平塚市の無認可保育所「ちびっこBOY」で乳児が死亡したニュースの続報です。乳児にケガをさせた疑いで逮捕された保育士(詳細はこちら)につき、別の女児の裸体を撮影した疑いが浮上しています。

別乳児の裸画像保存 保育士を再逮捕へ 神奈川県警

神奈川県平塚市の無認可保育所「ちびっこBOY」で平成27年12月、生後4カ月の出縄望翔(いでなわりんと)ちゃんが死亡した事件で、傷害致死容疑で逮捕された保育士、角田悠輔容疑者(34)=横浜市=が使用する記録媒体から、施設利用者とみられる別の乳児の裸の画像データが見つかっていたことが9日、捜査関係者への取材で分かった。県警は10日、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで角田容疑者を再逮捕する方針。

捜査関係者によると、画像データは複数人分が確認された。いずれも女児で、望翔ちゃんのものはなかったという。県警は、角田容疑者が長期間にわたり、乳児らの裸を日常的に撮影・保存していた疑いもあるとみている。

http://www.sankei.com/affairs/news/161110/afr1611100002-n1.html

乳児にケガを負わせた当時、勤務していたのは容疑者1人のみだと報じられています。

他の職員が勤務している時間帯に女児の裸体を撮影するのは困難でしょう。容疑者1人のみが勤務していた時間帯(深夜?)に撮影した可能性が高いと考えられます。既に画像のEXITデータや職員出勤簿を照合済でしょう。

容疑者は10月21日に傷害致死容疑で逮捕されており、現在も勾留中でしょう。再逮捕・再勾留となりそうです。

行政から何度も改善項目を指摘されていた

実は事件が発生した認可外保育施設「ちびっこBOY」は、事件前から何度も行政から指摘を受けていました。子育て支援情報サービスかながわに詳細が記されています。

年月日 2014年03月07日 指摘事項の有無 あり

乳幼児の在籍時間帯に保育従事者が1人勤務の時間帯がある。
月極契約乳幼児数に対する保育従事者数について、有資格者の数が保育従事者の必要数の3分の1以上いない。
30人以上の施設につき、具体的計画(消防計画)を作成、届出をしていない。
30人以上の施設につき、防火管理者の選任、届出をしていない。
献立表が作成されていない
1年に2回の健康診断が全く実施されていない。(おおむね6月毎に実施)
職員の健康診断を採用時及び1年に1回実施していない。
調理(調乳)に携わる職員の、検便が全く実施されていない。
サービス内容について利用者に書面により交付されていない。
サ―ビスを利用するための契約の内容及びその履行に関する事項について、適切に説明が行われていない。
労働基準法等の他法令に基づき、各事業場ごとに備え付けが義務付けられている帳簿等の整備状況が不十分である。

カギとなるのは「保育従事者が1人勤務の時間帯がある」という指摘です。保育従事者が1人しかいない場合、急な対応を要する事態が同時に発生したら処理しきれません。また、本件の様な事件性を有する行為を未然に防ぐ効果もあります。

保育施設は外部との出入りが限られています。危険な侵入者から守る反面、得てすれば保育室が密室化してしまいます。保育従事者の複数勤務を義務づける規定には、密室化を防ぐ効果もあるでしょう。

容疑者は34歳です。保育士として勤務した経歴は短くないでしょう。過去に勤務した保育所等で類似事案を起こした可能性(余罪)もあります。

心配されるのは「男性保育士への蔑視」です。こうした事件を起こすのは、男性保育士の中の極一部です。また、女性保育士が園児に暴行等を加えた事例もあります。性差は関係なく、保育士としての適性が求められるでしょう。