大阪府内の重症者が急増しています。昨日は11人も増加しました。重症病床の使用率が3割を超え、軽症中等症病床が4割に達しました。

http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/attach/hodo-39037_4.pdf


http://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/corona_model.html

大阪で感染の5人死亡 重症病床使用、3カ月ぶり3割超

 大阪府は14日、新型コロナウイルスに感染していた50~90代の男女5人が同日までに死亡したと発表した。5人のうち4人は基礎疾患があった。府内の死者は計106人となった。

 同日の新たな感染者192人を年代別にみると、30代以下の若者が全体の約4割、70代以上が約2割だった。192人のうち6人は泉大津市内の高齢者施設の利用者で、府はクラスター(感染者集団)が発生したとみている。

 同日時点の入院患者のうち重症は64人で、重症病床(188床)の使用率は34・0%。30%を超えるのは5月8日以来となる。

https://digital.asahi.com/articles/ASN8G71YZN8GPTIL01D.html

大阪府内の重症病床は188床あり、入院患者は64人(8月14日)となっています。

入院待機する子供も

しかし、実情はこれ以上に厳しい状況かもしれません。

「息子がコロナに感染して思ったのですが、感染して受け入れてくれる病院が無い」と訴えている方がいます。

これを裏付ける報道がありました。

ホテルは稼働率40%でもギリギリ、コロナ専門病院も半数以上が埋まっているとMBSが報じています。

(中略)オンライン取材に対してこう話したのは、大阪市内のマンションで夫と暮らしているBさん。7月29日、同じマンション内に住む父親の感染が確認された。

「『陽性でしたよ』って言われて、そのままどこかに隔離か何かしてくれるんかなと思ったんですけど、『歩けて食べられる人は軽症やから帰ってください』という感じで。」

(中略)結局、Bさん自身が入院できたのは陽性確定から5日後のことだった。

(中略)療養施設となっている大阪市内のホテル「スーパーホテル大阪天然温泉」を8月7日に取材した。こちらのホテルは今年4月から軽症・無症状者用の療養施設として運用されていて、6月には一時入所者がゼロになったというが、7月中旬から再び増え始め、8月の今がピークだという。取材した日の稼働率は40%ほどで、約160人が入所していた。

「入所の方と退所の方とそれぞれ20~30人ずつくらい毎日いらっしゃいますので、それぞれの連絡を受けたり、こちらから連絡したりということでかなりバタバタしています。」

(中略)稼働率は40%でも、スタッフの数からすると今でもギリギリの状況だという。

(中略)一方、中等症患者の専門病院となっている大阪市立十三市民病院は、6月下旬には入院患者が1人にまで減少したが、8月13日現在は90床のうち半数の45床まで急速に埋まってきているという。

「初めてですね。今までは最高で20数人でしたから、この第2波を受けてどんどん増えてきますから、この1週間で17人、18人増えたことになりますね。これからの患者さんは高齢の方がより増えてきますので、ひょっとしたらピークあたりまでいくかもしれませんね。(さらに患者が増える前に)他の病院も体制を作ってくれないと、とても90(床)では無理ですよ。」

https://www.mbs.jp/mint/news/2020/08/14/078935.shtml

感染過半数が中高年・高齢者

どうして急激に病床が埋まり始めたのでしょうか。

大阪府では日々の感染者数が200人前後と高止まりしているのに加え、中高年(40歳代)以上の感染者が増加しています。

8月14日に発表された感染者の内、5割以上が40歳代以上(下記グラフで赤っぽい部分)、そして2割が70歳代以上でした。


(大阪府報道発表から作成)

ミナミの夜の街(ホストクラブ・キャバクラ等)からの感染に加え、学生間感染・家庭内感染・施設内感染が増加しています。

特に8月11日から14日のわずか4日間にて、6か所の介護施設や医療機関でクラスターが発生しています。

高齢者や基礎疾患を有する方が感染してしまうと、入院が長期化しがちです。重症となり、亡くなる方も少なくありません。

この様な形で病床使用率が上昇すると、現役世代や子供が入院するのも難しくなってしまいます。居住地等の地理的制約が加わると、入院先の調整は更に困難となってしまうでしょう。

大阪府内の新型コロナウイルスの感染者、そして医療機関の逼迫度合いは極めて厳しい状態となっています。感染者がたとえ横ばいだとしても、その中身は非常に悪くなっています。

果たして無事に盆明け、保育所等の再開、そして学校の2学期始業式を迎えられるのでしょうか。運動会の開催が徐々に難しくなってきました。

なお、重症者が132人を超えると、重症病床の使用率が7割を超えます。「非常事態の基準」を一部満たします(警戒信号点灯後25日以内という要件と除く)。

大阪市内は昨年よりもガランとしています。先月より減りましたが、未だに駅前の居酒屋等では多くの酔客を見かけます。

各自が「三密」や「マスク非着用時の大声」に気をつけたいですね。