以前にご紹介した天満ちとせ保育園・豊崎ちとせ保育園の開園が平成30年5月へ延期にという記事の中で、「1月の開所延期発表であり、申込者への影響が非常に大きい」と指摘しました。また、北区では明の守保育園の開所が6月に延期されています。

指摘をそのまま引用します。

実は当時、北区役所や運営事業者に対して「本当に予定通りに開園できるのでしょうか?」といった問い合わせを行いました。

それに対し、「多くの方から問い合わせを頂いている」「現時点で延期する予定はない」「工事業者ともしっかり話をしている」「予定通りに4月1日に開園します!」といった返事がありました。

残念ながら、懸念が現実化してしまいました。現場を数回見ただけの私であっても「間に合いそうも無い」と感じていました。

北区役所・工事業者・運営事業者は、内心で「4月1日開園は非常に厳しい」と認識していたのではないでしょうか。せめて希望保育所等を変更できる期限までに開園延期の旨を公表できていれば・・・・と悔やまれます。

(中略)

保育園への入所を考えていた方への影響は少なくありません。育休中の方は復職する時期が、更には他の保育施設からの転所を検討していた方は転所自体が不安定となってしまいます。

4月に育休から復職する予定だった方は、まずは職場へ連絡して「(開設延期により)5月以降の復職でも構わないか」という旨を相談すべきでしょう。理解のある職場でしたら、「大丈夫です。決まったら教えて下さい。必要書類は郵送しておきます。」といった対応が為されるでしょう。

一方、復職時期の延期に難色を示したり、または内定していた就職を取り消す旨を示唆する勤務先もあるでしょう。自分では強く主張できないと感じたら、北区役所から勤務先等へ説明してもらう様に依頼する方法もあり得ます。

特に気掛かりなのは、天満ちとせ保育園の2歳児クラスに「保育士等優先枠」での入所希望者がいる点です。

優先枠の利用者には、昨年末に入所結果が通知されるスケジュールとなっています。結果通知後に開所延期、保育士としての勤務も1ヶ月延期となれば、吉村市長の肝いり施策である「保育士等優先枠」に泥を塗りかねません。

今回の開設延期において、入所希望者に過失等は全くありません。可能性等を示唆する説明も全くありませんでした。これで不利益を被る理由は何らありません。

更に難しいのは、別の保育施設から転所を希望して申し込んでいたケースです。「転所が決まったら3月末で退所、新しい施設が開園するまでの保育先は自分で探して下さい。」といった説明を受けたという話を聞きました。

これは非常に理不尽です。たとえ1ヶ月でも間が空いてしまうと、子育て家庭への影響は甚大です。北区役所はここで放り出すのを是とするのでしょうか。

私でしたら、「ちとせ保育園が開所するまでは今の保育施設で保育して欲しい」と強く申し入れるでしょう。4月からの入所者数に影響する恐れもありますが、中途半端に放り出されてしまう転所者への救済が優先されるべきです。適切な返事がなければ、市役所にも相談するでしょう。

平成30年度一斉入所の結果発送は2月2日が予定されています。時間がありません。特に両園を第1希望としている方は、早急に区役所・勤務先・現在登園している保育施設と相談して下さい。

天満ちとせ保育園・豊崎ちとせ保育園の開園が平成30年5月へ延期に

残念ながら、懸念が現実化しています。「4月から開所までの保育先を確保するメドが立たない!」「1ヶ月だけ認可外に申し込まざるを得ない」という、悲鳴にも似たメールを頂きました。

一斉入所の申込用紙には「開所が延期された場合でも、入所を希望しますか?」という問いがあったそうです。しかし、1月に開所延期が公表されるとは寝耳に水です。不意打ちです。

保育担当へ「4月以降も継続保育できないか」と訊ねたのに対し、「無理です」という冷たい返事があったそうです。

既存の保育制度の下では、転所が決まった方等を4月以降も元の保育所等で保育するのは難しいかもしれません。しかし、申込者には何ら落ち度はありません。

4月開所が間に合わなかった責任は、ただ開設事業者・工事業者・区役所にあります。しかし、開所延期による不利益を、全面的に申込者へ転嫁しています。

あまりに酷い話です。

開所が延期された保育所は北区にあります。同区は吉村市長のお膝元です。

「保育所等の積極的な新設」は市長の肝いり施策です。「保育空白期間」で困る子育て世帯に対し、何らかの積極的な対応はできないのでしょうか。