H29保育所等一斉入所結果分析、第8回は阿倍野区を取り上げます。なお、同区に関する過去の分析記事は「検索:阿倍野区 分析」からご覧下さい。

阿倍野区は市内南部に位置しています。天王寺区と並んで、いわゆる「文教地区」と呼ばれる事が多い土地柄です。大教大附属天王寺等、多くの学校が集中しています。

子育て世帯からの人気も高いようです。区北部にある常盤小学校は全校児童が1,000人を超えてしまい、一部学年は近隣にある分校で授業を行っているそうです。

教育熱心な世帯が多い為か、区内には数多くの幼稚園が存在しています。一方、保育所等は少なめです。ここ数年で他区が保育所等を次々と新設した一方、阿倍野区内で新設された保育所は殆どありません。地域型保育事業やこども園(幼稚園からの移行)が主です。

保育所等に入所するのに必要な点数は、著しく高くなっています。

(更に詳しい情報は、大阪市子育て支援施設マップ(非公式)子育て支援施設データベース年齢・点数毎の個別結果集約新設施設情報からご覧下さい。)

阿倍野区内にある保育所等の入所最低点は、極めて高くなっています。市内最高水準と言えるでしょう。これは褒め言葉では無く、「子育て世帯が必要とする保育所等が著しく不足している」状況です。

それもそのはず、阿倍野区の保育所等在籍率(=整備率)は29.6%です。中央区に次いで低い数字です(詳細はこちら)。「保育所等の整備を軽視している」と言われても仕方ありません。

そうした中、入所最低点が特に高くなっている施設は、(1)保育所・(2)1-2歳児・(3)区北部という要素があります。

保育所に希望集中

ほぼ全ての保育所・年齢では、入所するのに「200点」以上が必要だと推測されています。最低でもフルタイム共働き、それでも入所できるかは分かりません。最低点が200点を下回る保育所・年齢は殆どありません。

多くの世帯が保育所を第1希望とするのは大阪市内全域、そして全国で共通した現象でしょう。小学校入学前まで同じ園で保育が行われるのは非常に魅力的です(本来は当然かもしれませんが)。

地域型保育事業は3歳児からの保育がネックとなります。連携先へ進級しようにも、下記のツイッターで指摘されている問題点があります。

阿倍野区の場合、幼稚園へ入園する児童が多くなってしまいそうです。就業時間との兼ね合いが気掛かりです。

1-2歳児は加点必須、0歳児もフルタイムだと分からない

2点目は年齢です。

1-2歳児の最低点は大多数の保育所で201点以上、地域型も200点となりました。何らかの加点がなければ1-2歳児入所は極めて厳しかったのでしょう。

H29一斉入所において、同区の1-2歳児入所倍率は2倍を超えました。フルタイムで働いている世帯が多い為か、認可外保育施設の利用者も少なくなかった様子です。その為、入所最低点が200点を超えるケースが続出しました。

0歳児も厳しい状況です。H29は0歳児申込数が前年より50人も増加し、入所保留となった0歳児が続出しました。200点でもダメだったという話を聞いています。

北部は入所最困難、南部も容易ではない

3点目は地理的要因です。

天王寺駅に近く、マンション開発が盛んな北部(桃山学院より北)にある保育所等において、入所最低点が非常に高くなっています。ここ数年、似た状況です。

反面、南部は北部ほどではありません。北部と比べて戸建て住宅が多く、北部ほどの保育需要がないのでしょう。幼稚園を利用している世帯も多そうです。

3要素が重複すると極めて困難に

これらをまとめると、「北部にある保育所の1-2歳児クラス」への入所は極めて困難だと分かってきます。ど真ん中なのが阿倍野保育園松の実保育園あい保育園昭和町三明保育園です。3要素に合致しています。

いずれも0歳児入所最低点は200点、1-2歳児は201点以上、入所者平均点も200点を超えています。何らかの加点がない限り、第1希望とするのは躊躇われます。

子育て世帯に人気のある阿倍野区ですが、こと「保育所」事情は恵まれていません。

リクエストは問い合わせ・コメントからお寄せ下さい

次回は淀川区を掲載していく予定です。「○○区の情報を早く知りたい」「○○地区・○○保育所について詳しく」といったリクエストがあれば、問い合わせやコメント欄からお寄せ下さい。

今年からはサイト上に掲載する分析内容を若干抑え、代わりに問い合わせに対する返事を充実させる予定です。

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