「早生まれ(誕生日が1月から3月)だと保育所に入所しにくい」という話をしばしば聞きます。
これは本当の話なのでしょうか。
結論から申し上げると「事実」です。

まずは実例をご覧下さい。
お世話になっている保育所で毎月行われる誕生会でお祝いされている園児の名前・年齢を基に、園児の誕生月を表してみました。

誕生月/年齢0歳児1・2歳児3-5歳児
4月 1 6 6 1335%
5月 3 3 10 16
6月 3 6 7 16
7月 0 3 5 826%
8月 2 3 8 13
9月 1 5 6 12
10月 2 5 9 1624%
11月 0 2 6 8
12月 0 3 4 7
1月 0 5 5 1015%
2月 1 1 2 4
3月 0 3 3 6
13人45人71人129人100%

4-6月生まれが比較的多い一方、1-3月生まれは少なくなってしまっています。
各月毎の新生児の出生数にもここまでの違いはありません。
特に0歳児は2月生まれの子が1人いるのみ(途中入所の園児でしょう)で、それを除くと11-3月は0人となっています。
どうしてこの様な状態になってしまっているのでしょうか。
原因は大阪市保育所入所に関する事務取扱要綱(入所選考基準)にあります。

(申込み時期)
第14条 翌年度4月1日より保育の実施を希望する保護者は、保育所入所申込書(様式第7
号)を指定する期日までにセンター所長に提出しなければならない。ただし、当該児童が
4月1日において生後6か月に達していない場合は、原則として申込みを行うことができ
ない。

毎年4月1日からの一斉入所に申し込むには、同日において生後6ヶ月に達しているのが要件となっています。
4月1日に生後満6ヶ月に達するのは、前年10月1日生まれです(年齢早見表参照)。
0歳児の一斉入所に申し込む資格があるのは、同年度生まれの中で半数しかいません。

では、0歳児の一斉入所へ申し込めなかった年度後半生まれの子供はいつ申し込むのでしょうか。
年度途中入所に申し込む方も多いと思いますが原則として欠員が出ない限りは入所できず、結果的に1歳児の一斉入所へ申し込む段取りとなります。
年度前半生まれだと0歳児及び1歳児での一斉入所へ申し込める半面、年度後半生まれだ0歳児での一斉入所へ申し込めず、結果として保育所へ入所できる機会が相対的に少なくなってしまっています。
この差異は1歳児以降でも解消されず、保育所における年度後半生まれの子供は卒園まで相対的に少ないままとなってしまっているのでしょう。

子供の誕生月をいつにするかはあくまで私生活で決める事柄であり、また年度前半生まれと比較して年度後半生まれが(特定の月日における)体力面等で劣ってしまうのは歴然とした事実です。
(特に1歳11ヶ月の園児と1歳1ヶ月の園児が共に過ごす1歳児クラスでは明確な違いがあります)
ただ、入所資格の有無という法的な部分で違いが生じてしまうのは、やや腑に落ちない感があります。
だからと言って生後3ヶ月前後の乳児を保育所で保育するのも人員・設備面等でなかなか難しいものがあるでしょう。