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平成28年度保育所等一斉入所申込状況分析、第6回はリクエストにお応えして淀川区を取り上げます。
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※10月28日に発表された数字に基づています。

昨年と比較して入所倍率が0.3倍以上増加した箇所はオレンジ、逆に0.3倍以上減少した箇所は水色で、入所倍率が2倍を超えている箇所は赤で表示しています。
なお、申込があるにも関わらず募集数が「0人」の箇所は、便宜的に倍率を99.99倍としています。

入所倍率はやや低下したが、1-2歳児(特に西宮原周辺)は要注意

H28一斉入所での入所倍率は1.04倍となり、市内平均1.05倍とほぼ同値となっています。申込数は29人増えたものの、保育所の新設や小規模保育等の充実によって募集数は114人増加しました。

年齢別に見ていきます。0歳児は遂に入所倍率が0.83倍まで低下しました。申込数が前年を割り込みました。入所先を限定しなければ、0歳児は区内にあるいずれかの保育所等へ入所できる計算です。ただ、小規模保育より保育所を希望する保護者が多く、特に一部の保育所は2倍以上という高倍率になっています。

今年も厳しいのは1歳児です。入所倍率はほぼ前年通りですが、申込数が62人も増えています。複数の保育所で1歳児第1希望が大きく増加しています。保育所に限ると、昨年より入所するのは明らかに難しくなっています。一方、2歳児の申込数は昨年より31人も減少しています。ただ、2歳児入所申込者は再開発が盛んな西宮原周辺地域に集中しています。この地域は毎年厳しく、特に今年の1-2歳児入所は容易ではないでしょう。

西宮原周辺地域の各保育所はいずれも難しい

入所倍率が最も高いのは、三国保育所の2.41倍でした。同保育所がある地域一帯は再開発が進められており、保育所前は広い道路が作られています。また、道路を挟んで反対側には、三国本町公園前から移転したIDEC本社社屋があります。昨年より1歳児募集数が増加しましたが、0歳児募集数が3人へと減少しています。0歳児申込数は13人おり、入所者の多くは既に兄姉が在園している児童となりそうです。

三国保育所を中心として、この地域は入所倍率が2倍を超える保育所が多く存在します。宮原中学校を挟んで反対にあるポラリスこども園も2.27倍という高さです。1歳児が前年より12人増、0歳児が7人増となっています。周囲に大規模マンションが多く、2014年から2015年生まれの子供が多いのかもしれません。1歳児は30人以上の第1希望申込者が入所できない結果となってしまいそうです。

南西側、宮原小学校の南側に昨年新設されたクオリスキッズ三国本町保育園も2.38倍と高倍率です。1歳児が募集数5人に対して第1希望が24人、2歳児は募集数0人に対して申込数10人、3歳児は募集数2人に対して申込数10人という状況です。同保育所は半分以上の第1希望申込者が入所できない結果となります。三国本町公園を挟んで南東にある木川第2保育所は、申込数と募集数が均衡しています。

阪急三国駅前にあるメリーポピンズこども園も2.05倍という高さです。1歳児が募集数3人に対して24人が第1希望としており、完全に溢れてしまっています。近くにあるみくにひじり保育園も同傾向です。

凄惨な結果となった西宮原6保育所の合算

西宮原地域の状況があまりに深刻に感じられました。H27一斉入所においても、これらの保育所は入所基準点・入所者平均点が極めて高くなっていました。この地域にある上記6保育所を合算したH28一斉入所募集数・申込数を計算してみました。

H28一斉入所における西宮原地域6保育所の合算結果
年齢申込数募集数倍率
0歳児73581.26
1歳児129433.00
2歳児57321.78

極めて深刻な内容が判明しました。特に1歳児は6保育所の合計募集数43人に対し、申込数はその3倍である129人に達しています。つまり、西宮原地域の1歳児入所申込者の内、既設保育所へ入所できるのは3人に1人のみです。既に兄姉が在園している児童が多くを占めそうです。地域にある複数の保育所がいずれも同様の傾向にあるので、地域内にある他の保育所へ第1希望を変更しても状況は基本的に変わりません。

救いなのは、西宮原地域のすぐ北、西三国1丁目にあい保育園西三国が新設される見通しです。また、地域南側に住んでいる方にとっては、木川第1保育所も選択肢となるでしょう。

東三国駅周辺もやや入所困難、それ以外はやや入所しやすく

西宮原の東、東三国駅を中心とする地域の保育所もやや入所しにくくなっています。入所倍率は概ね1.5倍~2倍となっています。御堂筋線・JRが利用できて交通の便は良い地域です。新東三国保育園の1歳児の募集数が4人へ減少していますが、申込数が倍増の18人となったのが目を引きます。

それ以外の地域では、一部保育所や1歳児を除けば相対的にやや入所しやすくなっています。入所倍率は概ね1.5倍以下であり、フルタイム共働きに準ずる点数であれば大半の保育所・クラスへ入所できそうです。特に淀川区の西端にある西加島保育所は全ての年齢で申込数が募集数を下回っています。神崎川を挟んだ反対側が尼崎市となり、登園範囲の広がりを欠くからでしょう。尼崎市からの利用が一定程度ありそうです。

やや入所しにくいのは塚本くすのき保育園(塚本保育所を民営化)です。入所倍率は1.59倍ですが、駅前という立地からか点数が高い児童の入所申込が多いのが特長です。H27一斉入所では入所基準点195点、入所者平均点198.5でした。フルタイム共働きでなければ入所は困難でしょう。

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