当サイトをご覧頂いている方の多くは、未就学児(入所前を含む)や小学生のお子様がいる家庭でしょう。が、早ければ数年後、遅くとも15年後には「高校受験」がやってきます。

今年度の我が家では、子供に「英語」を重点的に教えています。親世代の頃は「中学校に入学してから学習すれば十分」という感覚でしたが、最近は全く異なります。

小学校3-4年生では「外国語活動」として、そして5-6年生では「外国語」として英語を学びます。これらの履修を前提として中学校1年生の英語が始まるそうです。つまり、親世代と比べて英語を学習する学年が相当前倒しにされています。

これに加えて、大阪府立高校受験において英検2級以上(同等資格を含む)を有している受験生は入試にて優遇されます。英語の最低点が保障されます。

【大阪府立高入試】トップ10校合格には、もはや必須の英検2級

 府立高トップ10校に志願するなら、英検2級を取得するべきかもしれない。大阪府教委がこのほど、今春の府立高入試を総括した。本紙が注目したのは、今年は英語のスコアが保障される英検2級などを、かなりの受験生が取得して、試験に臨んだことだ。その数、トップ10校では50%超。英検2級はもはや、上位校の合格パスポートになってきた感がある。

大阪府教委がまとめた各年度の「公立高等学校 入学状況概要」をもとに、本紙が英語資格の活用者数を受験者数で割り算出した。

 府立高入試では2017年度から、英検やTOEFL iBT、IELTSといった外部検定の成績を入試得点に反映できるようになった。なかでもその中心は英検で、2級を持っていれば80%、準1級で100%の得点を保障してもらえる。点数に置き換えると、英語入試は90点満点だから2級は72点、準1級は90点に換算される。当日試験の出来映えによって、高い方のスコアが採用してもらえるわけだ。

 17年の導入時に外部検定を活用したのはわずか344人。ところが6年経った今春は3491人と10倍以上だ。うち大多数の2627人はトップ10校の受験生で、10校に限れば昨年の37%から55%に急増。2人に1人が得点保障のある受験生だった。

 10校の中でも上位校になればなるほどその傾向は強く、府立高の双璧を成す北部の北野で受験者の94%、南部の天王寺で80%が英検2級以上を保有していた。続く茨木も79%。三国丘、豊中、大手前も50%を超えた。

C問題の方が難しい

 「英語のC問題を使う学校を受験するなら、2級をとっておくべきだ。特に上位校ほど合格の最低条件と言っていい」

 こう分析するのは入試情報のスペシャリストで開成教育グループの藤山正彦室長。実際に今春の入試データから数字を拾うと、英検を活用し受験した91%(3180人)は、英語C問題を採用する府立高だった。

 その理由は、2級よりもC問題の方が難しいからだ。C問題はインターネットで公開されている過去問を見ればわかるが、長文読解力がキーとなる大学の共通テストに近い。

 基本的には「文法」「長文読解」「英作文」の3つで構成されるが、なかでも全得点の半分以上を占める長文読解が4~5題も連なる。最後の英作文も長文を読み、自分の意見を書くのだが、模範解答は80語程度で書かれている。これをわずか30分で仕上げなければならないという制限時間の短さが最大の難点だ。

 続くリスニングも一筋縄にはいかない。パートA・Bは得点率が高いが、パートCはリスニング・リーディング・ライティングの3技能が統合した大阪独自の特殊な問題で対策が必要になる。

 実際に府教委のまとめによると、当日入試のスコアが最低保障点を上回った受験生は、どの年も半数以下。特に19~21年の3年間は10%台に低迷。しかも昨年はコロナ休校の影響で、数学の出題範囲が狭まったことで数学で大きな得点差がつかず、逆に英語Cの合格者平均が47点と低迷し、英検2級の取得が有利に働く事件が起きた。(以下省略)

https://www.nnn.co.jp/dainichi/news/220926/20220926032.html

詳しい数字等は令和4年度公立高等学校入学状況概要に掲載されています。

こちらの資料によると、令和4年度大阪府立高校入試の延べ志願者41,879人の内、英検2級以上を保有していたのは3,505人でした。約8%となります。このパーセンテージには驚いてしまいました。

