庭も内部に設置されるでしょう。外遊びには森之宮公園も併用されそうです。
運営法人・設置予定地域の保育事情
なにわのもり保育園を設置・運営するのは、社会福祉法人小市福祉会です。大阪市東成区で小市保育園を、また西区ではなにわのもり北堀江保育園・送迎ステーションを運営しています。
ファミリー向けマンションが急増している中央区は、特に1-2歳児の入所が非常に難しい地域でした。しかしながら、今年は数多くの保育所が新設される見通しであり、昨年より大幅に入所しやすくなっています。
また、本保育園は城東区や東成区にも近接しています。両区から森ノ宮駅を利用している方は、検討する価値が大いにあるでしょう。
ただ、先に紹介したとおり、本保育園は未だ本体工事に着手していません。開園は来年6月へ延期されましたが、それでもタイトなスケジュールで工事が行われるでしょう。