東京都内の保育園で0歳児の定員割れが相次いでいます。

都内保育園で相次ぐ0歳児の定員割れ 経営圧迫で待機問題再燃の声も

 国は2001年に「待機児童ゼロ作戦」を打ち出すなど定員の拡大を進めてきた。都内ではここ数年、認可園が年間150~250園増え、20年前の2倍となる3477園(21年)に拡充した。都内の待機児童は14年の8672人から21年は969人まで減少した。

 一方、0歳児が定員割れする園が相次いでいる。1971年開園で、0~2歳児を預かる台東区の認可保育園「康保会乳児保育所」(定員122人)が今春迎え入れた0歳児は、定員40人に対して23人。例年、秋には定員に達したが、年々、途中入所の増加ペースが鈍化している。遠藤正明理事長(54)は「今年度は埋まらない可能性もある」と話す。

 豊島区の「椎名町ひまわり保育園」は今年度から10人だった定員を1人減らし、24年度までに6人にする計画だ。手厚い保育で評判で、かつては4月に定員は埋まった。しかし、近隣のコンビニ跡地や商業施設内に次々と保育園ができ、2年前から春の段階で空きが出るようになった。飯田由美理事長(67)は「区内の出生率が低く、状況の改善は難しいと判断した」。

 危機感を募らせた都民間保育園協会は昨年初めて調査に乗り出すと、0歳児の定員割れは1783人(昨年9月時点)にのぼることがわかった。約8割を23区が占める。

https://digital.asahi.com/articles/ASQ736TLDQ71UTIL02Y.htmlより引用

大阪市も例外ではありません。852保育所等の内、8月募集の0歳児枠が空いているのは232園でした。約3割の保育所等に相当します。

「地図情報を利用した保育施設等空き情報」からは、多くの保育所等で0歳児の募集枠が空いている状況が読み取れます(色つき部分)。

https://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu110/sukusuku/map.html

保育所等を利用する立場からは、年度途中でも多くの保育所等から選択できるのはありがたい話です。数年前は殆ど選択肢が無かった事と比べると、正しく雲泥の差です。

一方、経営面は大変です。0歳児は委託料単価が高く、保育士の配置数も多い事から、欠員が経営を直撃します。翌年度の1歳児園児数にも影響します。

4月に0歳児入所できるのは、原則として前年4-9月に産まれた児童のみです。10月以降に産まれた児童が年度途中に入所する為には、一斉入所募集後も空きが残る必要があります。

しかし、余りに空きが多く、長期間に渡って存在するのは問題があります。もしも0歳児定員と希望者数の均衡が取れていないのであれば、0歳児定員の縮減は避けられないでしょう。

0歳児とは異なり、現在もやや入りにくいのは1歳児です。8月途中募集を行っているのは162園です。0歳児より少ないながら、やはり数年前より格段に空きが増えています。こちらも経営問題に影響しています。

保護者としては保育施設を縮減する形で対応するのでは無く、保育士1人あたりが受け持つ園児数を減らし、人的配置の面から保育の質の充実を図る方向性が示されれば、と感じています。