平成29年度保育所等一斉入所申込状況分析に関連して、様々なメールやコメントを頂いています。

特にたくさん頂いたのは「希望する保育所の募集予定数が0人と発表され、困った。」という趣旨の内容です。下記の様なメールを頂いています(固有名詞等は伏せています)。

○区の××保育園へ兄弟加点ありで1歳児の申し込みをしているが、今回の発表で0人募集…
ほぼ兄弟で別々の園になるかと思うと、気が遠くなりそうです。

本日公表された一斉申込状況を見て腑に落ちない点があります。募集人数が0の園にも申込者が多数いたりするのです(とくに1、2歳児)。募集人数の増加を期待してでしょうか。入園を切実に希望する者は、空きがない園を第一希望にしないと思うのですが。

○区に住んでます。行きたかった保育園の二歳児募集枠が0でした。来週には面接もあります。募集枠が0なのに、面接するという事はどういう事なのでしょうか?募集枠0の保育園に申し込む意味ありますか??

募集予定数「0人」という意味は?

H29大阪市保育施設利用申込状況等をご覧になられた方は理解していると思いますが、全ての保育所等は全年齢で募集を行うわけではありません。大半の保育所では0歳児の募集を行いますが、1歳児は募集を行わない保育所等もあります。2歳児は募集を行う保育所が少数派です。

実は保育所等・年齢毎の募集予定数は、H29大阪市保育施設利用申込状況等で初めて明らかになりました。募集予定数が不明のまま、申込を行ったわけです。その為、12月上旬までは希望保育所等の追加・変更が可能です。

では、募集予定数が「0人」であれば、入所できる可能性は全く無いのでしょうか。そうではありません。

現段階で公表されているのは、あくまで「募集予定数」です。各年齢毎の定員の差をベースとし、現時点で把握できている退所者等を加えた数字だと推測されます。

典型的なケースは0歳児と1歳児の定員が同じ場合です。0歳児は原則として全員が1歳児クラスへ進級すると見込まれます。その為、1歳児クラスの募集予定数は「0人」となります。

しかし、募集予定数は変動する場合があります。比較的多いのは「年度末と同時に退所する児童が生じる」場合です。上記0歳児クラスの児童の内、1人が新年度から他園へ転所するとします。転所元の新1歳児クラスでは、新たに「1人」の募集枠が生じます。

とは言え、この様に募集予定数が0人である保育所等・年齢で募集枠が生じるケースは決して多くないと見ています。幼稚園への進学が多い3歳児クラス・転居を伴う異動が多い市中心部はまだしも、市中心部以外の1-2歳児クラスでは殆ど生じないのではないでしょうか。

募集予定数「0人」とは、すなわち「募集予定数は0人から若干名」というのが実態に即しているでしょう。あくまで「募集予定数」です。

0人募集でも第1希望に?

強い理由があって第1希望としたのに、中間発表で公表された募集予定数が0人だったらさぞ落胆してしまうでしょう。同時に、第1希望を変更すべきか否かを悩みます。リターンとリスクを天秤に掛ける形となります。

第1希望を変更すべきでないケースとしては、「どうしてもその保育所等に入りたい」という場合が挙げられます。きょうだいが在籍しているのが典型例です。同一園への入所にはきょうだい加点(7点)があり、極めて入所しやすくなっています。

また、仮にきょうだいが別々の園に登園する場合、毎日の送り迎えや準備は極めて煩雑になってしまいます。たとえ募集予定数が0人であったとしても、迷わず第1希望とすべきでしょう。

悩むのは第2希望以下です。他の保育所等を記入して第2希望へ入所した場合、当初の第1希望保育所へ転所するのはやや難しくなります。しかし、認可保育所という安心感、しかも応能負担で決定される保育料が更に半額(もしくは無償)となる措置は魅力的です。

一方、第2希望を記入せずに認可外保育所へ入所した場合、きょうだい加点+認可外加点が得られます。第1希望保育所の空きが生じれば、最優先で転所できるでしょう。一方、空きが出る時期が分からない、認可外保育施設への(漠然とした)不安感、第2子以降の保育料の減免措置が受けられないというデメリットはあります。

また、極めて高い点数(210点以上)がある場合も第1希望を変更すべきではないでしょう。大阪市の保育所等入所選考は、希望順位よりも点数が優先されます。「215点児童の第4希望」と「200点児童の第1希望」では、前者が優先されます。215点もあれば、仮に第1希望保育所が「募集なし」でも第2希望以下の保育所へ入所できる可能性は高いでしょう。

反対に第1希望を変更した方が良いのは、上記とは逆のパターンです。「どうしてもその保育所等に入りたいわけではない」「点数が極めて高いわけではない」というケースです。

入所選考では「希望順位」も選考基準の一つとされています。点数・保育要件(就労/介護等)・世帯状況が同じであれば、希望順位で選考されます。第1希望だったら入れたのに、第2希望だから入れなかったというケースが起こりえます。

「A保育所とB保育所、どちらかに入りたい」「点数が200点で、多くの世帯と横並びになりそう」という状況であれば、募集予定数0人の保育所を第1希望とするのはリスクが高いでしょう。

面接は通常通り・募集予定数とは関係なし

なお、第1希望の保育所等・年齢の募集予定数が0人で会っても面接は行われます。今後募集数が上積みされる可能性があるのに加え、面接の目的が「申込書の審査」にあるからです。

保育所等の入所面接は幼稚園とは異なります。保護者や家庭が施設と合うか否かを見る場所ではありません。入所申込時に提出した申込書や添付書面を基に、保育を必要とする理由や家庭の状況等を区役所担当者等が確認する場です。募集予定数は何ら影響しません。

書類等を基にあれこれ訊かれる一方、こちらから逆に訊くことも出来ます。入所できる見通しや点数等は是非訊ねるべきでしょう。

断言される場合はないと思いますが、口調やニュアンスで何らかの方向性は得られるでしょう。保育所等の追加・変更を勧められたら、可能な限り従う様にして下さい。