子育て中、特に0-2歳のお子様と一緒に出かける際にベビーカーを日常的に利用している方は多いと思います。
国土交通省の検討会が「ベビーカーマーク」を決定し、公共交通機関や公共施設等に貼って配慮を求める方向で検討が進んでいます。

babycarmark
ベビーカーマークとベビーカー禁止マーク(国土交通省HPより)

果たして「ベビーカーマーク」の導入によりベビーカーが使いやすくなるのか、そもそも現状ではどういった問題があるのでしょうか。

「ベビーカーマーク」作成 交通機関などに
3月26日 18時56分

ベビーカーに子どもを乗せた親が交通機関を気兼ねなく利用できるようにしようと、国土交通省の検討会が「ベビーカーマーク」を作成しました。
今後、電車やバスの車内のほか駅などに貼って、周りの利用者にベビーカーへの配慮を求めていくことにしています。

26日は、国土交通省の検討会が「ベビーカーマーク」を決定し、太田国土交通大臣に報告しました。
このマークは、ベビーカーを押して歩く人を図案化したもので、今後、電車やバスの車内、それに駅などの公共施設に貼ってベビーカーへの配慮を求めていくことにしています。
太田大臣は「子育ては大変なので周囲の人に助け合いの気持ちが生まれることを期待している」と述べました。
検討会はポスターやチラシも作成し、ベビーカーの周りの人には、エレベーターが無いような場所ではベビーカーの利用者をできるだけ手助けするよう呼びかけています。
またベビーカーの利用者に対しても、周りの人に接触したり通行の妨げになったりしないよう注意することや、車内やホームではベビーカーが動かないようストッパーを使うことなどを求めています。
今後、このマークは交通機関の事業者が順次、活用することになります。
検討会の座長を務めた「日本福祉のまちづくり学会」会長の秋山哲男さんは「子育てする人を社会全体でどう見守っていくのかが重要で、安心してベビーカーを使えるよう社会全体のレベルを上げていきたい」と話しています。

交通機関 独自の対応も
最近ではベビーカーの利用が増えていることから、鉄道やバスの事業者のなかには、すでに独自の対応を取っているところもあります。
広島電鉄など一部の鉄道やバスでは、ベビーカーを置けるスペースを車内に設けています。
また横浜市交通局のように、バスの車内でベビーカーを置けることを示したり、周りに配慮を促したりする「マーク」を独自に作成しているところもあります。
今回、共通のマークを作成した国土交通省の検討会には、主な交通機関の関係者も参加して議論してきました。
検討会に加わっていたJR東日本は、「これまでベビーカーについて特に対応は取ってこなかったが、今回の結果を踏まえて今後、対応を検討していきたい」と話しています。
このほかの私鉄や地下鉄各社も、今後具体的な対応を検討するとしています。

ベビーカーの利用者たちは
「ベビーカーマーク」について、30代の母親は「小さな子ども2人と一緒に外出する時は、ベビーカーなしでは移動できない。電車などが混雑していると、周りに迷惑がかかるので非常に気を遣うが、こういうマークができると外出しやすくなるし、ありがたい」と話していました。
また、電車でベビーカーをよく見かけるという女性は「ベビーカーで乗車してきたお母さんを周りがせかしたり、舌打ちしたりしているのを見たことがある。こういうマークがあれば安心して乗れるのではないか」と話し、30代の会社員の男性は「今まではどこで使っていいのかルールが分からなかったので、マークがあるとみんなが分かりやすくてよいのではないか」と話していました。
一方、70代の女性は「バスによく乗るが、ベビーカーで子ども連れのお母さんを見て、急ブレーキがかかった時に危ないと思うこともある。お母さんの事情も分かるが、昔ながらの子育てをした世代としては、子ども連れで外出するならだっこしたらよいのにと思う」と話していました。

専門家「きちんとスペース確保を」
恵泉女学園大学教授で、子育て支援に取り組むNPOの代表を務める大日向雅美さんは、「ベビーカーを乗せて非常識だと思われるのではないかと心配している母親がたくさんいるので、マークが貼られて、ベビーカーで乗っていいということがはっきりと分かるようになることは大きな進歩だ。ベビーカーが乗ってきたら手を差し伸べ、みんなで助け合うひとつのきっかけになってほしい」と評価しました。
そのうえで、「ベビーカーは大きく重量もあり、中に赤ちゃんがいる。どこに置いてもいいというわけではないので、マークを作成するのであれば、きちんとスペースを確保しベビーカーを固定する装置もつける必要がある」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140326/t10013263811000.html

ベビーカーマーク制定に至った経緯等については下記国土交通省HPに詳しく掲載されています。

「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」決定事項の公表について
平成26年3月26日

ベビーカーを利用しやすい環境づくりに向けて、ベビーカー利用に関する必要な事項の協議を進めるために、平成25年6月に実務者で構成される「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」を設置し、これまで検討を進めてきたところです。
本日開催しました第4回協議会において、これまでの検討結果を踏まえ、下記のとおり「ベビーカー利用にあたってのお願い」及び「ベビーカーマーク」を決定しましたので、公表いたします。

(以下省略)
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo09_hh_000083.html

ベビーカー利用者としてどういった点に困っていて、どういった手助け等があれば有り難いか、またどんな配慮を行っているか、場面毎に分けて考えてみます。