(改善勧告等が公表された「ぎんのすず・NURSERY SCHOOL」ロゴ)

大阪市が認可外保育施設「ぎんのすず・NURSERY SCHOOL」(大阪市阿倍野区)に改善勧告を行いました。極めて深刻な内容です。

 大阪市は、認可外保育施設「ぎんのすず・NURSERY SCHOOL」に対し、児童福祉法第59条第1項に基づく立入調査を実施し、その結果等を踏まえ、設置者に対し同条第3項に基づく改善勧告を行いましたが、指定した期日までに改善が図られなかったため、同条第4項に基づき、改善勧告の内容及び改善の状況について公表します。

1 当該施設

施設の名称 ぎんのすず・NURSERY SCHOOL
施設の所在地 大阪市阿倍野区天王寺町南3-9-28
設置者 希代 典子(個人事業主・施設長)
開設日 平成29年6月19日

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kodomo/0000558822.html

同園は河堀口駅前(近鉄南大阪線)にあります。天王寺駅まで約600メートルの場所にあるので、徒歩や自転車で同駅付近に出勤している方も少なくないでしょう。利便性は良い場所です。

「賢い子を育てたい」と強調しています。ストリートビューに映り込んでいる看板には「超難関小学校受験の合格実績多数!」と書かれています。

人としての生き方を高めるための「立腰教育」を基本とし、就学時以降を見据えた学力や自立心を高めることで、未来を担う子ども達があらゆる方向に伸び育ってゆくための基礎作りを行います。保育園第1号として導入した「ピグマリオン学育」は、子ども達の学ぶ意欲を高め、可能性を伸ばし、未来に役立つ本物の思考力を育てられるメソッドです。阿倍野エリアで、のびやかに、健やかに、「賢い子」を育てたいとお考えの保護者様は、ぜひご検討ください。「日本を背負う宝」である子ども達一人ひとりが羽ばたくためのお手伝いをいたします。

https://ginnosuzu-osaka.com/

しかし、同園で行われていたのは杜撰な保育でした。大阪市が気付いた端緒は、施設から抜け出した園児が屋外にて近隣住民に保護された事でした。

令和3年6月に保育中の児童が施設から抜け出し、建物外に1人でいるところを近隣住民に保護される事案が発生しました。

園児抜けだしと言えば、先の土曜日に広島市で発生した事故を思い出しました。河川敷にて変わり果てた姿で発見されました。

【ニュース】広島市立保育園の5歳園児が保育中に行方不明 太田川で発見・死亡

園舎は近鉄南大阪線の高架下を行き来できる数少ない道路に面しています。一方通行ですが交通量は少なくないでしょう。未就学児が1人で歩いていたら、自動車と接触する危険があります。

大阪市が知った経緯は不明です。園に連絡するだけでなく、危険に感じた近隣住民が阿倍野区役所にも連絡したのでしょうか。

事態を把握した大阪市は特別立入調査を行いました。同市は認可外保育施設への立入調査結果をウェブページに掲載しています。

認可外保育施設最新立入調査結果

https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000027886.html

2022年4月21日において特別立入調査を行ったと記載されているのは、ぎんのすず・NURSERY SCHOOLのみです。

この結果、園児を本来の保育室意外に長時間放置するし、児童に著しい精神的苦痛を与えた事が確認されました。これは「虐待」です。屋外へ抜け出した事案も記録されていませんでした。

更に文書による改善指導を行ったのですが、同園は虚偽回答を行いました。

これとは別に2021年9月に大なわれた定期立入調査でも問題が確認されました。呆れて物が言えません。

本来の勤務時間と異なる職員のタイムカードを複数作成し、本市立入調査に対しては、偽装したタイムカードを提出し、実際には勤務していない職員が配置されているように装った。職員の健康診断受診記録について、医師の診断書を偽造して、健康診断を受診したように装った。

タイムカードを偽造したのは、認可外保育施設における保育士配置基準違反を隠蔽する目的だったのでしょう。

保育施設における重大事故の多くは、保育士が不足している状況で発生しています。保育士の目が足らず、園児の異変等に気づけませんでした。保育士不足は園児の生命に直結する重大な違反であるばかりか、これを隠そうとしたのは極めて悪質です。

医師の診断書を偽造したのも悪質です。有印私文書偽造です。刑事告発を行わなかったのでしょうか。大阪市の調査に対してここまで酷い対応を行った施設は記憶にありません。

大阪市は未だ改善が行われていないと判断しています。

(3)改善状況

提出された事故記録の写しは明らかに後日作成されたものであるが、施設長は事故当日に記録していたと主張し、事故発生後速やかに記録し、再発防止を図るなど組織的な改善には至っていない。

施設長は児童を放置したとは認めておらず、本市が全職員へ聞き取り調査した内容とは大きく相違し、また、これまでの聞き取りに対する施設長の回答内容も度々変わっており信用性が低い再発防止策等が示されておらず、改善されていると認めることが出来ない。

児童の抜け出しについては、施錠の徹底や鍵(オートロック)の位置を変えるなど再発防止策がとられており、一定の改善が認められる。

タイムカード等の偽造については二度と行わないと反省しており、一定の改善が認められる。

施設長と全職員への聞き取り内容に齟齬があり、改善勧告に対する回答に虚偽の内容が含まれていることから、全て改善されたと認めることが出来ない。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kodomo/0000558822.html

「組織的な改善には至っていない」「施設長は児童を放置したとは認めておらず」「信用性が低い」「改善勧告に対する回答に虚偽の内容が含まれている」と、大阪市は酷評しています。文字にはされていませんが、「施設長は信用できない」と言っている様なものです。

もしも保育で生じた問題について保護者が同園へ問い合わせても、正しい返事が返ってくる見込みは低いです。大阪市に虚偽回答を行う保育施設は、保護者にも虚偽回答を行わない理由がありません。

同園の利用を考えている方は、こうした問題の発生や改善勧告・公表が行われている事を踏まえ、慎重にご検討下さい。