大きなニュースですが、報道各社では目立って取り上げられていません。
市長選への影響を考慮してでしょうか。

昨年11月にひとり親家庭、未婚も保育料減免へ 大阪市長答弁という記事を掲載しました。
その後、平成26年度大阪市こども青少年局予算に関する市長ヒアリング資料において、みなし寡婦(夫)控除制度の設計案が記載されていました。

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保育所保育料のみなし寡婦(夫)控除制度について

1.制度趣旨
○ 所得税・市民税における寡婦(夫)控除等は、配偶者との離婚・死別が要件とされている。
○ 保育所保育料は前年の所得税・前年度の市民税の課税額に応じて決定される。
○ 寡婦(夫)控除等が適用されない未婚のひとり親と、寡婦(夫)控除等が適用される離婚・死別によるひとり親では、税額に差が生じ、その結果、保育所保育料にも差が生じる。
      ↓
○ 未婚のひとり親世帯について、税法上の寡婦(夫)に該当するものとみなして算定した保育料額となるよう保育所保育料の軽減を行う。

2.対象者
(1) 対象者 <児童扶養手当の一部支給の所得限度額>
 保育所入所児童の保護者であり、婚姻によらないで母又は父となり、その後婚姻をしていない者。
(2) 所得制限
 児童扶養手当の受給要件を満たしているものに限るものとし、その者の所得により児童扶養手当の全部が支給されない者を除く。
【対象世帯数】 280世帯

3.保育料の減免の内容
(1) 寡婦(夫)控除のみなし適用
前年所得税及び前年度市民税について、寡婦控除(特定の寡婦)・寡夫控除の適用があるものとみなして算定した課税額に応じた保育料額となるよう保育料を減額する。
(2) 寡婦(夫)の市民税非課税限度額のみなし適用 
 前年度市民税について、所得額が寡婦・寡夫の非課税限度額(年間所得額125万円)を下回る場合については、市民税非課税とみなした場合の保育料額となるよう保育料を減免する。

4.実施時期
平成26年4月から

5.予算額
【歳入減】 42,582千円 (25予算 0円)

平成26年度予算こども青少年局市長ヒアリング(市長査定)資料 6ページより(文字起こし部分は図表等省略の上、適宜修正)

上記モデルケースでは母・子1人(1歳)で年収180万円の場合、年間保育料約19万円が0円になるとされています。
また、上記市長答弁では幼稚園の就園奨励費への適用にも触れていましたが、今回の措置では見送られている様子です(見落としていたらすいません)。

しかしながら、ひとり親家庭に対する支援に関する事業に関する報道発表資料では、様々なひとり親家庭に対する施策及び予算が説明されている中、みなし寡婦(夫)控除制度に関する記述が抜けていました。
他の予算書にも記載されていません。

結論は「当初予算計上見送り」でした。
3月に大阪市長選挙が予定されており、当初予算は「骨格予算」として編成し、新規・拡充事業は原則計上しない方針の為だそうです(詳細はこちら)。
新規・拡充事業等は、今後「肉付け予算」として早急に補正予算を編成していく方針とされているので、みなし寡婦(夫)控除制度に関する予算は補正予算で計上されるものと推測されます。
なお、補正予算成立後に同控除制度が平成26年4月に遡及して適用されるかは不明です。

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(4/28追記)
保育所保育料に掛かるみなし寡婦(夫)控除制度に関する予算が、補正予算に計上されています。
平成26年6月からの開始が予定されています。
未婚のひとり親家庭の保育所保育料に寡婦(夫)控除等のみなし適用を行います