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(大阪市内某所にて。2軒のラブホテル(中央の茶色と左側のベージュ)があり、ベージュの裏口前に私立保育所を建設中。)

少し前に話題になったニュースがあります。
福岡市立保育所の移転先付近にラブホテル等があり、問題視した保護者等から住民監査請求・住民訴訟が行われました。

これとよく似た事例が大阪市でも行われつつあります。
ラブホテルの目の前に私立保育所が建設されています。

ラブホテルの近くへ福岡市立保育所が移転

ラブホテルの近くに保育園…福岡市「法的に問題ない」

 福岡市が老朽化した認可保育園をラブホテルなどが近接する地域に移転する計画を進めていることが13日、市への取材で分かった。風営法は保育所の半径200メートル以内で風俗施設の営業を禁止しているが、市は「後から設置するのは法的に問題ない」と説明。しかし保護者は反発を強め、住民監査請求をする構えだ。

 市によると、2011年7月、建物が老朽化した「中央保育園」(福岡市中央区)を約200メートル離れた土地に移転する方針を決めた。これに対し保護者は、移転先付近にはラブホテルやパチンコ店がある上、災害時の避難経路が十分に確保されていないと主張している。

(一部省略、以下同じ)
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/06/13/kiji/K20130613006004240.html

「保育園用地選定は不透明」 福岡市監査委、異例の意見
2013/9/12 2:06

 福岡市が認可保育所「中央保育園」(同市中央区)をラブホテルなどがある地域に移転する計画を巡り、費用を支出しないよう保護者らが求めた監査請求について、市監査委員は11日、「支出は違法とはいえない」として棄却した。

 ただ「用地の選定や取得手続きは非常に不透明で、風俗営業などの周辺環境への配慮が不足していた」とする異例の意見を付け、高島宗一郎市長に対し改善措置を取るよう強く要請した。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASJC11028_R10C13A9ACY000/

福岡市中央保育園の移転費返還訴訟 地裁が原告の請求棄却 

 福岡市中央区の認可保育所「中央保育園」の移転問題で、移転用地の購入は違法な公金支出に当たるとして、保護者ら6人が福岡市に対し、購入費8億9900万円を高島宗一郎市長に返還させるよう求めた住民訴訟の判決で、福岡地裁は24日、原告の請求を棄却した。

原告側は「移転先は200メートル以内にラブホテルがあるなど幼児教育にとって環境面や安全面で不適切。現地建て替えが妥当」と主張したが、判決は「保育環境として望ましいとは言い難いが、既存のラブホテルの200メートル以内に保育園建設を禁じた法律などはない。移転前の場所にもラブホテルは近くにあった」と指摘した。

http://www.47news.jp/localnews/hukuoka/2015/03/post_20150324132159.html

福岡市の事例では監査請求・住民訴訟はいずれも認められませんでした。
保育所の移転は既に終了し、2014年から移転先で保育が行われているそうです。
保護者の会が立ち上げた下記ウェブサイトに情報がまとまっています。
中央保育園移転問題(福岡市中央区今泉)

大阪市ではラブホテルの目の前に私立保育所が建設中

これとよく似た様な事例が大阪市内で進められています。

ラブホテルの駐車場裏口から生活道路を挟んだ反対側に、何と私立保育所が建設されています。
駐車場裏口からラブホテルへ出入りする自動車は少なく無さそうです。
また、この生活道路は駅方面への抜け道となっており、通過する自動車も少なくありません。
新設保育所へ出入りできるのは、この生活道路のみです。

ラブホテルは新設保育所と子育て世帯が数多く居住している大型マンション群の間にあります。
大型マンション群から保育所へ登園するには、この生活道路を利用するのが自然かつ最短です。
やや迂回するコースを利用すると、今度はラブホテルの正面出入口の目の前を通過します。
ラブホテルの前を通らないで登園するには、更に大きな迂回を強いられて現実的ではありません。

保育所の正面出入口からは裏口の距離は約10メートルです。
斜め向こう正面の位置関係にあるので、出入りする自動車や人間がはっきり見えます。
保育所を飛び出した園児が迷い込んでも何ら不思議ではない位置関係です。
ラブホテルへ出入りする人にとっても、園児や保護者と目があって良い気はしないでしょう。
目が合うのを嫌がった車が急発進し、園児・保護者と接触する危険性も高いです。

ラブホテルの存在意義は否定しません。
人間の営みという観点からは、保育所と切っても切り離せない関係にあるでしょう。
しかし、小さな子供が日中を過ごす場所に極めて近接した場所にある必然性は皆無です。
どちらの施設の利用者も互いに違和感を感じるのではないでしょうか。

再開発によって建設された大型マンション群は、緑豊かでゆとりがある敷地に建てられています。
食品スーパー・メディカルモール・飲食店が多数あり、便利な生活を過ごせそうです。
子育て世帯も少なくないでしょう。

一方、新しい保育所はラブホテルと通行量が多い生活道路に面した場所に建設中です。
自動車等の交通機関による大きな騒音も聞こえてきます。
園児が避難車や徒歩で移動できる範囲に児童公園は見つかりませんでした。
再開発が予定されていますが、少なくとも現時点においては、大型マンション群とは全く異なる環境です。
多くの園児が日中を過ごす場所として、残念ながら適しているとは思えません。

どうしてこんな場所に保育所を新設するのか、どうして認可されたのか。
子育てや保育所について、関係者はどう考えているのでしょうか。
不思議で仕方ありません。