痛ましいニュースです。保育園の近所に住む赤沼美空ちゃんが、園庭に設置されたプールで溺死しました。

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(2020/2/14更新)

元園長と元保育士に対し有罪判決が言い渡されました。

元保育園長らに有罪判決 さいたま市プール女児死亡事故

 さいたま市緑区の認可保育所「めだか保育園」のプールで平成29年、4歳の女児が溺れて死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた元園長の黛(まゆずみ)秋代被告(70)と、保育士として勤務していた堀口茜被告(33)の判決公判が14日、さいたま地裁で開かれた。北村和裁判官は黛被告に禁錮1年、執行猶予4年(求刑禁錮1年)、堀口被告に禁錮1年、執行猶予3年(同)を言い渡した。

 北村裁判官は、黛被告が安全管理義務を怠ったと指摘し、堀口被告については「園児の異変に気が付くのが遅れて最悪の結果になった」とした。一方で、両被告が過失を認め賠償の意思を示していることなどから執行猶予が相当と判断した。

 起訴状などによると、黛被告は29年8月24日、プールで子供たちを遊ばせた際、複数の保育士で十分な監視体制を取らせるなどの注意義務を怠った。堀口被告は、プールで遊ぶ子供たちから目を離した。その結果、赤沼美空(みく)ちゃんがプールで浮いているのが見つかり、翌25日に低酸素脳症で死亡した。

https://www.sankei.com/affairs/news/200214/afr2002140017-n1.html

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(2018/8/27)
当時勤務していた保育士と園長が、業務上過失致死の疑いで書類送検される見通しとなりました。

【ニュース】めだか保育園(さいたま市)での園児溺死事故、保育士・園長を書類送検へ

一周忌に合わせて、という判断でしょうか。

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(2017/8/26)
続報です。
【めだか保育園事故】プール最終日、滑り台の片付けで保育士が目を離した?
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プールで保育園児死亡 監視態勢などを捜査

24日、さいたま市の保育園のプールで遊んでいた4歳の女の子が死亡した事故で、警察はプールの防犯カメラの映像を分析するとともに、現場にいた保育士から当時の状況を聞くなどして監視態勢に問題がなかったか調べています。

24日午後3時半すぎ、さいたま市緑区大間木にある認可保育所「めだか保育園」のプールで、近くに住む赤沼美空ちゃん(4歳)がうつぶせの状態で浮かんでいるのが見つかり、意識不明の重体で病院に運ばれましたが、25日午前4時前、死亡しました。

警察と市は美空ちゃんがプールで溺れたと見て、25日午前、保育園の関係者を立ち会わせて現場で当時の状況を調べています。

これまでの警察の調べで園庭に設置されたプールでは、美空ちゃんを含む3歳から5歳の園児合わせて19人が遊んでいて、30歳と32歳の女性の保育士2人が監視にあたっていたということです。

また、園児たちがプールで遊んでいる様子を撮影した防犯カメラの映像が残っているということで、警察は映像の分析を進めるとともに、現場にいた保育士から当時の状況を聞くなどして監視態勢に問題がなかったか調べています。

プールで遊んでいた4歳の女の子の園児が死亡したことについて、「めだか保育園」の黛秋代園長(67)は「監視の目を離さない、水面から目を離さないことを徹底していたのですが、穴があったということで申し訳ないと思っています」と謝罪しました。

保育園によりますと、24日はプール遊びの最終日で、昼寝を終えておやつを食べ終わった園児に10分程度、プールで遊んでもらっていたということです。

保育園では25日午後7時から保護者会を開き、事故の詳しいいきさつや再発防止策について説明することにしています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170825/k10011111841000.html

4歳の女の子はかわいい盛りでしょう。自分の考えをはっきり伝えられる様になり、女の子達が集団で遊んでいる姿をよく見掛けます。

事件が起きたのは8月24日の午後3時過ぎでした。プール内では19人の園児が遊んでいたそうです。

プール内で浮いていた女児を園児が見つけました。すぐさま病院へ搬送したものの、助かりませんでした。

4歳女児、意識不明の重体…保育園プール、うつ伏せで浮く 「あー」園児が声上げ、保育士気付く/さいたま

 24日午後3時40分ごろ、埼玉県さいたま市緑区大間木の「社会福祉法人こぐま会めだか保育園」で、保育士女性(32)から「プールで泳がせていた子どもが気が付いたら浮かんでいた」と119番があった。プールに入っていたさいたま市の女児(4)が病院に搬送されたが、意識不明の重体。

