乳幼児の首をひねる「ズンズン運動」によって0歳男児を死亡させた疑いで、NPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」の理事長が逮捕されました。
大阪市淀川区で昨年6月、「免疫力を高める」としてマッサージのような施術を受けた生後4か月の男児(神戸市)が死亡した事件で、大阪府警は4日、施術を行った新潟県上越市のNPO法人理事長・姫川尚美容疑者(57)を業務上過失致死容疑で逮捕した。
同法人は「子育て支援ひろばキッズスタディオン」で、姫川容疑者は乳幼児の首をひねったり頭を後ろにそらせたりする施術を「ズンズン運動」などと称して実践。上越市の自宅兼本部のほか、東京都と淀川区の両事務所などで6000人以上に施術したとされる。
捜査関係者によると、姫川容疑者は昨年6月2日、淀川区の事務所で、呼吸困難にさせる危険性を認識しながら男児に背筋矯正などの施術を行い、同8日、死亡させた疑い。
姫川容疑者は府警の任意聴取に「施術と死亡の因果関係は分からない」と説明。しかし、男児の死亡以前にも施術を受けた乳幼児数人が意識を失ったり体調が悪くなったりして病院に運ばれていたことがわかり、府警は、姫川容疑者に危険性の認識があったと判断した。
NPO理事長逮捕:首ひねる写真をブログに
免疫力が高まったり、アトピー性皮膚炎が治ったりする−−。業務上過失致死の疑いで逮捕された新潟県上越市のNPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」理事長、姫川尚美容疑者(57)は全国各地での講演会、著書、ホームページなどで自ら考案した施術の効能を宣伝していた。NPO法人の関係者によると、これまでに数千人の乳幼児に施術した。
昨年9月8日、姫川容疑者は大阪市淀川区東三国4の事務所(現在は閉鎖)で施術を披露しながら取材に応じた。3階建て民家を改装した事務所2階の施術室にはオルゴールの音楽が流れていた。
1歳ぐらいの男児を抱いた母親の横で、姫川容疑者は人形を抱き、「対面(ついめん)抱っこ」と呼ぶ施術の方法を指導してみせた。抱き上げた子供の背中を少し反らせ、首と腰を手で支えながら体を揺らすという。「体のゆがみがなくなり成長を促す効果がある」と説明した。
次に姫川容疑者は男児を布団にあおむけに寝かせ、太ももの付け根を両手でさすり始めた。男児は顔を赤らめて泣き出した。「血流がよくなり免疫力が高まっている証拠だ」
施術中、乳児の体から「ズン」という振動が手に返ってくるので「ズンズン運動」と名付けたという。
NPO法人のホームページを見て来たという大阪府内の母親は時々、うなずきながら説明を聞いていた。
一方、乳児の首をひねる写真がNPO法人の公式ブログに掲載されていた。姫川容疑者は「ズンズン運動では乳児が衝動に駆られて自ら首を曲げることがある。私は手を添えているだけだ」と強調した。
http://mainichi.jp/select/news/20150304k0000e040236000c.html
司法解剖によると、死因は低酸素脳症でした。
マッサージとの因果関係が疑われます。
死亡例は1件ではなく、2013年にも死亡例があるそうです。
首ひねる独自マッサージ後乳児死亡 NPO代表任意聴取
2014年9月6日13時14分大阪市内で今年6月、乳幼児向けのマッサージを提唱しているNPO法人の代表から施術を受けた乳児が、施術中に意識不明になり、死亡していたことが捜査関係者への取材でわかった。大阪府警は遺体を司法解剖し、代表らから任意で事情を聴くなどして死亡の経緯を慎重に調べている。
捜査関係者によると、6月2日、生後4カ月の男児が大阪市淀川区の事務所内で代表の女性からマッサージを受けた。女性は男児を床にうつぶせに寝かせて首をひねったり、ひざの上に乗せて首をもんだりしていたが、施術中に男児の呼吸が止まり、スタッフが119番通報したという。病院に救急搬送されたが、6日後の同8日に死亡した。
府警は病院から連絡を受けて捜査を開始。遺体を司法解剖した結果、死因は脳に酸素が十分に行き渡らなくなる低酸素脳症による多臓器不全だったという。
NPO法人の理事の男性は取材に対し、昨年も代表の施術を受けた幼児が死亡したことを明らかにしたうえで、「亡くなったのは不幸なことだが、2件とも施術と死亡との因果関係はないと考えている。警察の捜査に協力したい」と話した。
http://www.asahi.com/articles/ASG9631WYG96PTIL003.html