悲しい事件が起きました。両親に虐待され、東京都目黒区に住む船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5歳)が今年2月に命を落としました。
※詳しい経緯や裁判での証言等は、「結愛ちゃん誕生・離婚と結婚・虐待死・裁判等を時系列で集約」に詳しく書いています。
※関連投稿は「検索:【目黒虐待死】」からご覧下さい。
5歳の長女に暴行を加えてけがをさせたとして、警視庁は3日、父親で無職の船戸雄大容疑者(33)=東京都目黒区東が丘1丁目=を傷害の疑いで逮捕し、発表した。長女は2日夕、意識不明の状態で自宅から病院に搬送され、死亡した。船戸容疑者は「言うことを聞かないので数日前に拳で殴った」と容疑を認めているという。
捜査1課によると、船戸容疑者は2月末ごろ、自宅で長女の結愛(ゆあ)ちゃんの顔を殴るなどして全治不明のけがを負わせた疑いがある。風呂場で2人でいるときに殴ったと説明しているという。結愛ちゃんの両目付近にはあざがあり、体には数カ所皮下出血があった。
2日午後6時ごろ、船戸容疑者が「数日前から食事を取らず嘔吐(おうと)し、心臓が止まっているようだ」と119番通報した。救急隊員らが駆けつけたところ、意識不明の状態の結愛ちゃんを発見したという。船戸容疑者は結愛ちゃんと長男(1)、妻(25)の4人暮らし。同課は日常的な暴行がなかったかも調べている。
起訴状などによると、船戸容疑者は2月下旬ごろ、自宅で長女の結愛ちゃんの顔を両拳で何度も殴るなどして全治不詳のけがを負わせたとされる。結愛ちゃんは今月2日、搬送先の病院で死亡が確認された。捜査関係者によると、死因は不詳で暴行との因果関係は判明していないという。結愛ちゃんの頭部内には出血があった。船戸容疑者は警視庁の調べに対して殴ったことを認め、「これまでもしつけでたたいたことはあった」と話していた。
https://www.asahi.com/articles/ASL3R5TSHL3RUTIL04R.html
事件が起きたのはサンハイム好(東京都目黒区東が丘1丁目14-3)でした。
賃貸情報によると築40年の木造3階建、面積35平方メートル、家賃8.5万円だそうです。
その後の捜査により、父親と母親の船戸優里容疑者が保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕・逮捕されました。
東京都目黒区で虐待を受けたとされる船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が3月に死亡した事件で、警視庁は6日、すでに傷害罪で起訴されている父親の無職船戸雄大容疑者(33)を、保護責任者遺棄致死の疑いで再逮捕し、母親の優里容疑者(25)も同容疑で新たに逮捕した。同日発表した。2人とも容疑を認めているという。
捜査1課によると、2人は1月下旬ごろから結愛ちゃんに十分な食事を与えずに栄養失調状態に陥らせ、2月下旬ごろには結愛ちゃんが衰弱して嘔吐(おうと)するなどしたにもかかわらず、虐待の発覚を恐れて病院を受診させることをせずに放置。3月2日に低栄養状態などで起きた肺炎による敗血症で死亡させた疑いがある。
雄大容疑者は2月末ごろに結愛ちゃんを殴ってけがをさせたとして傷害容疑で逮捕、起訴されていた。
結愛ちゃんの体重は死亡時、同年代の平均の約20キロを下回る12・2キロだった。部屋からは、「もっとあしたはできるようにするからもうおねがいゆるして」などと結愛ちゃんが書いたノートが見つかっていた。毎朝4時ごろに起床し、平仮名の練習をさせられていたという。
都や一家が以前住んでいた香川県などによると、結愛ちゃんは同県で2016年と17年に計2回、県の児童相談所で一時保護された。2回目の保護が解除された後の同年8月末には、病院から「こめかみ付近と太ももにあざがある」と児相に通報があり、結愛ちゃんは「パパに蹴られた」と話したが、県は一時保護の必要はないと判断していた。
一家は今年1月に目黒区に転居。県の児相から引き継ぎを受けた品川児相が2月9日に家庭訪問していたが、優里容疑者とは会えたものの、結愛ちゃんには会えなかったという。
雄大容疑者については、結愛ちゃんに暴行を加えてけがをさせたとして香川県警が昨年2月と5月に傷害容疑で書類送検していたが、いずれも不起訴になっている。
https://www.asahi.com/articles/ASL663D72L66UTIL00H.html
結愛ちゃんは母親の優里容疑の連れ子だったそうです。
結愛ちゃんは3月2日に息をしていない状態で病院に搬送され、死亡が確認された。雄大容疑者は結愛ちゃんを2月下旬に殴った傷害容疑で逮捕・起訴された。結愛ちゃんは優里容疑者の連れ子で、長男は雄大容疑者との間の実子だった。優里容疑者は逮捕前の調べに「自分の立場が危うくなるのを恐れて虐待を見すごした」と話したという。
https://mainichi.jp/articles/20180607/k00/00m/040/200000c
