【重要・1/23追記】新設保育所・小規模保育（26施設・821人）が追加発表されました

西区は3保育所の新設・1保育所の増築

大阪市内で最も保育所へ入所しにくいのが西区です。特になにわ筋沿いでは、1歳児で入所するには何らかの加点がなければ極めて厳しい状況となっています。

区役所が更に注力したのか、今回は4施設の新設・増築が選定されました。

1つめは株式会社クオリスが設置する「クオリスキッズ新町保育園」です。同社はクオリスキッズ北梅田保育園・同三国本町保育園等、大阪市内や関東一円で数多くの保育施設を運営しています。

設置予定場所は西区役所の東側、新町三丁目です。タワーマンション等への転入者が少なくなく、保育所不足が著しい地域です。

審査部会からはこれまでの運営実績が評価される一方、保育士に関して厳しい注文が付されています。

・既存施設の運営実績が安定していることは評価できる。
・保育課程については、すべての職員で共有し、再度点検していただきたい。
・保育士確保の観点にたち、更なる処遇改善を図られたい。
・施設長には、法人本部の方針を尊重しながらリーダーシップを発揮し、人材育成に注力されることを期待する。

2つめは社会福祉法人江東会が新設する「南堀江あやめ保育園」です。同法人は寝屋川市に本部があり、同市や東大阪市で保育所を運営しています。

設置予定場所は西区南堀江四丁目です。過密化が心配される日吉小学校がある地域です。西区東部の中ではやや入所しやすい地域ですが、保育所が不足しているのには違いありません。

これだけ多くの保育所等が設置されると、地域事情に精通した第三者委員を選定するのも容易ではないでしょう。保育知識・会計や法的知識を有した人間ともなると、極めて限定的です。

・長年の地域社会における事業の実績を踏まえ、開設地域での地域福祉の向上に寄与されることを期待する。
・職員の人材育成や確保に関して、業務の見直しや改善など工夫しながら取り組まれている点が非常に評価できる。
・各種マニュアルについて、最新の知見に照らして、より実用性の高いものに整備されたい。
・第三者委員の選定に際しては、開設地域に応じた適切な人材の選定に努められたい。

3つめは社会福祉法人智恩福祉会が設置する「立売堀敬愛保育園」です。本部は茨木市に有り、関西一円で数多くの保育所・小規模保育・デイサービスセンター等を運営しています。

西区内では「堀江敬愛保育園」を運営しています。毎年、多くの入所希望者が第1希望としている保育所です。

設置予定場所は西区立売堀です。名前の通りですね。とは言え、立売堀は西横堀川跡地から木津川までと東西に長く、設置場所に具体性はありません。

同保育所も第三者委員の選定に意見が付されています。人材不足？

・他市において、保育所をはじめ子育てに関する多様な事業を一体的に展開している実績が評価できる。
・第三者評価を早急に受審されたい。
・職員研修について、外部研修へも参加可能な体制の確保に努められたい。
・児童虐待に関して、より実用性あるマニュアルの整備に努められたい。
・第三者委員の選定に際しては、開設地域に応じた適切な人材の選定に努められたい。

また、西区では南堀江3丁目にあるソフィア南堀江保育園が増築を予定しています。職員の定着率が良いのは、雰囲気や待遇が良い証拠ではないでしょうか。

・法人が、組織として、全体を見て研修の体制を整えており、また、職場の風通しも良く、よりよい保育園にしていくという熱意・意欲が感じられる。
・職員の定着率も良く、安定した保育の運営が期待できる。
・人材育成についても明確な考えを持っておられ、職員の資質向上が期待できる。
・マニュアル、規程など整理はされているので、その実効性を高めるべく、周知徹底と緊急体制表の掲示など、職員がより理解しやすくするための簡素化や視覚化など工夫が必要である。
・保育の運営をより盤石なものとするため、保育所保育指針の理解を深める研修も実施されたい。
・保育運営中の施設の改修工事となるため、工事期間中は、児童の処遇に影響が出ないよう配慮されたい。

天王寺区は株式会社キッズパレス（南河堀町10-15・小規模）が選定

西区・中央区と並んで保育所へ入所しにくいのが天王寺区です。今回は1小規模保育の新設に留まりました。

選定されたのは株式会社キッズパレスが設置する「キッズパレス天王寺」です。

同社は阿倍野区旭町で認可外保育施設（その後、小規模保育へ移行）を運営しており、来春には阿倍野区美章園にも小規模保育施設を新設する予定です。

新施設の設置予定場所は天王寺区南河堀町10-15です。サイゼリヤ天王寺駅北口店がある街区です。駅に近く、利便性は高いでしょう。

一方、交通量が少なくなく、かつ広大な駐車場も設置されている地域です。南河堀公園へは広大な駐車場を回り込んで歩いて行く形となりそうです。

3施設は天王寺駅を取り囲む様に設置されます。相互に協力し合い、充実した保育を実施していくのでしょう。

審査部会では保育士の負担が懸念されています。

・代表者の熱意が素晴らしく、施設長はその理念を今後保育の内容に反映させていただきたい。
・地域に根差した保育実績があり、研修対応も充実しており今後に期待ができる。
・地域環境を踏まえ、散歩時のこどもの安全に配慮すること。
・保育士の負担が増え、疲弊しないよう、保育士への理解に努めていただきたい。
・休憩への配慮など、常にコンプライアンスの確保に努めること。

淀川区は株式会社テノ．コーポレーション（新高一丁目・保育所）が選定

淀川区で選ばれたのは、株式会社テノ．コーポレーションが設置する「ほっぺるらんど新高」です。

同社は本社が福岡市にあり、全国で数多くの保育施設を運営しています。その中にはうつぶせ寝で園児が死亡したほっぺるらんど志村坂上もあります。大阪市内ではほっぺるらんど鶴見緑地や同国津橋を運営しています。

新設予定場所は淀川区新高一丁目です。新高小学校・幼稚園や多くのマンションが建ち並んでいる地域です。淀川区では三国・宮原地域の保育所不足が深刻ですが、新高地域も似た状況です。

事故を踏まえたのか、審査部会でも危機管理・緊急時の対応に関する意見が付されています。

・危機管理や安全管理等の各種マニュアルは充実しており評価できる。今後は、緊急時に誰もが即対応できる具体的なマニュアルを施設の実情に合わせ作成し、適正に運用していただきたい。
・安心・安定した保育が実施できるよう保育士確保を実行されたい。
・保護者との連携のあり方を踏まえ、登・降園時における保護者との引き継ぎ内容の充実に努められたい。
・円滑な業務運営ができるよう、スタッフ同士の連携について工夫していただきたい

東淀川区は女性と子育て支援・pokkapoka（豊新1・小規模）が選定

東淀川区で選ばれたのは、NPO法人女性と子育て支援グループ・pokkapokaが設置する「ぽっかぽか保育園」です。暖かくなりそうな名称ですね。

同法人は東淀川区に本部を置き、認可外保育施設・助産院・学童保育等、様々な子育て支援事業を運営しています。

新設予定場所は東淀川区豊新1-1-5です。菅原2交差点の北西側すぐの場所です。駅まではやや離れているので、近所で働いている方、自動車で通勤する方の利用が想定されます。

審査部会では職員待遇について意見が出ました。NPO法人といえども、継続的に運営するには職員に適切な給与を支払い、人材を確保する必要があるでしょう。

・地域の子育てを一貫して支援しようとする姿勢が評価できる。
・継続性のある事業運営を図るために職員処遇についても配慮されたい。