私自身が英検2級程度の英語力を身につけたのは、恐らくは高校3年生の頃です。にも関わらず、府立高校受験生の約8%が中3時点でその段階に達しているとは。

それには理由があります。大阪府立高校受験の英語科目にて、英検2級を持っていると最低でも80%の得点が保障されるからです。

英語は基礎的なA問題、標準的なB問題、そして発展的なC問題があります。C問題の難易度は高いです。大学入学共通テスト並、かつ時間制限がきついです。文法問題は紛らわしく、長文問題も長いです。中学3年生が解くべき問題かと悩んでしまうぐらいです。

令和4年度一般入学者選抜 学力検査問題及び採点資料等
https://www.pref.osaka.lg.jp/kotogakko/gakuji-g3/r04_ippan_mondai.html

英語〔C問題〕
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6221/00424650/R04Ippan-109Eigo-C-Mondai.pdf

仮に当日点で半分しか取れなくても、英検2級を持っていると80パーセントの得点が得られます。安心感が全く違います。府立高校上位校(文理学科)では英検2級の取得が事実上の前提となっているも頷けます。

問題はこうした情報が小学校や小学生がいる保護者に伝わっていない事です。私も知ったのは今年度になってからです。たまたまブログを見つけ、大阪府の資料を読んで愕然としました。

高校受験はまだまだ先の話ですが、英検2級を取得するには相当の時間が必要です。学校の勉強も手を抜けません。となれば、学校の英語学習より相当に前倒しして学習をするしかありません。

あくまで皮算用ですが、中学1年生で4級、2年生で3級や準2級、3年生で2級合格が目標です。私もさび付いた英語力を磨き直し、子供と一緒に再学習するつもりです。

ただ、府立高校を受験する中学3年生に難しいC問題を課したり、英検2級の取得を事実上推奨する様な制度設計は如何な物かとも感じます。過剰なほどに英語重視・早期学習重視となってしまっています。それとも親世代の頃とは時代が違うのでしょうか。

また、受験費用の負担は辛いです。4級で4,500円、3級で6,400円、準2級で7,900円、2級で8,400円も掛かります(いずれも個人の本会場受験)。これにテキスト代や塾代等も嵩みます。家庭の経済状況がダイレクトに入試点数に響いてしまう制度は、果たして公平と言えるのでしょうか。

総務省の2021年消費者物価地域差指数によると、実は都道府県別で最も教育費が高いのは大阪府です。

都道府県別の物価差を示した総務省の2021年消費者物価地域差指数で物価を構成する10大費目のうち、授業料や教科書・学習参考教材、補習教育・予備校などにかかる教育費が最も高いのは大阪府だった。2位も京都府と、教育熱の高い関西圏の自治体が上位を占める。

大阪府や京都府は中高でも受験人気の高い私大付属校が多い。国や自治体の無償化の枠を超えて授業料が高いのに加え、受験準備で低学年から学習塾や家庭教師に教わる子どもも多くなる。学習塾や家庭教師に学ぶ子どもの割合が高いほど、教育の需要は大きく物価も高い。また大学進学時などに県外に流出する子どもが少ないほど、需要を囲い込めて物価は高まりやすい。

大阪府は全国平均を100とした教育の指数で121.2だった。全国平均より2割以上高い。府によると、府内私立中学61校のうち、大学を経営する学校法人の付属校は47校と8割近くを占める。多くが高所得世帯を狙った難関校であり、教育費無償化の枠を超えて授業料も高い。

受験準備などで学習塾などに通う子どもも大阪府内は多い。21年度全国学力・学習状況調査によると、府内の学校に通っていて学習塾や家庭教師に教わっていない小学生は46.9%、中学生は28.0%といずれも全国平均(52.6%、36.4%)より少ない。(以下省略)

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64300320T10C22A9LB0000/

こうした教育費の過剰な負担が回り回って少子化へと繋がっているのでしょう。我が家でも既に相当の負担になっています。加えて保育料も掛かっています。家計のやりくりが大変です。