秋は学校や保育所等の行事が非常に多い季節です。その例に漏れず、我が家も毎週の様に運動会や遠足や地域行事等に追い立てられています。更に衆院選で変わった予定もあります。

学校で行事がある度に「お弁当のお願い」と題したプリントが配布されます。「弁当」の2文字を見る度にゲンナリとしています。特にコロナ禍から抜け出した今年は学校行事等が多く、弁当を作った回数がここ数年で最も多くなっています。

とは言っても、以前から大阪市立中学校に子供が通っていた保護者からは「今は楽になった。一昔前は毎日が弁当だった。」と聞かされています。

実は大阪市立中学校では平成後期まで給食がありませんでした。平成24年からデリバリー方式を導入、平成27年からは学校調理方式へ順次移行、そして令和元年に全ての中学校で温かい給食が食べられる様になりました。

しかし、中学校での給食にも二つの方式があるのに注意が必要です。「自校調理」と「親子方式」です。厄介なのは後者です。

 大阪市教育委員会では、令和元年度の1学期をもって市内全中学校において、デリバリー方式の給食(注)から学校調理方式での給食提供方法に移行しました。

(注)学校調理方式:親子方式(給食調理設備を有する学校で調理した給食を他の学校に搬送する方式)と自校調理方式を合わせた、大阪市独自の呼称。

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000359102.html

「自校調理」は中学校内の設備で給食を調理し、各教室等へ配膳する方式です。一般的な方法の一つです。

もう一つの「親子方式」とは、調理設備に余裕がある他校(「親校」と呼ばれる、主として近隣の小中学校)で調理された給食を各校(「子校」)へ配送して配膳する方式です。

「自校調理」では中学校で授業等が行われる日は毎日給食が準備されています。しかし、「親子方式」では「親校」の学校運営に左右されます。何らかの事情で「親校」が給食を必要としない場合、「子校」に給食が配送されないのです。

10月に頻発しているのが「運動会による代休」です。「親校」が土曜日や日曜日に運動会を行うと、月曜日は代休日となります。「親校」に児童生徒は登校しないので、給食は調理されません。必然的に「子校」も給食提供がなく、各家庭から弁当を持参する必要があります。

「親校」で全校遠足等が行われる場合も同様です。児童生徒は登校していますが、「親校」では給食を必要としていません。「子校」のみの給食を調理するといった対応は行っていないそうです。

更に急な「親校」の事情によって給食が急遽中止されるケースもあります。頻繁に聞いたのが「親校」の「臨時休業」です。新型コロナの蔓延等によって「親校」が臨時休業となり、給食が調理されない事態が起こりました。「子校」では各家庭へ「弁当等の持参」を求める緊急連絡を行ったそうです。

本来は「親校」の事情に関わらず、「子校」へ調理された給食を提供するのがあるべき姿です。しかし、「親校で給食を必要としない時は調理室を閉鎖している」「子校の給食のみを調理する運用は行っていない」等の事情(言い訳)が通用しているのが現状です。

給食を自校調理している大阪市立中学校は下記の21校のみです(小中一貫校等を含む)。一部の中学校には共通項が垣間見えます。

小中一貫校むくのき学園(東淀川区)、やたなか小中一貫校(東住吉区)、いまみや小中一貫校(西成区)、日本橋小中一貫校(浪速区)、美津島中学校(淀川区)、咲洲小中一貫校(住之江区)、我孫子中学校(住吉区)
城陽中学校(城東区)、菫中学校(城東区)、今津中学校(鶴見区)、平野中学校(平野区)、難波中学校(浪速区)、木津中学校(浪速区)、歌島中学校(西淀川区)、東淀中学校(東淀川区)、緑中学校(鶴見区)、文の里中学校(阿倍野区)、住吉中学校(住吉区)、摂陽中学校(平野区)、平野北中学校(平野区)、鶴見橋中学校(西成区)

https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000359102.html

それ以外の約100校には、「親校」の事情に基づく給食非提供日が存在します。家庭の負担は軽くありません。勤務する先生方も大変でしょう。