雄大容疑者が実子を可愛がる一方、連れ子を冷遇・虐待した構図が浮かびます。多くの虐待事件で「連れ子」「内縁の夫」がキーワードとなっています。ハイリスク因子です。
事件が大きく報道される切っ掛けとなったのは、結愛ちゃんが書いたノートが発表された事でした。結愛ちゃんは毎朝4時に起き、平仮名の勉強を強いられていたそうです。
もうパパとママにいわれなくてもしっかりとじぶんからきょうよりもっともっとあしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします
ほんとうにもうおなじことはしません ゆるして きのうぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおします
これまでどれだけあほみたいにあそんでいたか あそぶってあほみたいなことやめるので もうぜったいぜったいやらないからね ぜったいぜったいやくそくします
https://www.asahi.com/articles/ASL665H8VL66UTIL04C.html
5歳児にこんな文章を書かせる両親は許せません。
これ以外にも、真冬のベランダに裸足で放置、水シャワーをかけて殴った、食事を制限した等、日常的に様々な虐待が繰り返されていたそうです。
冬のベランダに裸足で放置 死亡の5歳女児、足に霜焼け
https://www.asahi.com/articles/ASL6731Y6L67UTIL003.html
「水シャワーかけ殴った」日常的に虐待か
捜査1課によると、船戸容疑者の逮捕容疑は2月末ごろ、長女結愛(ゆあ)ちゃんを風呂場で殴ってけがをさせたというもの。「言うことを聞かないので風呂場で水のシャワーをかけてから殴った」と説明しているという。結愛ちゃんは3月2日夕に搬送先の病院で死亡が確認された。
4日の司法解剖の結果、結愛ちゃんの体には打ち身などでできるやや古い皮下出血などが複数あったことが確認された。頭部や目の周りには比較的新しい打撲痕もあり、同課はこの傷が風呂場で殴られた際にできたものとみている。死因は特定できなかったが、健康状態は良くなかったという。
死亡の5歳女児、2歳並みの体重 東京の虐待事件
5歳女児の平均体重は18キロ前後だが、結愛ちゃんは2歳女児の平均とほぼ同じ約12キロで、栄養状態は良くなかったという。
一家は今年1月まで香川県善通寺市に住んでいました。
当地で結愛ちゃんは2度も児童相談所に保護され、船戸雄大容疑者も2度書類送検(いずれも不起訴)されていたそうです。
「パパに蹴られた」2度の一時保護後も通報
都や県などによると、結愛ちゃんは同県で2016年12月と昨年3月、外でうずくまっているのを通報されるなどして県の児相で一時保護された。2回目の保護が解除された後の同年8月末、病院から「こめかみ付近と太ももにあざがある」と児相に通報があり、結愛ちゃんは「パパに蹴られた」と話したという。この際、県は一時保護の必要はないと判断したという。
逮捕の父、傷害容疑で過去2回書類送検
捜査関係者によると、香川県警は結愛ちゃんに暴行を加えてけがをさせたとして、船戸容疑者を昨年2月と5月に書類送検。いずれも不起訴となった。結愛ちゃんは2016年12月と昨年3月、虐待の疑いの通報を受けた児童相談所に一時保護されたが、いずれも昨年2月と7月に解除されていた。
https://www.asahi.com/articles/ASL363JP0L36UTIL00T.html
虐待死の直前、東京都品川児童相談所や目黒区は「要保護児童対策地域協議会」を開く準備をしていたそうです。
5歳死亡、虐待対策会議の準備中 親との関係優先して…
東京都目黒区で父親から虐待を受けたとされる船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が死亡した事件は、都や区が対策会議を開く準備をしているさなかに起きた。児童相談所(児相)は事件前に家庭訪問もしていたが、母親(25)の様子などから、徐々に関係を築こうと考えていたという。
逮捕の父、傷害容疑で過去2回書類送検 5歳女児死亡
警視庁は3日、父親の無職船戸雄大容疑者(33)を2月末に自宅の風呂場で結愛ちゃんを殴ったとする傷害容疑で逮捕した。捜査1課によると、船戸容疑者は容疑を認め「これまでもしつけで手をあげることはあった」などと供述している。
都などによると、結愛ちゃんは母親の連れ子。一家は以前、香川県善通寺市に住んでいたが、2016年12月と昨年3月、県の児相に一時保護されたことがあり、引き継ぎを受けた品川児相は「リスクがある家庭」と判断。目黒区は虐待を受けた児童の対応などを検討する「要保護児童対策地域協議会」で扱うべきだとし、1月末から会議を開く準備をしていたという。
品川児相は2月9日に家庭訪問して結愛ちゃんの様子を確認しようとしたが、玄関先で母親が「外出している」と応対。児相と距離を置きたがっている様子だと判断し、関係構築を優先しようと考えたという。担当者は「子どもの所在を確認するだけでなく、継続して見守ることが必要と考えていた」と話す。
(追記します)
2018年の話です