自身が勤務する「ほっぺるランド佃」(認可保育所、東京都中央区)の4歳園児に暴行を加えたとして、保育士が逮捕されました。逮捕容疑以外で少なくとも別の園児1名に暴行を加えたと確認されています。
勤務していた保育園で園児を殴ったとして、警視庁は22日、無職の浜野貴史容疑者(39)=東京都世田谷区宮坂1丁目=を暴行の疑いで逮捕し、発表した。「自分の体調が悪くイライラして手が出てしまった」などと供述しているという。
園は東京都中央区の認可保育所「ほっぺるランド佃」で、浜野容疑者は保育士として勤務していたが、7月に入り解雇されていた。同庁は、複数の園児に暴行を加えた疑いがあるとみて調べている。
月島署によると、逮捕容疑は6月17日午前11時半ごろ、同園で勤務中、男児(当時4)の右腹部を1回殴ったというもの。「保育記録カメラ」の映像などで裏付けたという。現場にはほかにも園児がいたが、いずれの園児にもけがはなかった。被害に遭った男児の母親が7月14日に同署に相談し、明らかになった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6d8ad6e7a0879acb6cb37585777222d1e3901e33
ほっぺるランド佃は東京都中央区佃1丁目のタワーマンション内にあります。月島や越中島に近く、東京駅まで2km弱の場所にあります。この地域にはタワーマンションが建ち並んでおり、いわゆる湾岸マンション群を構成しています。スカイツリーも見えるそうです。
同園は0-2歳児と3-5歳児を同一タワーマンション内の別区画で保育しています。被害に遭った園児は当時4歳だったので、3-5歳児を保育する区画で事件が発生しました。
事件の詳細は同園の親会社たるテノ.ホールディングスのウェブサイトに掲載されています。
これによると、上記記事で報じられた内容と発生した内容が大きく違っていると読み取れます。6月26日に当該保育士が他の園児(園児C)を暴行する現場を他の保育士が目撃しました。監視カメラの映像を遡って確認したところ、6月17日に別の園児(園児D)の右脇腹を殴打した姿が録画されていました。
逮捕された容疑は園児Dに対する暴行でした。園児Dの保護者が保育園や運営会社と相談し、結果として警察署へ被害届を提出したのでしょう。園児Cについても被害届が提出されているかは不明です。
被疑者は「体調が悪くてイライラした」と供述しています。また、運営法人の報告書には「保育ローテーションにゆとりがなく、ストレスを受けやすい職場となっていた」とあります。
同園の定員は90名、保育士は10名以上が勤務しているとされています。
0-2歳児クラスと異なり、3-5歳児クラスは1人の保育士が担当する園児数が増えます。非常に多くの子供達の保育を限られた人数で行わなければなりません。呼吸や誤嚥に気を遣う、0歳児や1歳児とは違った負担が掛かります。
担当する保育士数が少ないと言うことは、密室が生まれやすいとも言えます。本件は忘れ物に気付いた別の保育士がたまたま保育室へ入室した際に暴行現場に出くわしました。その現場にいた保育士は被疑者1人だったのでしょう。
被疑者は他の保育士がいない時間帯を狙って暴行に及んでいました。防犯カメラによって明らかになった園児Dへの暴行では、他の保育士が給食配膳の為に離れたタイミングを見計らって暴行を行いました。
暴行を加えた箇所にも悪質性が感じられます。園児Cは背中、園児Dは脇腹を狙いました。いずれも服の上からでは分からない場所です。保護者が子供と一緒に入浴したら気付く可能性はありますが、キズ等がなければ気付かないかもしれません。
余罪が明らかになったのは防犯カメラの記録映像でした。ただ、明らかになったのは10日前の暴行のみでした。園児への暴行は常習化していなかったでしょうか。防犯カメラの映像等からは明らかになっていません。プライバシーや保存容量との兼ね合いもあり、過去の映像を保管し続けるのも難しいです。
過去の暴行事案等を追加調査するには、他の園児や卒園児等にアンケート調査等を行う方法も考えられます。今回限りの暴行とは考えにくいです。名前が報じられたので、卒園児(他の保育所等を含む)から「実は・・・・」といった話が出てくる可能性があります。
全国で数多くの保育所等を運営している法人である為か、適切なケアや再発防止策等が報告書に記載されています。園児2人に大きなケガがなかったのが不幸中の幸いです。