 浦和東署によると、プールは園庭に設置され、縦6メートル、横4・7メートル、深さ70~90センチ。同日午後3時ごろから園児が交替で遊び、事故当時は3歳~5歳の園児19人が入っていた。園児の足が付く水位だったとみられる。

 通報した保育士と別の女性保育士(30)の2人で監視。園児が「あー」という声を上げたため、30歳の保育士が近付いたところ、女児がうつ伏せで後頭部を水面から出している状態で浮いていたという。同署は女児が溺れたとみて調べている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170824-00010006-saitama-l11

事故が起きた「めだか保育園」はさいたま市緑区にあります。東浦和駅から約1.5kmほど離れた、市中心部にも近い住宅街の一角に設置されています。

2008年に開園し、園児69人が在籍しているそうです。やや小さめの認可保育所です。ただ、さいたま市私立保育園協会のウェブサイトによると、同園の定員は60人とされています。若干の超過受け入れを行っていたかもしれません。

女児が溺れたプールは夏期だけ園庭に設置するタイプです。夏になると倉庫から運び出して組み立てているのでしょう。

夏場しか使わないプールを常置すると、相当の場所や維持コストが掛かってしまいます。敷地にゆとりがない都市部の保育所では、この様な仮設プールを利用している施設が少なくないのではないでしょうか。

午後3時過ぎからプール遊び

事件の本質はプールの構造ではありません。実効的な監視体制です。

当時は園児19名に対して2名の保育士が監視していたそうです。2名が付きっきりで監視できているのであれば、仮に園児が溺れてもすぐに発見できるでしょう。しかし、常に付きっきりで監視できるわけではありません。

特に気になったのは時間帯です。プール遊びを始めたのが午後3時頃、通報があったのは午後3時40分でした。この時間帯は園児が昼寝から起き、布団を片付け、おやつを食べ、そして一部の保護者が迎えに来ます。朝の登園時間帯と並び、保育所が最も慌ただしい時間帯の一つです。

あくまで想像となりますが、保育士がこれらの業務を分担して同時に処理している最中、プールの監視を行っている保育士が別の職員・園児・保護者等に声を掛けられて目を離したのかもしれません。それも2人同時に。

我が家がお世話になっている保育所では、プール遊びは午前中のみです。当該クラスの担任保育士に加え、担任を持たない保育士もプールを監視しています。

事件が午後3時過ぎに起きたと聞いて、本当に驚きました。慌ただしいこの時間帯にプール遊びを行うものなのでしょうか?(実例をご存じの方がいれば、コメント欄でお知らせ下さい)

3年前に京都市で同種事故が

同様の事故は3年前に京都市でも発生しました。「せいしん幼児園プール死亡事故」です。

京都市上京区の保育園「せいしん幼児園」のプールで、男児(4)が意識不明になる事故があり、数日後に死亡した。子供はプール遊びが大好きなものだが、まだ泳ぎ方を知らない子が多い幼稚園児、保育園児に事故はつきもの。園側の安全管理の意識に問題はなかったのか…。

http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/299859/

同事故では特別監査が行われ、詳細は調査報告書が作成・公開されました(こうした分野では京都市が進んでいます)。

Download (PDF, 1.11MB)

プールの監視体制を含む安全対策の不十分さに加え、園長の態度や保育士離職率の高さが厳しく指摘されてました。刑事事件は不起訴、現在は損害賠償を求める民事訴訟が進行しています。

今回の痛ましい事故の原因を究明する上で、重要なのは第三者による調査です。さいたま市が積極的に関わり、専門化等で構成される第三者委員会が早期に立ち上がるかがポイントです。

亡くなった命は帰ってきません。女児の冥福を祈ります。